237円の商品を、コンビニ3社で買うと? 生じた違いに「なんでだ…」 By - grape編集部 公開:2021-08-26 更新:2021-08-26 コンビニセブンイレブンファミリーマートローソン Share Post LINE はてな コメント ある日、コンビニエンスストア(以下、コンビニ)の『セブン-イレブン』でプロテインを買った筆者。 歩いている途中でもう1個欲しくなり、数軒先にあった『ローソン』に立ち寄ります。 『ローソン』に立ち寄り、会計を済ませてレシートを見ると…。 商品は同じなのに、値段が違う…。 左側の238円がローソン、右側の237円がセブン-イレブンでの支払いです。なんと、ローソンで1円高く支払っていたのです! 店によって価格に違いはあるのは、どうしてなのでしょうか。 疑問に思い、『セブン-イレブン』、『ファミリーマート』、『ローソン』3社の価格表示と計算方法を調べてみました。 コンビニ3社の価格表記に違いが!? 各社の発表や、SNSで目撃した情報を整理すると、次のような違いがありました。 クリックすると画像を拡大します 小数点以下の表示や、四捨五入するかどうかで違いがあるのが分かりますね。 筆者は、ファミリーマートでも同じプロテインを購入。税別220円で1個買うと、支払い金額は次のようになりました。消費税は、持ち帰り時に適用される8%です。 セブン-イレブン:220円×1.08=237.60円。小数点以下は切り捨てなので、支払い金額は237円。 ファミリーマート:220円×1.08=237.60円。小数点以下は切り捨てなので、支払い金額は237円。 ローソン:220円×1.08=237.60円。小数点以下を四捨五入して、支払い金額は238円。 セブン-イレブンとファミリーマートが237円なのに対して、ローソンは238円。 3社を比較すると、改めて違いに気付きますね。 セブン-イレブンの価格表示 まずはセブン-イレブンから見ていきましょう。 セブン-イレブンでは、税込み価格に小数点以下を表示させています。その理由は、商品を複数購入する際、計算式による違いが生じるためです。 例えば、この税別230円、税込み248.40円の商品を例に考えてみましょう。 ちなみに、税込み248.40円の商品を1つ購入した場合の支払金額は、小数点以下を切り捨てて、248円です。 小数点以下を表示させない税込み価格で計算する場合 もし『税別230円/税込み248円』と商品パッケージに書いてあったら…。 248円×3個=744円 消費者は「支払金額は744円」と思います。 しかし、実際に支払うのは…。 230円×3個×1.08=745.20円 小数点以下を切り捨てるので、支払い金額は745円。 1円のズレが生じています。 小数点以下を表示させた場合の計算 『税別230円/税込み248.40円』と書いてあれば…。 248.40円×3個=745.20円 小数点以下を切り捨てるので、支払い金額は745円。 1円のズレが生じなくなりました! 同じものを同じ個数買っても、小数点以下の表示の有無により計算が異なると、支払金額に差額が生じる場合があります。 セブン-イレブン広報課に、上記の計算方法を導入している理由について聞くと、このような説明が返ってきました。 軽減税率の制度を含め、今後の消費税の移行を見越し、小数点以下を表示させています。 消費税は、2014年4月に8%、2019年10月に、食料品など生活必需品を除いて10%に引き上げられました。 食料品の持ち帰りは8%、店内で食べる際は10%となる『軽減税率』の制度も導入されましたね。 今後、消費税がさらに上がったり、逆に下がったりする可能性を考慮しているのでしょう。 ローソンの価格表示 ローソンの場合、小数点以下を表示していないものの、消費税を計算する際に、四捨五入が行われています。 例えば、税別95円の商品を、消費税8%で購入した場合で考えてみましょう。 95円×1.08=102.6円。小数点以下を四捨五入して、支払い金額は103円。 つまり、知らず知らずのうちに、四捨五入されていることにより0.4円多く支払っていたことに。 端数の四捨五入を採用し、小数点以下を表示させた税込み価格を消費者に示していない理由について、ローソン広報課に聞くと…。 当社では現在、四捨五入による価格表記を実施しています。 小数点以下の表記は実施していませんが、お客様のご意見を聞きながら、お客様にとって見やすく分かりやすい価格表記と設定を検討してまいります。 セブン-イレブン同様に、小数点以下を表示させた価格表記になることもあるかもしれませんね。 ただし複数の商品を購入すると、ローソンの計算方法は変わります。 