issues

発泡スチロールから楽器を作り出す、ミュージシャン なぜ『ゴミ』に注目したのか?

By - 中田りょう  公開:  更新:

Share Post LINE はてな コメント

「ゴミを捨てる前に、まず叩いてみる」

中田の画像
なかた

これまで、何百種類もの楽器を作ってきたという山口さんですが、30年近くも活動を続けるのは、決して簡単なことではないはずです。
現在まで活動を続けられてきた理由は、なんでしょうか。

山口ともさんの写真
山口さん

僕の場合、「ゴミがもったいない」というよりも「いい音しそうだな」っていう気持ちで、楽器を作り続けてきました。
「地球に優しい」「エコだよね」という気持ちは、もちろん大事ですが、あまり意識しすぎると、つらくなってくると思うんですよね。

中田の画像
なかた

たしかに「地球のためになる」とはいえ、意識しすぎてしまうと、音楽を楽しむ意欲も失せてしまいそうですね。

山口ともさんの写真
山口さん

はい。音楽を楽しみながら、地球にもプラスになればいいよねというスタンスが、自分のためにも、地球のためになると感じています。
大切なのは、ゴミに対する見方を養うことです。
ゴミを見て、ほかの用途に使えるかを考える。自分のアイディアで何かを作るだけで、ただゴミを捨てるよりも楽しく、環境問題に参加できるといえるでしょう。

山口ともさんの画像

音楽を楽しみつつ、地球にもプラスになればいいと話す、山口さん

山口ともさんの写真
山口さん

それに、ゴミの見方が変われば、商品の買い方も変わってきます。 買い物をする時、一生懸命悩んでから購入すると、自然と愛着がわいてきますよね。
愛着がわくと、簡単には捨てなくなるし、壊れたら直したくなるもの。
ゴミを減らすためには、そんな考え方が必要ではないでしょうか。

日本には「着られなくなった衣服は、雑巾にする」というように、「もったいない」の精神で作り直す文化があります。

ですが「もったいない」というよりも、まずは「こうしたら楽しい」という考え方のほうが、積極的に環境のために行動するきっかけになるのかもしれません。

中田の画像
なかた

最後にはなりますが、山口さんの考える、ゴミの減らし方についてうかがいたいです。

山口ともさんの写真
山口さん

できることとして、『捨てる前に叩いてみる』というのはおすすめしたいです。
「どんな音になるのか」とワクワクする耳を育てる。そういう人が増えれば、無駄なゴミはちょっとずつ減る気がしますね。

山口ともさんの画像

アトリエに設置された数々のオリジナル楽器

人間が生活していく上で、ゴミは必ず出てしまうものです。どれだけ減らそうと意識したとしても、社会全体で急に量を減らすのは難しいでしょう。

ですが、捨てていたゴミが実は面白い楽器になり、美しい音色を奏でる可能性があると知ると、ワクワクしてきませんか。

「ゴミを捨てる前に、何かに使えないか考える」という楽しみが増えれば、私たちがゴミだと考えるものの価値も変わってくるかもしれません。


[文・構成/grape編集部]

紙袋の写真

ポツンと置かれた数枚の『紙袋』 その使い道に…「これは天才」「めちゃくちゃありがたい」新年が明けた同月上旬、東京都武蔵野市にあるショッピングモール『コピス吉祥寺』を訪れた、よしだけいすけ(@ruiji_31)。 施設内で見つけた『あるサービス』を発見し、Xに投稿すると、12万件以上の『いいね』が寄せられ、多くの注目を集めました。

ピアノの写真

地震の時には潜らないで! カワイピアノの注意喚起に「想像すると恐ろしい…」株式会社河合楽器製作所が運営する、カワイピアノのXアカウント(@Kawai_Japan)は、2025年1月17日、『あるお願い』を投稿。地震に関する注意喚起が、大きな反響を呼んでいます。

Share Post LINE はてな コメント

page
top