洗濯王子「汗ジミは水温〇℃で落とします」 正解の温度に「いいこと聞いた」「夏は助かる」
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夏になると着替えが多くなって洗濯物も増えがち。読者のみなさんの中にも「夏は洗濯が大変」という人が多いのではないでしょうか。
また、汗染みなど夏にありがちなトラブルへの対応も必要になります。
そこで本記事では、夏の洗濯対策について『洗濯王子』という愛称でも知られる、洗濯家・中村祐一さんに取材しました。
中村さんが教えてくれた『家庭での洗濯の基本』については以下の記事をご覧ください。
洗濯王子「プロは必ず、〇回すすぎます」 理由に「マジか…」「やり直したい」
汗染みを落とすためのコツとは
――夏は衣服に汗染みができがちだが、これに対するよい洗濯法はある?
汗染みに対しても、きちんと汚れが落ちる基本的な洗濯の考え方がポイントです。
衣類の量を入れすぎない、適切な水量にする、洗剤の規定量を守るという『3つの量』に注意し、すすぎは3回を基準にして、汚れをきっちりすすぎ切りましょう。
さらに汚れを落としやすくするためには、水温を40℃ぐらいに上げて洗濯を行うことです。体温と同じぐらいの温度にしたほうが身体から出た汚れは溶け、落ちやすいです。
キチンと汚れを落としておけば、後々黄ばみになる可能性をグンと下げることができます。
基本の洗濯をして、それでも落としきれない黄ばみがある時、初めて漂白剤を使うことを考えましょう。
ただし、水温をあげる場合も、漂白剤を使う場合も、できる服とできない服があります。洗濯表示で、上限の水温と漂白の可否を必ず確認してください。
※写真はイメージ
生乾きで悪臭を放つ洗濯物のリカバリー方法
――夏は夕立に降られて洗濯物が生乾きというケースも…。悪臭を放つこともあるが対策方法は?
これはもう一度洗い直したほうがいいでしょう。
また、悪臭についてですが、本来きちんと洗えていれば、服を着用する前に服が臭うことはありません。
――殺菌剤として逆性せっけんを使う方法は推奨できる?
逆性せっけんを使うと確かに短期的な効果はあります。逆性せっけんは悪臭の元となる菌を殺す作用がありますので。
ただ、逆性せっけんを使って、服を一時的に殺菌したとしても、菌は皮膚や空気中などあらゆるところにいるので、完全になくすことは不可能です。
服に汚れが残っていれば、いずれ必ず嫌な臭いは再発します。
そのため、やはり基本の洗濯である、適切な『洗い』と『すすぎ』を行い、根本的な対策をすることをおすすめします。
型崩れした帽子の洗濯方法
――夏場は帽子をかぶることが多いが、汗などによって型崩れすることも。型崩れした帽子の洗濯方法は?
これもどんな帽子なのかが重要です。どんな素材なのか、色や形はどうか、飾りなどは付いているのか、などによって対処法が変わります。
買った時に近い状態でかぶりたい帽子であれば、そもそも家庭で洗濯をするのではなく、プロに相談したほうがいいでしょう。
汗などを落とし、単に清潔にかぶれればいいという帽子であれば、素材と洗濯絵表示を確認し、それぞれに適した洗濯方法を選びます。
干す前の濡れている状態の時に、型をきちんと作って乾かすといいです。よりきちんと型を作る場合には、アイロンでの仕上げが必要です。
※写真はイメージ
中村さんは「基本的な洗濯ができていれば、そもそもトラブルは起こらないはず」とアドバイスします。
まずは『家庭での洗濯の基本』について身につけることを目指してみましょう。
洗濯をもっと知りたい人は講座をチェック!
中村祐一さんが、プロのクリーニング師とともに『洗濯講座』を開催しています。
プロが洗濯の時に服をどのように見て、洗い方を考えているのかという、知見が十分に得られる講座です。
中村さんいわく「服を清潔で美しく長く着られるように、洗濯の基本的な考え方を毎月オンラインでプロのクリーニング師とともにお伝えしています。心地よく暮らすための1つの重要な要素として、ぜひ一度、洗濯をゼロから学びに来てください」とのこと。
興味のある人は下記のウェブサイトを覗いてみてはいかがでしょうか。
ゼロから学ぶ洗濯
【中村祐一 Profile】
1984年3月1日生まれ。長野県伊那市のクリーニング会社『芳洗舎』3代目。
「洗濯から、セカイを変える」という信念の下、2006年から『洗濯アドバイス』という分野を切り開いてきたパイオニア。
洗濯から考える、よりよい暮らし方の提案を行い、衣・食・住における『衣文化』の革新に洗濯の側面から取り組む。
「洗濯王子」の愛称で、NHKでの講師、日経新聞での連載など各種メディアにも多数出演。
ウェブサイト:SENTAKU-YUICHI
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]