例えば、税別105円の食料品を、3社のコンビニで2個ずつ購入すると、このような金額になりました。 セブン-イレブン:105円×2個=210。210円×1.08=226.8円。小数点以下を切り捨てて、226円。 小数点を表示させた計算だと、105円×1.08=113.4円。113.4×2=226.8円。小数点以下を切り捨てて、226円。 ファミリーマート:105円×2個=210円。210円×1.08=226.8円。小数点以下を切り捨てて、226円。 ローソン:105円×2個=210円。210×1.08=226.8円。小数点以下を切り捨てて、226円。 小数点以下を四捨五入するはずのローソンが、0.80円、つまり小数点以下を切り捨てていることが分かります。 「ローソンは、四捨五入するんじゃなかったの?」と思いませんでしたか。 この理由について、ローソン広報課は次のように説明しています。 各棚に陳列された商品には、『プライスカード』と呼ばれる税込み価格が表示されたカードがあります。 複数個を購入する場合、その税込価格の合計額が支払い金額となります。単品の場合、四捨五入して計算します。 単品か複数個を購入するかで、計算方法が変わるのは、ローソンならではの特徴でしょう。 ファミリーマートは一般的な計算方法 最後に、ファミリーマートにおける価格表示と消費税の計算を説明します。 同店では、税込み価格に小数点以下を表記していません。例えば、税別230円の商品なら、税込み248円と表記されています。 また、消費税の計算時、小数点以下は切り捨て。 普段気にすることは少ないかもしれませんが、コンビニ以外でもこの計算式で行われているのでしょう。 大きな差ではないですが、買い比べてみると、同じコンビニでも価格表示や値段が違ってきます。豆知識として知っておきたいですね! [文・構成/grape編集部] Share Post LINE はてな コメント
ある日、コンビニエンスストア(以下、コンビニ)の『セブン-イレブン』でプロテインを買った筆者。
歩いている途中でもう1個欲しくなり、数軒先にあった『ローソン』に立ち寄ります。
『ローソン』に立ち寄り、会計を済ませてレシートを見ると…。
商品は同じなのに、値段が違う…。
左側の238円がローソン、右側の237円がセブン-イレブンでの支払いです。なんと、ローソンで1円高く支払っていたのです!
店によって価格に違いはあるのは、どうしてなのでしょうか。
疑問に思い、『セブン-イレブン』、『ファミリーマート』、『ローソン』3社の価格表示と計算方法を調べてみました。
コンビニ3社の価格表記に違いが!?
各社の発表や、SNSで目撃した情報を整理すると、次のような違いがありました。
クリックすると画像を拡大します
小数点以下の表示や、四捨五入するかどうかで違いがあるのが分かりますね。
筆者は、ファミリーマートでも同じプロテインを購入。税別220円で1個買うと、支払い金額は次のようになりました。消費税は、持ち帰り時に適用される8%です。
セブン-イレブン:220円×1.08=237.60円。小数点以下は切り捨てなので、支払い金額は237円。
ファミリーマート:220円×1.08=237.60円。小数点以下は切り捨てなので、支払い金額は237円。
ローソン:220円×1.08=237.60円。小数点以下を四捨五入して、支払い金額は238円。
セブン-イレブンとファミリーマートが237円なのに対して、ローソンは238円。
3社を比較すると、改めて違いに気付きますね。
セブン-イレブンの価格表示
まずはセブン-イレブンから見ていきましょう。
セブン-イレブンでは、税込み価格に小数点以下を表示させています。その理由は、商品を複数購入する際、計算式による違いが生じるためです。
例えば、この税別230円、税込み248.40円の商品を例に考えてみましょう。
ちなみに、税込み248.40円の商品を1つ購入した場合の支払金額は、小数点以下を切り捨てて、248円です。
小数点以下を表示させない税込み価格で計算する場合
もし『税別230円/税込み248円』と商品パッケージに書いてあったら…。
248円×3個=744円
消費者は「支払金額は744円」と思います。
しかし、実際に支払うのは…。
230円×3個×1.08=745.20円
小数点以下を切り捨てるので、支払い金額は745円。
1円のズレが生じています。
小数点以下を表示させた場合の計算
『税別230円/税込み248.40円』と書いてあれば…。
248.40円×3個=745.20円
小数点以下を切り捨てるので、支払い金額は745円。
1円のズレが生じなくなりました!
