鉄道ライター「いわば1億総鉄オタです」 日本人に鉄道好きが多い理由に納得!
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鉄道が好きな『鉄道ファン』のことを最近では『鉄道オタク』と呼ぶことが多いですよね。
略して『鉄オタ』といわれる人たち。実は、ひと口に『鉄オタ』といっても、種類・ジャンルがいろいろあることを知っていますか。
知られざる『鉄オタ』の種類について、著名な鉄道ライターである杉山淳一先生に取材しました。
鉄道ライターが語る『鉄オタ』の種類とは
杉山先生によると、『行動が何か』と『対象が何か』によって鉄道オタクの種類は分かれるとのことです。
杉山先生が「分類するならざっとこれくらいはあります」と挙げたのがこちら。
【行動系の分類】
・撮り鉄:鉄道に関する写真を撮影するのが好きな人。列車を撮影するのか、駅を撮影するのかなど対象によって細分化されるとのこと。
・乗り鉄:実際に列車に乗るのが好きな人。杉山先生は自らを『乗り鉄』としている。日本全国すべての路線に乗車したとのこと。
・録り鉄:列車の走行音や駅のアナウンス音声など、『音』を録音するのが好きな人。
・動画鉄:YouTubeの一般化によって増えた感のある、鉄道に関する動画を記録するのが好きな人。
【対象による分類】
・模型鉄:鉄道模型が好きな人。
・読み鉄:鉄道に関する資料を集めたり、調べたりするのが好きな人。
・時刻表鉄:読み鉄の中でも、特に時刻表が好きな人。
・ママ鉄:子供が鉄道好きで、それに付き合っているうちに釣られて鉄道オタクになってしまった母親。
・車両鉄:鉄道車両が好きな人。
・線路鉄:線路が好きな人。
・切符鉄:切符が好きな人。
・規則鉄:鉄道のルールが好きな人。
・廃線鉄:すでに廃線になってしまった路線が好きな人。
・駅弁鉄:駅弁が好きな人。
・保安鉄:鉄道の保守点検に関連するものが好きな人。
・考古鉄:鉄道の歴史が好きな人。
・ゲーム鉄:『A列車で行こう』『レイルロード・エンパイア』『電車でGO!!』など、鉄道をテーマにしたゲームが好きな人。
・トイレ鉄:駅や列車の中のトイレについて研究するのが好きな人。
・海外鉄:海外の鉄道が好きな人。
鉄道はこれら多くジャンルを内包し、多数のオタクを生み出す大きなテーマだといえます。
※写真はイメージ
杉山先生によれば、「日本人はみんな鉄道が好きなんじゃないでしょうか。私の説ですが『1億総鉄オタ』です。『鉄』の前に付ければなんでも成立すると思います」とのこと。
続けて、このような考えを話してくれました。
当然、上掲の種類はオーバーラップしますし、複合的にジャンルをまたがって当然です。私もできれば全部やりたいのですが、お金と時間の成約があるのでとても無理です。
そのため多くのファンは一番好きなこと、得意なものに絞っているのではないでしょうか。
日本とイギリスで鉄オタが多い?
杉山先生によると「日本は特に鉄道オタクの多い国で、ほかにはイギリス、台湾に鉄道ファンが多い国として挙げられる」とのこと。
やはり、世界有数の鉄道が発達した国なので、日本は特に好きな人が多いのでしょう。イギリスの鉄道オタクの特徴については、このように話してくれました。
日本が広く数が多いファン層だとすると、イギリスの鉄道オタクは数は少なくても『深い』といえるのではないしょうか。のめり込む人はコアな方向に進みます。
かつて走っていた機関車を復活させるためのプロジェクトを有志で立ち上げ、企業もスポンサードしてそれを実現させています。
その機関車が国際列車の『ユーロスター』の横を走っているのですから、コアなファン層だといわざるを得ません。
プロジェクトの詳細が気になった人は、以下のウェブサイトを覗いてみてくださいね。
TORNADO
意外と奥が深かった『鉄オタ』といわれる人たちの嗜好。
同じ鉄道オタクでくくるにしても、イギリスと日本など、国が違えばその国の特徴が出て興味深いものですね。
【杉山淳一 Profile】
乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。
信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。
1996年よりフリーライターに。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。
著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック』(KADOKAWA)、『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。』(幻冬舎)、『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法』(河出書房新社)など。
ウェブサイト:OFFICE THREE TREES
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]