女性の間で『終活』がブーム 批判を愛のフィルターに替えて

吉元由美の『ひと・もの・こと』

作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さん。先生の日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。

たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…様々な『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。

『終活』は喜びと共に

いま、女性の間で『終活』が密かなブームだといいます。夫が退職するのを待っての離婚が話題になったころから、人生の後半、それも60代からの生きかたについて考える女性たちが多くなってきたように思います。

50歳になった時、急に年齢がリアルに感じられました。50歳の私にとって、30歳はまだ手の届くところにありました。でも、70歳までの20年はこれまでとは明らかに違う、老いという未知の領域に入っていきます。20年後、元気でいるか分からない。そう思った時、自分の『終わり』が『そこに』あることに気付きました。でも、60歳までの10年なら、元気でいられるような気がする。そこで、これまでと違うアプローチで表現し、伝えていこうと思い、ライフアーティスト・アカデミーという小さな学校を始めました。自分の人生を創造する、大きなチャレンジでした。

人生をどう締めくくるか。お金の問題、健康問題、仕事をどうするか、病気になった時、葬儀、遺品整理…。必ず直面するこれらの現実的な問題について、やはり考えておく必要があります。もしもいま私が死んだら、家族は大変です。何がどこにあるのか、私も分からなくなってしまうくらいですから、整理整頓、断捨離は必須です。中には見られたくないもの、読んでほしくないものもあるかもしれません。そんなものも少しずつ整理していかなければなりません。

このようなテクニカルな問題と共に、老いを迎える前に考えておきたいこと。それは、これからどう生きて、どう人生を締めくくっていくかということです。例えば80歳まで生きると確実に分かっていれば、計画も立てやすいですね。でも、明日どうなるか分からない。明日、病気が発覚するかもしれない。すると、そこで人生が急変します。命は常に死と共にある。身近な人たちが病に倒れ、亡くなるのを見ていて、つくづく思います。

命は完璧です。と同時にとても危ういものです。だからこそ大切に扱い、美しく彩りたい。自分を諦めることなく、卑下することなく、喜びながらどう生きていくか。私はここがもっとも大切なポイントだと思います。

そのためには、気持ちの断捨離も必要かもしれません。こだわりや執着を手放すことも必要かもしれません。批判のフィルターを愛のフィルターに替えて、世の中を眺めてみると、きっと違って見えるでしょう。

例えば一杯のお水を、有り難いな、嬉しいなと思って飲む。自分のこの両手で何ができるか考えてみる。まだ見たことのない世界があれば、のぞいてみる。わくわくすることを、1つでも多くやってみる。そして、出会えたことに喜び、自分の命を慈しむ。『終活』とは、どう生きていくかということ。いま、この瞬間から始まることなのです。

 

[文・構成/吉元由美]

吉元由美

作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
吉元由美オフィシャルサイト
吉元由美Facebookページ
単行本「大人の結婚」

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