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強い夏の日差しの下で、逞しく咲く『カンナ』の花 その驚くべき強靭さ

By - 押阪 忍  公開:  更新:

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カンナの花

こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。

ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独言』にお付き合いください。

猛暑を好むカンナ咲く

夏の花 と言えば、皆さん、何を思い浮かべますか? ひまわり、朝顔、ユリ、ノウゼンカズラ、グラジオラス、などでしょうか…。そしてカンナ! です。

強い夏の日差しの下で、鮮やかに華やかに、そして逞しく咲くカンナに、毎朝元気を貰っています。

このカンナは、コロンブスがアメリカ大陸に上陸した時に発見したと言われていますが、日本には江戸時代前期に渡来して来ました。名前は『カンナインディカ』、和名は『ダンドク』というそうです。

『ダンドク』は、仏教では最高位の花とされています。その昔、仏陀の強力な霊力をねたんだ悪霊が、大岩を仏陀めがけて投げつけました。

するとその岩の破片が仏陀の足に当り、その時流した血が大地にしみ込んで、そこにカンナが咲いたという言い伝えがあります。

カンナ

今では河原などで、半野生化しているものもありますが、色は鮮やかな赤や黄色、オレンジ、まれに白など、バリエーションも豊富です。

その種は、長時間の貯蔵に耐えて、550年間も発芽力を失われなかったといいますから、驚くべき強靭さですね。

炎天下の中でも枯れることなく手の平ひら大の花を咲かせる、何とも逞しいカンナです。強い雨風に当たっても花はしっかりとついています。550年は伊達だてではないのですねぇ…。

ノウゼンカズラ

花枯れといわれる夏ですが、拙宅では、この時季、天空にはだいだい色のノウゼンカズラ、地上には、黄色のカンナが咲き、花ウンサーにエールを送ってくれております。

夏を楽しく元気にしてくれるカンナです。

<2021年8月>

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フリーアナウンサー 押阪 忍

1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2021年現在、アナウンサー生活63年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。

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