【地域・業界別】テレワークの実施率 今後の動向も解説!
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昨今、注目を集めているテレワーク。
新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染状況が少しずつ落ち着きつつある2021年12月現在でも、導入を検討している企業は少なくないでしょう。
しかし、テレワーク導入の判断には慎重を期すため、実際にテレワークがどの程度実施されているのかを知りたい人も多いのではないでしょうか。
当記事では、テレワークの実施率について各種データを用いながら最新の状況を紹介。
また、地域別、業界別、企業規模別の状況や、テレワークの実施率に関する今後の動向も解説します。
テレワークの実施率は?5つの視点で紹介!
※写真はイメージ
内閣府の調査によると、全国のテレワークの実施率は、2019年12月の約10%の水準から2020年5月に約28%になり、2021年4~5月では約31%まで伸びました。
【全国のテレワーク実施率】
・2019年12月時点…10.3%
・2020年5月時点…27.7%
・2020年12月時点…21.5%
・2021年4~5月時点… 30.8%
上記の数値のうち、2020年5月の27.7%、2021年4~5月の30.8%は、コロナウイルスによる緊急事態宣言下の数値で、特に高い水準です。
また、株式会社パーソル総合研究所の調査によると、2020年4月に発令された第1回緊急事態宣言下で、テレワーク実施率が大幅に増加したことが分かったといいます。
・緊急事態宣言発出前2020年3月…13.2%
・第1回緊急事態宣言下2020年4月…27.9%
・第1回緊急事態解除後2020年5月…25.7%
・コロナ第3波2020年11月…24.7%
・第4回緊急事態宣言下2021年7~8月…27.5%
テレワーク実施率は、第1回目の緊急事態宣言下で、宣言前の13.2%から27.9%へと急増しました。
緊急事態宣言解除後は25.7%とポイントを下げたものの、2019年と比較して高い水準です。
また、東京五輪開催期間でもあった第4回緊急事態宣言下では再び増加に転じています。
各調査によって実施率の数値は異なるものの、2021年12月現在、全国のテレワーク実施率は3割前後で推移している傾向です。
以下では、地域別や業界別など5つの視点別に、さらに詳しく解説します。
【地域別】テレワークの実施率
※写真はイメージ
内閣府の調査による地域別のテレワーク実施率では、東京都23区が特に高い水準に。
2021年4~5月の地域別のテレワーク実施率は下記の通りです。
・全国平均…30.8%
・東京都23区…53.5%
・地方圏…21.9%
また、株式会社パーソル総合研究所の調査では、都道府県別の実施率が明らかになっています。
1位:東京都…47.3%
2位:神奈川県…42.0%
3位:千葉県…35.6%
4位:埼玉県…32.1%
5位:大阪府…27.5%
…
41位:青森県、富山県、岩手県…7.5%
44位:島根県…7.4%
45位:佐賀県…7.3%
46位:大分県…6.8%
47位:鳥取県…2.5%
※調査対象期間:2021年7月30日~8月1日
調査対象期間の前後に、緊急事態宣言が出た都道府県が上位5位を占めました。
また、コロナウイルスの感染者数が少ない傾向にある地域は、テレワーク実施率が総じて低い傾向です。
【業界別】テレワークの実施率
※写真はイメージ
内閣府の調査によると、業界別のテレワーク実施率では『情報通信業』がもっとも高い実施率となっています。
2021年4~5月におけるテレワーク実施率の高い業界について、高い順に挙げると以下の通りです。
1位:情報通信業…76.9%
2位:金融、保険、不動産業…46.0%
3位:そのほかのサービス業(対事業所サービス)…41.2%
対して、テレワークの導入率が低い業界がこちら。
13位:農林漁業…16.0%
14位:医療、福祉…10.8%
15位:保育関係…5.0%
情報通信業など、ICT産業は在宅勤務に比較的移行しやすい業務内容であることと、在宅勤務用に通信環境を整備しやすいことが、高い実施率を実現しているのでしょう。
一方で、テレワーク実施率が低い業界には、保育関係や医療、福祉など、対面で行う仕事がメインの業界が多く見られます。
なお農林漁業は、2019年12月当時とほぼ同じ水準でコロナ禍においても特に変動は見られませんでした。
