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『奔走』の意味や使い方とは? 類義語も6つ例文付きで紹介!

By - grape編集部  公開:  更新:

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※写真はイメージ

『奔走』は『~に奔走する』のように、さまざまな場面で使うことができる言葉です。

しかし、場合によっては使用しないほうがいい状況もあるため、言葉の意味を踏まえた上で使用することが重要です。

当記事では、『奔走』の意味と読み方、英語表現や類義語などを紹介します。

『奔走』の意味をきちんと理解し、適切な場面で使えるようにしましょう!

『奔走』とは?意味と読み方を紹介!

『奔走』は、『ほんそう』あるいは『ほんそ』と読みます。

『ほんそう』のほうが読み方としては一般的です。

『奔走』には、『物事がうまくいくように駆け回って努力する』という意味があります。

ただ走り回るだけでなく、『よい結果を出すため』という点がポイントです。

ほかにも、『ご馳走する』や『大切にする』という意味があります。

それぞれ、『よりよいもてなしのために、駆け回ってご馳走を作る』様子や、『相手のために駆け回るくらい大切にする』という様子が由来です。

『奔走』の使い方と例文

『奔走』の使い方は、大きく分けて2つのパターンがあります。

1つ目は、『契約のために各社を奔走する』のように、実際に駆け回るというニュアンスが強い使い方です。

上記の例の場合は、契約を取るために各社を駆け回って営業するという意味になります。

2つ目は、『新しい会社で奔走する』のように、うまくいくように立ち回るというニュアンスが強い使い方です。

上記の例の場合は、実際に走るというよりも会社に馴染むために努力したり、新しい仕事を頑張って覚えたりするという意味になります。

具体的な使用例は下記の通りです。

【使用例】

・会社を立ち上げるという目標のために、資金集めに奔走する。

・恋人へのプレゼント探しのため、街中を奔走した。

『奔走』を表す英語表現

『奔走』は英語でも表すことができます。主な英語表現は下記の通りです。

・effort(努力、奮闘、頑張り)

・running about(走り回ること)

・activity(活発、活動)

文章で『奔走する』という意味を表したい場合は、『make every effort to do』と表現します。

より走り回っている様子を表現する場合は、『chase around』でも表せますよ。

【例文付き】『奔走』の類義語6選!

