近づくと自動的に降りてくるエレベーター 目的階も自動で設定するその裏側は?
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ニッポン放送で「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターなどを務め、現在はBayFMでITコメンテーターとしても出演中の土屋夏彦が、最近のIT・科学・経済のニュースを独自の目線で切り取ります。
スマホでエレベーターが呼べれーたー!?とか言ってる場合じゃない!
スマホで家の玄関の鍵を閉めて、スマホで電車に乗って、お昼はスマホでランチを食べて、家に帰ったらスマホで事前に暖房をつけておいて、家に入ったら照明を操作するなどなど、なんでもスマホがサポートしてくれる生活になってきましたが、ついに、エレベーターの操作までできるようになりました。
エレベーターのメンテナンスや設置などトータルビルシステム事業を手がける三菱電機ビルテクノサービス株式会社は、専用アプリをスマートフォンに入れておくだけで、設定されたエレベーターの前に来くると、両手がふさがっていても、自動でエレベーターを呼び出して目的階を指定して乗り降りができるサービスを2019年(今年)から始めると発表しました。
プレスリリースによれば「利用者が専用アプリをインストールしたスマートフォンを携えて、当該機能が設定された三菱電機製エレベーターの乗り場に近づくと設置された発信機端末とBluetoothにより通信を行い、自動的にエレベーターの呼び出しとあらかじめアプリで指定した階の登録が行われます。」とあります。
両手に荷物を持っている時などにハンズフリーで利用でき、利用者の利便性が向上、テナント・入居者へのサービス向上につなげていきたいということです。また、車いすを利用されている人に車いす用エレベーターを登録することや、行先階を第三者に知られたくない時に乗り場の階数表示を見せないようにすることも可能とのことです。
考えてみれば、これは様々な場面での応用が考えられますね。例えば会員制のレストランやバーなどはスマートフォンアプリで対応することで安全安心に入場することができるようになりますし、高層ビルにオフィスを構える会社には、専用のカードを配布する費用や手間をかけず、また、カードの紛失などもなくなって、ありがたいことずくめじゃないですか。つまり社員カード、入出カードは確実にスマートフォンのアプリに取って代わることは必至ですね。
ちなみに、スマートフォンを活用して利便性を向上させようとしている業態といえば、ヒルトンホテルグループの活動もとても興味深いです。
ヒルトンホテルでは、アメリカではすでに実施が始まっていますが、2019年度中に日本国内すべての系列ホテルで専用のスマートフォンアプリでドアの開け閉めができる『デジタルキー』を導入すると昨年9月に発表しています。
デジタルキーが導入されることで利用者は、フロントでチェックインせずとも、専用アプリでチェックインするだけで、そのまま部屋に直行し、ドアをアプリで開けるようになります。すでにヒルトン東京ベイ、コンラッド大阪と沖縄のダブルツリーbyヒルトン那覇などでは導入済み。
アプリではほかにも、フロアの図面から部屋を選び、その部屋からの眺望も確認するなどもできます。
さらにヒルトンホテルでは、部屋の空調や照明、TVなどの制御もそれぞれのユーザーのスマートフォンと連動した人工知能AIでコントロールする『コネクティッドルーム』の実現に向けて準備が進んでおり、すでにアメリカテネシー州メンフィス郊外のホテルでは試験導入も始まっているとのことです。
何でもスマホか!?と思うところもありますが、潔癖症でお悩みの人などには、行き先階のボタンなどさまざまな公共の場所に触れずにサービスを利用できるのは、精神的に安心できることになります。こうした取り組みは国内ビジネスにおける活用はもとより、海外からの観光客が増えるこれからの日本ではさらに押し進めるべきものであることは確実です。
[文・構成/土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。