また、株式会社パーソル総合研究所の調査では、職種別のテレワーク実施率が明らかになっています。
1位:IT系技術職…63.2%
2位:企画・マーケティング職、ウェブクリエイティブ職 …60.1%
…
34位:福祉系専門職(介護士、ヘルパーなど)… 3.4%
35位:幼稚園教諭、保育士…3.1%
36位:ドライバー…1.9%
※調査対象期間:2021年7月30日~8月1日
職種別で見ても、IT系技術職など情報通信業に関する職種でテレワーク実施率が高く、サービス職、福祉職などでテレワークの実施率が低い傾向です。
【企業規模別】テレワークの実施率
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企業規模別のテレワーク実施率を見ると、企業規模が大きくなるほど実施率が高くなっています。
2021年7月時点における企業規模別のテレワーク実施率は、次の通りです。
・従業員1万人以上…45.5%
・従業員1000~1万人未満…37.5%
・従業員100~1000人未満…25.4%
・従業員10~100人未満…15.2%
大手企業と比較して中小企業のテレワーク実施率が低い理由としては、テレワークのための社内制度や環境が整っていないことが挙げられます。
また、企業規模が小さい事業者ほど、従業員が複数の業務を抱えており出社の必要性が高いことも原因の1つです。
【雇用形態別】テレワークの実施率
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雇用形態別のテレワーク実施率では、正社員のテレワーク実施率がもっとも高い水準です。
2021年7月時点の雇用形態別のテレワーク実施率は以下の通り。
・正規雇用…27.5%
・非正規雇用(パート、アルバイト、契約社員、嘱託社員、派遣社員)…17.6%
・公務員、団体職員…14.0%
正規雇用と非正規雇用では、テレワーク実施率に約10%の差があることが分かります。
【年収別】テレワークの実施率
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年収別のテレワーク実施率に関しては、年収レンジが高いほどテレワーク実施率も高くなっています。
以下は、内閣府が調査した2020年12月時点の年収別テレワーク実施率です。
・1000万円以上…51.0%
・700万~1000万円未満…41.2%
・500万~700万円未満…27.9%
・300万~500万円未満…20.6%
・300万円未満…12.7%
(参考)全体平均…21.5%
一般的に、年収が高いほど管理業務を行っている傾向にあるため、テレワークが実施しやすく、実施率も高く推移していると考えられるでしょう。
テレワークの実施率は今後どうなる?
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テレワークの実施率は、コロナウイルスの感染状況に影響されつつも、今後大きくは増加しないことが考えられます。
理由は、感染状況が比較的落ち着き始めているため。
2021年11月時点において、新規陽性者数は2021年8月にピークを記録した後は減少傾向です。
また、国内におけるワクチン接種完了者は2021年12月時点で約75%以上と高い水準になっています。
一方で、テレワーク経験者に関しては、『テレワークの実施を今後も希望する』と考える就業者が多い状況です。
また、同じ調査によると、テレワーク実施による生産性への影響については『変わらない』とする回答が55.1%と過半数を占めました。
テレワークの実施は、生産性においても特に問題ない場合が多く、新しい働き方として定着しているため、今後大幅に実施率が下がる可能性は低いでしょう。
まとめ
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全国のテレワークの実施率は、2021年4~5月時点で30.8%です。テレワーク実施率は緊急事態宣言下で上昇する傾向があり、特に首都圏、大阪などで実施率が高い傾向でした。
テレワークの実施率に関する今後の状況については、コロナウイルスの急激な感染拡大が見られなければ、実施率が急増する可能性は基本的に低いでしょう。
一方で、テレワークは新しい働き方として定着しており、特にテレワーク実施者に支持されている働き方であるため、実施率が大幅に下がることもないとも見込めます。
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[文・構成/grape編集部]