発泡スチロールから楽器を作り出す、ミュージシャン なぜ『ゴミ』に注目したのか?
公開: 更新:
バターは焼いた後?先? 正しい塗り方に「ゾッとした」朝食の定番である、バタートースト。バターの濃厚なコクが染み込んだトーストは、何度食べても飽きないおいしさですよね。 筆者も朝ごはんは毎日といっていいほど、バタートーストを食べています。 そんなバタートーストですが、焼く前...
餅を食べる前に… 消防本部の呼びかけに「盲点でした」「気を付けます」山形県新庄市にある最上広域市町村圏事務組合消防本部(以下、消防本部)のInstagramアカウントは、『餅の食べ方』について、注意を呼び掛けしました。
音楽劇がきっかけで廃品から楽器を作るように
音楽一家に生まれたという、山口さん。祖父は作曲家の山口保治さん、父親はオーケストラのティンパニ奏者だった山口浩一さんです。
ミュージシャンである、つのだ☆ひろさんのアシスタントとして音楽の世界に入り、1980年にデビューした後、フリーの打楽器奏者として活動を開始。
歌手の中山美穂さん、今井美樹さん、平井堅さん、石井竜也さんや、バンド『KIRINJI(キリンジ)』など、名だたるアーティストたちのツアーやレコーディングに参加してきました。
一流のプロミュージシャンとして名を馳せて来た、山口さんですが、ゴミに興味を持ったきっかけは、なんだったのでしょうか。
1995年、宮沢賢治さんの童話を音楽劇にした『銀河鉄道の夜』に参加しました。
稽古の途中でドラムやパーカッションを演奏したのですが、劇の壮大な世界観とまったく合っていなくて…。
「何かしっくり来る楽器がないかな」と悩んでいた時、身の回りにあったものを叩いてみたところ、これがまたいい音で「楽器にしたら面白そう!」と思ったんです。
当時を語る、山口さん
音楽劇で楽器をすべて自作して、演奏したところ、共演者からの反応がよかったんです。
それから、自分でゴミや廃品を探しては、楽器を製作し、演奏する、という日々が始まりました。
もともと、ものを作ったり、壊れたものを修理したりすることが好きだったので、楽器の構造を知るうちに、廃品の素材や材質でどんな音がするのか、分かってきました。
アトリエに保管されている楽器
山口さんは、演奏活動の傍ら、地方の保育園や幼稚園などで、楽器を製作して演奏する、ワークショップも開催していますよね。
参加した子供たちや先生、保護者からは、どんな声が寄せられているのでしょうか。
よくいわれるのが「演奏を聴いた子供たちがいろいろなものを叩きまくってうるさい」という声ですかね(笑)。
なかでも、石を2つすり合わせて、カリカリと音を出した子供がいたという感想をいただいた時はびっくりしました!
山口さんにとっては、嬉しい悲鳴ですね!
でも、それだけ『音を出すこと』に興味を持ってくれる子供たちが多かったということなのかもしれません。
ゴミを叩いて「あ、こんな音が出るんだ」と少しでも思ってもらえたのなら、行った甲斐があるなと思います。
子供たちだけではなくて、大人からも「勉強になりました」と感想をいただくこともありました。
アトリエ内の楽器を作る専用スペース
ちなみに地方には、僕の住む都内ではあまり見かけない、『いい音のしそうなゴミ』がたくさんあります。
ピンときたものは、自動車を運転していても、止めて見に行ってしまうんです。
特に僕が気に入ったのは、漬物を漬け込むための青いバケツ。
漬物を漬け込むためのバケツ
わぁ!樽のような形をした独特なバケツですね。
道端にいくつも並んでいたところを発見したのですが、近くにあった漬物工場の備品だったことが分かりました。
居ても立っても居られなくなって、工場の場所を突き止めたら、そこには山のようにこのバケツがあって。
管理している人に譲ってもらえないか聞いてみたところ、「いくらでも持って行っていいよ」というお返事をいただいたんです。
もらったバケツは、においがきつかったものの、丁寧に掃除と消毒をして、楽器に作り変えたといいます。叩くと『ボンッ!』と低い音がするそうです。
廃品によっては、汚れや損傷がひどいものもあるため、「吟味は大事」と山口さんは語っていました。
活動を続けて約30年。山口さんは、今もなお、情熱をもってゴミに接しているのが伝わってきます。
山口さんが、『ゴミ』に対して、どのような想いを持っているのか、気になりますね。