同じものを同じ個数買っても、小数点以下の表示の有無により計算が異なると、支払金額に差額が生じる場合があります。
セブン-イレブン広報課に、上記の計算方法を導入している理由について聞くと、このような説明が返ってきました。
軽減税率の制度を含め、今後の消費税の移行を見越し、小数点以下を表示させています。
消費税は、2014年4月に8%、2019年10月に、食料品など生活必需品を除いて10%に引き上げられました。
食料品の持ち帰りは8%、店内で食べる際は10%となる『軽減税率』の制度も導入されましたね。
今後、消費税がさらに上がったり、逆に下がったりする可能性を考慮しているのでしょう。
ローソンの価格表示
ローソンの場合、小数点以下を表示していないものの、消費税を計算する際に、四捨五入が行われています。
例えば、税別95円の商品を、消費税8%で購入した場合で考えてみましょう。
95円×1.08=102.6円。小数点以下を四捨五入して、支払い金額は103円。
つまり、知らず知らずのうちに、四捨五入されていることにより0.4円多く支払っていたことに。
端数の四捨五入を採用し、小数点以下を表示させた税込み価格を消費者に示していない理由について、ローソン広報課に聞くと…。
当社では現在、四捨五入による価格表記を実施しています。
小数点以下の表記は実施していませんが、お客様のご意見を聞きながら、お客様にとって見やすく分かりやすい価格表記と設定を検討してまいります。
セブン-イレブン同様に、小数点以下を表示させた価格表記になることもあるかもしれませんね。
ただし複数の商品を購入すると、ローソンの計算方法は変わります。
例えば、税別105円の食料品を、3社のコンビニで2個ずつ購入すると、このような金額になりました。
セブン-イレブン:105円×2個=210。210円×1.08=226.8円。小数点以下を切り捨てて、226円。
小数点を表示させた計算だと、105円×1.08=113.4円。113.4×2=226.8円。小数点以下を切り捨てて、226円。
ファミリーマート:105円×2個=210円。210円×1.08=226.8円。小数点以下を切り捨てて、226円。
ローソン:105円×2個=210円。210×1.08=226.8円。小数点以下を切り捨てて、226円。
小数点以下を四捨五入するはずのローソンが、0.80円、つまり小数点以下を切り捨てていることが分かります。
「ローソンは、四捨五入するんじゃなかったの?」と思いませんでしたか。
この理由について、ローソン広報課は次のように説明しています。
各棚に陳列された商品には、『プライスカード』と呼ばれる税込み価格が表示されたカードがあります。
複数個を購入する場合、その税込価格の合計額が支払い金額となります。単品の場合、四捨五入して計算します。
単品か複数個を購入するかで、計算方法が変わるのは、ローソンならではの特徴でしょう。
ファミリーマートは一般的な計算方法
最後に、ファミリーマートにおける価格表示と消費税の計算を説明します。
同店では、税込み価格に小数点以下を表記していません。例えば、税別230円の商品なら、税込み248円と表記されています。
また、消費税の計算時、小数点以下は切り捨て。
普段気にすることは少ないかもしれませんが、コンビニ以外でもこの計算式で行われているのでしょう。
大きな差ではないですが、買い比べてみると、同じコンビニでも価格表示や値段が違ってきます。豆知識として知っておきたいですね!
[文・構成/grape編集部]