「ネットでのいじめを根絶したい」14歳の少女が考え開発したシステムが素晴らしい
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14歳の少女とは思えない、堂々たるスピーチを行うのは、トリーシャ・ブラブさん。あるとき彼女は、同年代の女の子がSNSでの中傷に傷つき自殺をしてしまったニュースを知り、強いショックを受けました。
「死ね」「ブス」ネット上で投げつけられる辛辣な言葉。トリーシャさんは、自殺した女の子以外にも、「ネットでのいじめ」に苦しんでいる子どもがいるのかどうか、調べるために立ち上がりました。
数えきれないほどの「ネットいじめ」の現実
そしてトリーシャさんは、数えきれないほど多くの子どもたちがネットでのいじめに苦しみ、命を断っていたことを知ります。
例えば、14歳の誕生日を迎える前に自殺をした女の子。「この世界にお前がいなければいいのに」そんなメッセージが彼女のSNSに書き込まれていました。
命を断つほどに苦しめられるメッセージを受け取るその前に、何かできていたら…。亡くなった子どもたちを救えただろうか。トリーシャさんは考えます。
アメリカ国内で52%の若者がネットいじめを経験
アメリカ国内だけで52%の若者がネットいじめを経験していることがわかりました。さらに、その中の38%もの人たちが、自殺願望を抱いているというのです。
若者ほどネットいじめに加担しやすい
つづいてトリーシャさんは、年齢と、SNSで中傷的なメッセージを送る行為とに関係があるのかという調査を行いました。その結果、12歳から18歳までの若年層はそれより上の年齢に比べて、40%も「ネットいじめ」となる発言をする意欲が高いことがわかりました。
なぜ若い層ほど、相手を侮辱する発言をしてしまうのか? トリーシャさんはヒントにたどりつきます。
若者の脳は、ブレーキのない車のようなもの
未成年者の脳は未発達で、後ろから前に向かって発達していき、25歳頃に完全に発達します。脳の前方部分は急な決断・判断を担う部分。未成年者は、この部分が未熟な状態というわけです。
つまり、何かしようと思ったら、止まらない。思いとどまることができない。
なぜ運営側は対策をとらないのか?
この調査の結果を友人に話したトリーシャさん。友人はこう言います。「運営側は、対策をとっているでしょう?」
確かに、悪質な書き込みを受けた場合、運営に通報したり、相手をブロックしたりする機能は実装されています。しかしそれは、被害者側が行うアクション。中傷行為を受けた後にしか機能しません。なぜ、加害者側を止める対策をとらないのか?
加害者に再考を促すしくみを
「若者の脳はブレーキがない車」このことにヒントを得て、トリーシャさんはあるシステムを開発し、実験を開始しました。
それは、相手を侮辱するような書き込みをしようとした時に「本当に投稿しますか?」というメッセージを表示するしくみ。それは「Rethink」と名付けられました。
1500件の実例データを取り、その結果…。
「待って、本当にそんな侮辱的なコメントをするの?」そう確認されたことで、93%の若者が投稿をとりやめました。「ネットいじめ」となる発言をしようとする意欲を、71.1%から4.7%にまでに減少させたのです。
「ネットいじめ」は根絶できる
少し考えてみるだけで、ネットのいじめを事前に止めることができる。確信したトリーシャさん。このシステム「Rethink」をもってGoogleサイエンス展覧会に出席し、見事グローバルファイナリストとなりました。
「Rethink」はアメリカ暫定特許権を取得。これを商品化することで、ネットいじめを根絶するためにトリーシャさんは力を尽くしています。
自分もまだ14歳という若者でありながら、「ネットいじめ」の現状から目をそらさない、それだけでなく、自分が持てる技術の全てを注力して立ち向かっていくトリーシャさん。彼女の力強さと前向きさ、そして純粋な正義感にただただ、頭が下がるばかりです。
私たち大人には、一歩立ち止まって考えることができます。うかつな発言をしてしまっていないかどうか? 投稿ボタンを押す前に考えてみよう、そう思わされます。
彼女の「Rethink」がアメリカだけでなく、全世界に広まり、苦しむ子どもたちが救われることを願ってやみません。
拍手を送りたくなる、スピーチの動画はこちら。(英語の映像です)