『奔走』という言葉には多くの類義語があり、それぞれの違いを知っておくと役に立つ場合があります。

言い換えができる言葉を知り、ボキャブラリーを増やしておきましょう。

ここでは、『奔走』の類義語を6つ挙げ、意味の違いや使い方、例文について解説します。

注力

『注力(ちゅうりょく)』とは、何かに力を注ぐこと、力を入れて集中することを意味する言葉です。

『注』という字には、『注ぐ』『一点に集める』『詳しく解き明かす』などの意味があります。

『注力』は、『特定の事柄に力を尽くすこと』『ありったけの力を注ぎこむこと』といった使われ方をされます。

例えば、『AI開発に注力する』といった時は、『開発チームの力をAIの開発に注ぎ込む』という意味です。

【例文】

・大学時代は、ロシア語の勉強に注力した。

・テスト勉強は、英単語の暗記に注力した。

尽力

『尽力(じんりょく)』とは、『自分の持つ力をすべて注ぎ込む』という意味の言葉です。

『尽』という字には『すべてを出し切る』『尽きる、なくなる』という意味があります。

そのため、物事に全身全霊で取り組み、自身をかえりみずに力を出し切るというニュアンスが含まれている言葉です。

『尽力』は、自分のために力を尽くす場面では使用せず、人や社会のために力を尽くす時に使います。

相手のために力を尽くす時に『尽力します』といったり、反対に相手から何かしてもらった時に『ご尽力ありがとうございます』といったりします。

【例文】

・血液在庫を増やすため、献血協力者の確保に尽力する。

・復興支援にご尽力いただき、ありがとうございます。

奮闘

『奮闘(ふんとう)』とは、『力をふるって戦うこと』あるいは『全力で努力すること』を意味する言葉です。

もともとは『自分が敵と戦う』という意味で用いられていましたが、転じて『自分自身の目標に向かって努力する』という意味で使われるようになりました。

『奮闘』は『奮闘中』や『奮闘記』という言葉でよく使われます。

『奮闘中』は『戦いや努力の最中』という意味で、『奮闘記』は『戦いや努力の様子を記した書物』のことです。

【例文】

・一人前の職人になるために、日々奮闘している。

・今月号の巻頭ページには、難病患者の奮闘記が特集されている。

東奔西走

『東奔西走(とうほんせいそう)』とは、『いろいろな方向へ忙しく駆け回る』という意味の四字熟語です。

ただ単に駆け回るのではなく、目的や目標を実現するために、忙しく動き回る様子を表しています。

『東奔西走』の中に『奔走』という字があるように、この2つの言葉はほとんど意味が一緒です。

どちらかというと『東奔西走』のほうが、より広範囲に動き回っているイメージが出ている言葉といえるでしょう。

【例文】

・政府は、新型コロナウイルス感染症対策のために東奔西走している。

・条例の改正を求めるために、東奔西走して署名を集めた。

櫛風沐雨(しっぷうもくう)

『櫛風沐雨(しっぷうもくう)』とは、『厳しい状況の中で苦労して駆け回る』という意味の四字熟語です。

『櫛風』は、強い風に髪がとかされる様子を表し、『沐雨』は、雨で身体を洗われる様子を表しています。

つまり、『櫛風沐雨』には『強風や豪雨にさらされて苦労する』という意味があります。

さらに転じて、『つらい環境や厳しい状況の中で働く』という意味で使われるようになりました。

【例文】

・働きながら子供を1人で育てることは、櫛風沐雨の日々であった。

・自衛隊員の櫛風沐雨の努力のおかげで、たくさんの住人が救われた。

粉骨砕身

『粉骨砕身(ふんこつさいしん)』とは、『物事に対して精一杯努力する』という意味の四字熟語です。

文字通り、『骨を粉にして身を砕く』ほど頑張る様子を表しています。

『粉骨砕身』は、『勉強や仕事を頑張る』などの意思表明の場面で使用することが多い言葉です。

自分自身ではなく人に対して『粉骨砕身』を使うと、努力を強制している印象を与えるため、使用を避けましょう。

【例文】

・営業成績社内1位を目指し、粉骨砕身する。

・御社で働くことになった暁には、粉骨砕身の思いで業務にあたります。

ビジネスの場面で『奔走』は使ってもいい?

『奔走』は『よい結果を得るために駆け回って努力する』という意味のため、いつでも使用できるイメージを持たれがちですが、ビジネスの場面には適していない言葉です。

例えば、誰かが『奔走』して仕事がうまくいった時、お礼の言葉として「奔走いただきありがとうございます」という言葉はNGです。

上記のような使い方をすると、「懸命に頑張ってくださってありがとうございます」といったような、上から目線の言葉になります。

そのため、目上の人に対して使用すると失礼にあたるのです。

感謝の気持ちを伝えたい時には、『奔走』を使用しないようにしましょう。

ビジネスシーンで感謝を伝えたい場合は、下記のような言葉でいい換えることができます。

・ご尽力いただき誠にありがとうございます。(尽力:力を尽くすこと)

・お力添えいただきありがとうございました。(力添え:助力、援助)

・お骨折りをいただきありがとうございました。(骨折り:苦労すること、努力)

上記の表現であれば目上の人にも失礼にあたらず、感謝の気持ちを伝えることができますよ!

まとめ

『奔走』とは、『物事がうまくいくように駆け回って努力する』という意味の言葉です。

ただ単に『努力する』というよりも、『奔走する』というほうが、持てる力を尽くしている印象を与えます。

しかし、ビジネスシーンなどで感謝を伝える時には使用しないことが重要です。

『奔走』にはたくさんの類義語が存在します。

それぞれ意味は似ているものの、言葉が持つニュアンスが微妙に異なるため、言葉を受け取った時の印象も変わります。

言葉の違いをしっかり理解して、それぞれ適切な場面で使用してみてくださいね!


[文・構成/grape編集部]

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