ついに太陽系にもっとも近い地球規模の惑星に、探査機が!?
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- 出典
- newscientist
昨年は、生命の存在があるかもしれない地球規模の惑星が次々と発見されましたが、いよいよその存在を確かめに行こうと準備を進めるぞという話題が報じられました。
アメリカの科学専門誌の「New Scientist(ニュー・サイエンティスト)」によれば、昨年NASAが地球規模の惑星があることを改めて確認した、太陽系からわずか4.4光年の距離にあるアルファ・ケンタウリ(ケンタウルス座アルファ星)に向けて探査機を送り込む計画の検討を始めたとのことです。
アルファ・ケンタウリとは、全天21の一等星ほかからなるケンタウルス座でもっとも明るい星。アルファケンタウリという名前そのものも「ケンタウルス座のもっとも明るい星」という意味からきています。
アルファ星といっても1つの星ではなく、実はA星・B星・C星の三つの恒星からなる三重連星(恒星の中でも数十分の一しかない珍しい星)で、3つの恒星がお互いの重心の周りを軌道運動しているため、地球からはひとつの恒星に見えているんだそうです。
その中で、ラテン語で「もっとも近い」という意味から名付けられたプロキシマと呼ばれるC星は、太陽系にもっとも近くにある恒星といわれていて、昔から様々なSF作品(ウルトラマン・宇宙戦艦ヤマト・書籍のガンダム漫画・トランスフォーマー・アバターなど)で宇宙人がいたり植民先であったりと話題に上げられてきました。
※ 写真はイメージ
そんな中、2012年にB星を公転する惑星Bbは地球と同サイズの惑星ではないかと科学誌ネイチャーで掲載され話題になりましたが、2015年の報告では惑星Bbはほぼ実在しない惑星と判明。ところが、2016年には、プロキシマ・ケンタウリ(C星)の周りを回る惑星プロキシマbが発見され、これが地球の1.3倍とほぼ地球規模の質量を持ち、生命が誕生するのに適した領域である『ハビタブルゾーン』内を公転していることを確認。そのため生命の存在が期待されることとなり、さまざまな話題が飛び交うようになりました。
ただし、近いといってもその距離は約4.4光年もあり、光の速度で4.4年かかる距離には違いないので、現在の技術ではすぐにたどり着ける距離ではありません。光速の10%出せる技術が開発されたとしても到達するまでに44年かかります。
一方今回の報道で、NASAのジェット推進研究所のアンソニー・フリーマン氏は、「非常に漠然としている」と「New Scientist(ニュー・サイエンティスト)」に語ったそうですが、NASAは理論的には光速の4分の1に達することが可能のレーザーで駆動される小さなプローブの送信を実験中であると報告されており、これが実現できれば、光速の25%まで加速が可能になります。
また理論物理学者のスティーブン・ホーキング氏らは、蝶ほどの超小型探査機「ナノクラフト」を光子推進装置で数百機飛ばし、アルファケンタウリまで最短20年で到達し、詳細なデータ収集をするという「Breakthrough Starshot計画」を2016年に発表しました。
これまでもアルファ・ケンタウリは人類が到達する最初の恒星の候補と考えられてきたんですから、それは何が何でもやり遂げたいのが人情ではないでしょうか。
ただ今回の「New Scientist」の調べによれば、発射目標が2069年とあと50年以上も先の話らしいので、光速の10%の速さが出せるロケットが開発されたとしても44年かかり、到着は2113年以降ということになるので、我々が生きている間には見られないかもしれない話のようです。ちなみに2069年はアポロ11号の月面着陸から100周年の年だそうです。100周年の記念行事にしようとしているんでしょうか。
でも最近の夢のような話題が次々と実現していることを考えると、もっと早く行ける技術が開発されて、地球外生命とのファーストコンタクトは、思ったほど遠い将来の夢ではないような気がしてきますね。
[文・構成 土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。