人工知能が優秀な人材をヘッドハンティング 一人ひとりに新たな可能性を
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- 出典
- scouty
日本初のAI(人工知能)を利用したヘッドハンティングサービス『scouty(スカウティ)』のオープンβサービスが始まりました。昨年からクローズドで楽天やサイバーエージェント、グノシーなどでの導入実績も積んで、いよいよ一般公開に向けたテストマーケティングをオープンで開始するということです。
ヘッドハンティングとは、優秀な人材を見つけ出して、求める企業に提供することですが、これまではヘッドハンターと呼ばれる人が、さまざまな噂などをもとに、新たなステップを求めようとしている人材を見つけ出して、あるときは本人を説得して、求める企業に紹介する業務でした。
『scouty(スカウティ)』」は、ヘッドハンティングにAIを活用することで、インターネット上に掲載されているさまざまな個人のプロフィールデータやその人の履歴、技術力などを、個人が書いたものから、第三者が書いたことまでを洗いざらい読み込んで分析。
それによって、経験年数や希望年収などの数値情報だけでなく、その人が書いた実際のプログラムやブログに書かれた技術力をAIが測り「どのプログラミング言語を使えるのか」「今はどのぐらいの開発力があるか」などの能力を定量化していくことで、企業の要望により細かくマッチさせられ、転職時期かどうかなどまでも分析してくれるようになるんだそうです。
これを考えだしたのが創業者で株式会社scouty代表の島田寛基さん、そしてCo-Founderの二井雄大さん。2人とも京都大学出身で、島田さんは大学時代から人工知能を専攻した後、一旦実務経験を積み、さらにイギリスのエディンバラ大学院で人工知能修士を取得したというミスター人工知能。
一方、二井さんは、大学卒業と同時に楽天に入社してEC事業のコンサルティング・営業職などで経験を積み、さらに転職して事業開発マネージャーなどを歴任して今回のscouty創業となりました。
島田さんによれば、大学を卒業してとりあえず自分の得意な分野でなくてもいいから安定した大企業に就職しておこうと思う人があまりに多く、せっかく才能があってもそれに気づかずに、結果、職場での悩みを抱えたまま生活している。そんな人をそのままにしておくにはあまりにもったいない。
例えば、会社ではExcelが中心のためスキルが全く活かせない人が、プライベートでは、Twitterで自分の作品をアップロードするなど才能をアピールし続けている。その情報を拾うことで、もっとスキルが活かせる職場を見つけることが出来るはずだと思ったんだそうです。
偶然を必然に変え、世の中のミスマッチをなくしていくことで、個人の市場価値や生活の質を高め、企業の競争力を高められるのではないか。そのために「人工知能が、天職を探し出す」ことができないか。
scoutyでは、従来のように、個人のプロフィールや職務履歴を専用のサイトに入力する必要はまったくなく、すでに個人がネット上に公開している情報(Twitter、facebook、GitHub、ブログなど)を自動的に取得して、人工知能がその人に最適な企業と自動的にマッチング。
scoutyにヘッドハンティングされたかったら、ネット上にある自分のブログなどに最低限のプロフィールを書いた上で、自分の作った創作物を紹介したり、それを第三者にコメントなどで評価してもらったり、人物紹介の記事をかいてもらったりすることでアピールすることになります。
ちなみにさすがに、誰も知らないネットの片隅に自分のプロフィールなどを書いただけではscoutyがいつそれを発見してくれるかは、運に頼ることになってしまうので「クロール申請」という制度もあり、ここに自分が書いたプロフィールのある場所などを申請しておくことで、より良質なスカウトを受け取ることができるようになります。
scoutyのホームページには「私たちが目指すのは、仕事における新しい可能性を人々にお届けし、世の中のミスマッチをなくすことです。 転職活動をしているかどうかに関わらず、今よりもっと面白い仕事ができたり、もっと素敵な仲間と出会えたり、もっと収入が高まったりといった可能性は、どこかに存在するはず。それを人工知能で、一人ひとりに新たな可能性を送り届けたい。そこに転職市場の未来がある・・・。」とあります。
まずは企業側のニーズが強く、公開されている情報の多いエンジニアのマッチングをメインに進め、その後、デザイナーやディレクター、ビジネスサイドなど職種を広げながら、人材業界の課題解決を目指したいと語る島田さん。いよいよ本格的にAIが人材発掘する時代の到来です。
[文・構成 土屋夏彦/grape編集部]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。