東大入学式の祝辞「頑張りが報われた人は、周りが…」 続く言葉に共感の声
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- 出典
- 東京大学
2019年4月12日に行われた東京大学の入学式で祝辞を贈った、社会学者の上野千鶴子さんの言葉が大きな反響を呼んでいます。
上野千鶴子「頑張っても報われない人がいる」
上野さんは祝辞の冒頭で、2018年に発覚した東京医科大学の『不正入試問題』について言及。
また、東京大学入学者の女性比率が「2割の壁」を超えないことを指摘し、4年生大学への進学率についても男女差があることを話しました。
上野さんは各種のデータから「女子受験生のほうが男子受験生よりも偏差値が高い」という傾向があるにも関わらず、女性の進学率が7%も低いことを指摘。性別の差で進学率などが異なる理由を、上野さんはこのように述べています。
「息子は大学まで、娘は短大まで」でよいと考える親の性差別の結果です。
すべての家庭に当てはまることではありませんが、男女平等が強く叫ばれる現代でも、そういった考えは少なからずあるのかもしれません。
さらに上野さんは、「社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行している」と話します。
そして、熾烈な競争を勝ち抜いて入学してきた新入生に対して、このような言葉を贈りました。
不正入試問題などを例に挙げながら、「頑張れば報われる世の中とは限らない」という上野さん。
新入生の頑張りが報われてきたのだとしたら「それは周りにいる人たちが励まし、背を押してくれたからだ」といいます。
そして、頑張って勝ち抜いてきた人たちに向けて、その力を弱者のために使ってほしいと呼びかけたのです。
女性の権利を主張する運動を指す『フェミニズム』という言葉の意味を「弱者が弱者のままで尊重されること」だと上野さんは語りました。
上野さんの祝辞に対し、ネット上ではこのような声が上がっています。
・これは本当に大切。学歴は個人の努力だけを反映するものではないです。
・上野さんの祝辞に感銘を受けました。
・力強く、素敵な祝辞ですね。全文を読んでも感動します。
最後に、上野さんは大学で学ぶ価値について、このように述べました。
性別に関係なく、学ぶことの大切さを訴えた上野さん。これから未知の世界に飛び出す大学生にとって、勇気を与えられる祝辞だったのではないでしょうか。