フライパンがすぐダメになる… 専門店が教える、思わぬ原因とは?
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フライパンに油を引くのは基本ですが、フッ素加工されたフライパンの場合はどうしていますか。
食材がくっつきにくいので、「油を引かないでもいいか」と考える人もいるかもしれません。
実際のところ、どんなフライパンでも油を引くべきなのでしょうか。京都府京都市にあるフライパン専門店『鐵兎堂(てっとどう)』に聞いてみました。
『鐵兎堂』は町家を改装したおしゃれなフライパン専門店。さまざまなメーカーから集めたフライパンを100種類以上そろえています。
※画像提供:鐵兎堂
フライパンには油を引きましょう!
『鐵兎堂』店長の寺西貴美さんにうかがったところ、「結論からいうと、油は引くべきです」とのことでした。
なぜ油を引くべきかというと、寺西店長いわく「フライパンを長持ちさせるため」だといいます。
鉄やステンレスのフライパンとは違い、コーティングフライパンは油を引かなくても調理できるイメージなので「油をひかなくてもいいのでは…」と思う方は多いと思います。
なぜ油が必要なのかというと、フライパンのコーティングを守り、長持ちさせるためです。
コーティングのフライパンはスルスルと滑り、調理が楽ではありますが、そのコーティングを守るためのルールがたくさんあります。
空焼きをしてはいけない、高温にしてはいけない、温度差に弱いので冷めてから洗う、金属ヘラは使わないなどです。
油を引かないと空焼きの状態に近くなり、また、急激に温度が上がりやすくなります。
食材との間に摩擦も生じやすくなり、これらを繰り返すと徐々に劣化してしまうため、早いサイクルでの買い替えが必要となります。
油を引いたほうが快適に長く使えて、結果としてフライパンの寿命も伸ばすことができます。
コーティング加工されたフライパンでも長持ちさせるためには、油を引くべきなのですね。
『油が不要なフライパン』でも油を引くべき!
『油が不要なフライパン』という商品もありますが、寺西店長から以下のようにアドバイスがありました。
よく『油が不要なフライパン』という商品がありますが、フッ素でもセラミックでもコーティングがあっても、油は引いたほうがいいでしょう。
グレードの高いコーティングであれば、ある程度は摩擦にも耐えることができ、油を引かないことで油の摂取は減ります。調理については、しばらくはスルスルと心地よくお使いいただけるでしょう。しかし、どうしてもフライパンの寿命は短くなります。
『油を控えたい、使いたくない』というのがフライパン選びの一番重要なポイントであれば、寿命をあまり気にせずに、早いサイクルで買い替えるという方もいるかもしれません。
しかし、何度も買い替えるのは地球にもお財布にも優しくはないので、おすすめはしません。
※写真はイメージ
そのほか、油を引くことで、このようなメリットがあるそうです。
鉄フライパンなどのコーティングのないフライパンでは、主に調理の際、食材のくっつきを防ぐ効果があります。
食材と鍋肌が直接触れないよう、油が間に入って、コーティングの役割をするイメージです。
また、油は食材に染み込んだり、表面を覆いうまみを閉じ込めたりすることで、料理をおいしくする働きもあります。
油の過剰摂取はよくありませんが、健康のためにも適切な量の油(脂質)の摂取は必要です。
フライパンの為にも、自分の為にもフライパンには油は引きましょう!
「食材がくっつかないし、油を引かなくてもいいか」というのは、あまりよくはないようですね。
フライパンを使う時には油を引いて、長く使えるようにしましょう。
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]