grape [グレイプ] lifestyle

これはかっこいい! トヨタとJAXAが本気で開発する月面探査カーに夢が膨らむ

By - 土屋 夏彦  公開:  更新:

Share Post LINE はてな コメント

ニッポン放送で「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。

ついに日本も月移住!?JAXAとトヨタが月面探査カーを開発決定!

2019年2月22日、日本では『はやぶさ2』の小惑星『りゅうぐう』へのタッチダウンの成功映像で盛り上がりましたが、その直後にはアメリカで民間宇宙企業『スペースX』が打ち上げた有人型宇宙船『クルードラゴン(Crew Dragon)』が、打ち上げから国際宇宙ステーションとのドッキング、地球への帰還まですべて成功して3月8日地球に帰還。アメリカではいよいよ本格的に宇宙飛行士打ち上げ再開に大きく前進する動きが活発になるなど、世界からも宇宙に注目が集まっています。

そんな宇宙開発に日本でも動きがありました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)とトヨタ自動車株式会社は3月12日、国際宇宙探査ミッションでの協業の可能性を検討していくことについて合意。その第一弾として、人が長期間にわたり滞在できる月面探査車の開発を準備し、2030年代に月面走行を目指すと発表しました。

探査車(有人与圧ローバ)は全長6メートル、幅5.2メートル、高さ3.8メートルを想定し、トヨタが持つ『燃料電池車(FCV)』技術を活用し、2人が搭乗し、月面に40日以上滞在、1万km以上走行する想定で製作されるということです。

アメリカでは月への宇宙基地建設を2026年ころを計画していて、JAXAはここに日本も参加して、新基地を拠点に、日本人宇宙飛行士による月面探査を実現したい考えだそうです。

宇宙飛行士でJAXAの理事を務める若田光一氏は、3月12日に行われた『国際宇宙探査シンポジウム』の会場でのトークセッションでコメントを発表。

「JAXAでは、我が国の国際宇宙探査への参画に向けて、シナリオの検討や具体的なミッションの技術検討を行っています。有人与圧ローバは、2030年代に想定している有人月面探査を支える重要な要素で、2029年の打上げを目指しています。

月は、6分の1の重力がある重力天体です。一方、クレータ、崖、丘が存在し、また地球と比して過酷な放射線環境や温度環境、極高真空環境にさらされます。広域の有人月面探査には、そのような環境でも1万km以上を走破できる有人与圧ローバが必要です。このようなミッション要求とトヨタが考える“宇宙でのモビリティ”構想が一致し、昨年5月より、トヨタとJAXAは共同で有人与圧ローバの概念検討を行ってきました。(中略)

国際宇宙探査は、未知なる世界への挑戦です。そのためには、我が国の技術力を結集して“チームジャパン”として取り組んでいくことが重要だと考えています。今回のトヨタとの連携をきっかけに、さらにチームメイトが増え、“チームジャパン”として国際宇宙探査に挑戦し続けていきたいと思っています。」

対談の様子

ところで月面探査といえば、Googleがスポンサーとなって『グーグル・ルナ・エックスプライズ(Google Lunar XPRIZE)』という民間による最初の月面無人探査を競うコンテストが2007年から2018年まで募集が行われ、日本からは『HAKUTO』が参加して話題になっていました。しかし参加したどのチームもミッション(何らかの月面探査)をクリアできない見通しとなり、結果、残念ながら『グーグル・ルナ・エックスプライズ』は終了してしまいました。

しかしながらその後『HAKUTO』はその可能性をあきらめきれず、新たな民間月面探査プログラム『HAKUTO-R』として、新開発のランダー(月着陸船)による月周回ミッションを2020年半ばに、ランダーによる月着陸とローバーによる月面探査を行うミッションを2021年半ばに行うと発表。さらに「2040年には月に1000人が住み、数万人が宇宙を旅するというビジョンの達成を目指したい」と『HAKUTO-R』を実行する日本の民間宇宙開発会社『ispace』創業者兼CEOの袴田武史氏が話しています。

日本の宇宙開発事業もいよいよ民間が関わって進化が始まっています。


[文・構成/土屋夏彦]

土屋夏彦

上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。

出典
JAXAプレスリリーストヨタプレスリリースHAKUTO-R国際宇宙探査シンポジウム - 対談2:チームジャパンで挑む月面探査

Share Post LINE はてな コメント

page
top