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バイトから帰宅したら、玄関で「え?」 中身に「涙が出た」「日本も捨てたもんじゃない」

By - いとう舞香  公開:  更新:

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2023年7月15日、梅雨前線の影響を受け、秋田県は記録的な豪雨に見舞われました。

河川氾濫や土砂崩れが起こるほか、街中では下水道から排水しきれなかった雨水があふれ、内水氾濫が発生するなど、県内で被害報告が続出。

同月23日の夜には、災害派遣された自衛隊員が、災害廃棄物の搬出作業を行うも、同月30日現在も、復旧の見通しは立っていません。

秋田県内では、日中の最高気温が31℃を超えることも。過酷な状況下で、ボランティアを含む多くの人が作業にあたっています。

玄関先に積まれていた『優しさの支援物資』に涙

同月27日、アルバイトから帰宅した、秋田県在住の、たかはしさつき(@may32k)さん。

玄関から自宅に入ろうとしたところ、目に飛び込んできた光景に、思わずこんな声を上げてしまったといいます。

「え?」

いつも見ているはずの玄関で、たかはしさんはキョトンとしてしまったのです。

なぜならば…そこには、見慣れない光景が広がっていたのですから…!

玄関に積み上げられていたのは、大手通販サイト『Amazon』から届いた大量の荷物!

インターネットの普及によって、現代では気軽に買い物をできるようになりました。とはいえ、いくら通販が好きな人でも、こんなにも大量に買い物をすることは、めったにないでしょう。

そう、これらの荷物は、たかはしさんが注文した物ではありません。全国の心優しい人たちから寄せられた、被災地への支援物資なのです。

今回の災害を受け、ボランティア活動を行っている、たかはしさん。SNSで支援物資の『ほしい物リスト』を公開したところ、全国から大量の寄付が集まったといいます。

秋田県の現状を知った人たちによる「困っている人を助けたい」「少しでも力になりたい」という温かい想いが詰まった、支援物資。

たかはしさんは、優しさが詰まった支援物資を、秋田県南秋田郡の五城目町(ごじょうめまち)に設置された配布拠点へ運送しています。

思いやりにあふれる1枚はネット上で拡散され、「最初は大人買いかと思ったけど、中身を知って涙が出た」「まだまだ日本も捨てたもんじゃない」といった声が上がりました。

全国に届けたい、被災地からのメッセージ

深刻な被害を受けているにも関わらず、なかなか全国に被災地の現状が広まらない今回の災害。

『grape』は、投稿者であり、秋田県内でボランティア活動に励む、たかはしさんにお話をうかがいました。

――被災地の現状は。

まったくボランティアの人数が足りていないように感じます。物資を仕分けする人すら足らないほどに、とにかく人手がないので大変な状況です。

また、街にあふれかえった泥すら落とせておらず、災害廃棄物の回収も間に合っていません。

実は秋田県って日本一高齢化率の高い県(※内閣府調べ)なんですが、ボランティアとして活動できる年齢の人が少ないというのも関係していると思います。さらに、若者居住者の多い地域が冠水してしまっていて…。

若い人がいても、もちろん仕事もあるわけで。支援物資を届けてくれた配達員の男性も、自分の家が被災しているにも関わらず配達をしてくださいました。

その男性に支援物資を渡したら、涙を流していて…本当にみんなつらいと思います。

――寄せられた支援物資について。

もう本当に、ひたすら「ありがたい」という気持ちでいっぱいです。

届いた支援物資を見て、「なんて日本には優しい人が多いのだろう」と思いました。今必要な物を送ってくれる人が、こんなにもたくさんいることが、奇跡のように感じます。

『ほしい物リスト』経由でいただいた物資の中には、ギフトのメッセージが添えられていることもあって。全部のメッセージに目を通しているんですが、「微力ですが」といいながら、たくさんの支援物資を送ってくれる方もいるんです。

直接、支援物資を送ってくれる方も優しいメッセージを添えてくれて、それらのメッセージを夜眠る前に読むと、本当に心が温かくなります。

自分は幸い被害が小さいほうだったのですが、それでも災害はとても怖いので。温かいメッセージを読んで泣いてしまうんです。

最後に、全国の人に向けて「秋田県はいいところなので、ぜひ遊びにきてほしい」と想いを語った、たかはしさん。

引き続き、たかはしさんのSNSアカウントでは、炊き出しに使う道具や飲み物、レトルト食品など、さまざまな品物が登録された、支援物資の『ほしい物リスト』が公開されています。

届いた支援物資は、困っている人たちの手元へ渡っていきます。多くの人の優しさは、被災者の命と生活を守り、傷付いた心を包むことでしょう。


[文・構成/grape編集部]

出典
@may32k

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