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京都でアンドロイドの観音様が! ついにお寺もロボットの時代に

By - 土屋 夏彦  公開:  更新:

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出典:SankeiNews

ニッポン放送で「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。

ついにお寺もロボットの時代!? 世界初!京都でアンドロイド観音が開眼法要!

なんと世界初のロボット仏像が京都でお披露目されて話題になっています。

京都の高台寺(こうだいじ)で、高さ195センチ、幅90センチ、奥行き90センチのアンドロイド観音『マインダー』が2月23日に報道陣に披露されました。

これは、高台寺の後藤典生執事長が、現代人に仏教の教えを分かりやすく説き、心の安らぎを得てもらおうと、ロボット開発の第一人者でもある大阪大学の石黒浩教授の研究室に協力を依頼して制作したもので、総製作費は5千万円(開発費も含めると約1億円)ほどだったそうです。

公式ホームページの解説を抜粋すると、

「“慈悲”と“救済”の菩薩である観音菩薩は、救いを求める者に応じて様々な姿に変化することができます。技術が発達し、物心ともに豊かになった現代にあってなお、いまだ苦悩する多くの人々のため、観音菩薩は《アンドロイド観音マインダー》として、京都の高台寺の地にその姿をあわらされました。

今回《アンドロイド観音マインダー》が悩める人々のために説くのは、かつて仏弟子の舎利弗に語った『摩訶般若波羅蜜多心経』(『般若心経』)。全世界の人々にもっとも親しまれているこの仏典は、その262文字の中に仏の教えの真髄が説き明かされ、悩み多き人々が“心の安らぎ(安心)”を得るための方法が示されています。」

アンドロイド観音『マインダー』の顔や手部分はシリコン製ですが、ほかはアルミニウム材がむき出しで、左目部分にカメラが内蔵されていて、聴衆と目を合わせて話しかけたりもできるそうです。

お披露目された日は、僧侶が観音菩薩像として魂を迎え入れる開眼法要の日でもあり、法要ののちにアンドロイド観音『マインダー』が『般若心経(はんにゃしんぎょう)』をテーマに25分間の法話を行いました。

高台寺は豊臣秀吉の正室・北政所(きたのまんどころ)ゆかりの由緒ある臨済宗建仁寺派の寺院としても有名。そんな名だたるお寺の後藤典生執事長は「約2千年前に仏像ができて仏教が分かりやすくなった。そろそろ進化する時。動いて語りかける仏像を作りたかった」っと語っています。

このアンドロイド観音の特別開帳は2019年3月8日~5月6日まで一般公開されていて、参加者は事前にホームページから予約が必要とのことです。

時を同じくして、電子音楽アーティストで『アンドロイドオペラ』の第一人者の渋谷慶一郎氏は、株式会社ミクシィ、国立大学法人大阪大学、国立大学法人東京大学、ワーナーミュージック・ジャパンの4社と共同で、オペラのオーケストラ指揮などをする人工生命×アンドロイド“オルタ3”プロジェクトを開始することを発表しました。“オルタ3”はアンドロイドの指揮者で、こちらでも大阪大学の石黒浩教授が大活躍。

発表資料によれば、“オルタ3”は『抽象的な見かけや動きから、人の想像力を強力に喚起し、対峙する人にとって理想的な存在に感じることができるアンドロイド』ということで、想像力で人と人をつなぐ強力なメディアを実現させるために開発。発表会では国立音大の学生オーケストラと『Scary Beauty』という2017年にオーストラリアで渋谷氏が手がけた“アンドロイドオペラ”を披露。

オーケストラの面々は、オルタ3の想像を絶する指揮の表現力を受けて繊細なメロディを奏で、曲の最後では、くるりと客席に向いて高音で歌い始め、会場はそのアンドロイドとは思えぬ表現力に大きな拍手が続いたということです。

アンドロイドロボットがこうした文化やエンターテイメントの分野でも活躍できる時代になってきています。


[文・構成/土屋夏彦]

土屋夏彦

上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。

出典
高台寺がアンドロイド観音を公開オペラ自演ロボットを披露高台寺Webサイトアンドロイド観音お披露目、京都The telegrap

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