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朝食を抜くと体重が増える仕組みを解明!? 日本の研究結果が発表される

By - 土屋 夏彦  公開:  更新:

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ニッポン放送で「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。

「朝食を抜くと太る」メカニズムが解明された!?

両親から「朝食はちゃんと食べなさい、食べないと健康に悪いよ」といわれたことありませんか?

でもそんなことは迷信に過ぎないと思っていたのですが、なんと名古屋大大学院の小田裕昭准教授の研究グループは「このほど『朝食を抜くと体重が増えるメカニズム』を解明した」と発表し、2018年10月31日、その研究成果がアメリカの科学雑誌『プロスワン(PLOS ONE)』電子版に掲載されました。

実験では、56匹のラットを『午前8時に朝食を取るグループ』と『朝食を抜いて正午に最初の食事を取る(Delayed First Active-phase Meal:DFAM)グループ』の2グループに分け、餌を与える時間に4時間の差をつけて、それぞれに14日間同量の高脂肪食を与えてみました。

すると、朝食を抜いた(DFAM)グループのほうが、朝食をちゃんと摂取したグループに比べて、体脂肪と体重がより増えたそうです。

詳しく調べてみると、朝食を抜いた(DFAM)ラットの体内リズムは2〜4時間遅延。また1日のうちの体温上昇時間が短くなるなどの症状も現れました。

こうしたことから活動時間が減って、1日のエネルギー消費量が減少。つまり、朝食を抜くと人間においては体重増加、すなわち『肥満』そして『高体格指数』や『メタボリックシンドローム』になる危険が伴うというわけです。同じだけ食べて活動時間が少なくなってエネルギー消費が減少すれば当然体重増加につながり、それに伴うさまざまな病気症状が現れるのは当たり前ですね。

ちなみにアメリカやヨーロッパでは、未だ小児や青年の10〜30%が定期的に朝食を控えており、日本でも、20〜29歳のうち28.2%が朝食を控えていることが調査で分かっているそうです。

レポートによれば、多くの研究では朝食に関する健康上の利点は報告されていても、ランチとディナーには報告が特に何もなかったそうです。それほど朝食は一般的に見られる3食の中でももっとも重要な食事として位置づけられているそうなんです。つまり生き物にとって『朝食抜き』は、健康に深刻な影響を与えることは間違いないようです。

成人男性1日のエネルギーの摂取量と消費量を考えてみると、平均的な成人男性の摂取量を考えると、朝食600kcal、昼食800kcal、夕食1000kcal、これで1日2400kcal程度になります。

20代〜30代前半までならこの程度のカロリーはすぐに消費できるのですが、50代ともなってくると1日の基礎代謝(生きているだけで消費するエネルギー)は1500kcal程度。つまりこれだけ食べていたら1日に運動で900kcal消費しないとエネルギーが残って肥満の材料になってしまうわけです。

900kcalを運動だけで消費するには、体重60キロの人が15キロ程度走る必要があります。これはかなり非現実的な数字。せめて通勤の行き帰りで5〜6キロ(ひとつ前の駅で乗降)歩いて約300kcal消費する程度で済むように1日の摂取量は1800kcal程度に抑えておきたいものですね。

これまでも朝食を抜くと肥満やメタボリックシンドロームにつながるのではといわれていましたが、ここまで具体的な研究発表がされたのは今回が初めてということで、今後の生活習慣病対策などの変化にも注目です。


[文・構成/土屋夏彦]

土屋夏彦

上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。

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出典
プロスワン(PLOS ONE)

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