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薄力粉は片栗粉で代用できる! 料理の仕上がりの違いや2つの注意点を解説

By - grape編集部  公開:  更新:

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※写真はイメージ

「薄力粉は片栗粉で代用できるのかな」「薄力粉の代わりに片栗粉を使うと料理にどんな影響があるのか知りたい」と悩んだ経験を持つ人もいるのではないでしょうか。

薄力粉は、片栗粉で代用可能です。薄力粉を使う場合と仕上がりが異なるため、違った食感や風味を楽しめます。しかし、料理によって向き不向きがあるため、代用する際には注意が必要です。

そこで本記事では、薄力粉と片栗粉の代用方法について解説します。料理別に仕上がりの違いも解説するので、薄力粉を片栗粉で代用したいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

薄力粉は片栗粉で代用できる

じゃがいもと片栗粉の写真

薄力粉は片栗粉で代用可能です。薄力粉の代わりに揚げ物の衣や料理のとろみづけに使えます。片栗粉は薄力粉よりも、とろみが強いのが特徴です。クラムチャウダーやグラタンに使用するホワイトソースなど、とろみをつける時に使用するのがおすすめ。

しかし片栗粉を使用すると、粘り気が強いとろみになります。粘り気の弱いサラサラしたとろみをつけるカレーやシチューには向いていません。料理によって向き不向きがあるため、代用する際には注意が必要です。

薄力粉と片栗粉の2つの違い

小麦粉と片栗粉と野菜の写真

ここでは、薄力粉と片栗粉の2つの違いについて解説します。

  • 原材料
  • 使用用途

それぞれの違いを把握して、正しく料理に活用してください。

原材料

薄力粉と片栗粉では、以下のように原材料が異なります。

  • 薄力粉:小麦
  • 片栗粉:じゃがいもからとれるデンプン

薄力粉は、軟質小麦から作られている小麦粉のこと。小麦粉には、タンパク質やデンプンなどが含まれています。含まれるタンパク質の割合によって、名前が異なるのが特徴です。薄力粉以外に、以下の2つの小麦粉があります。

  • 中力粉
  • 強力粉

一方で片栗粉は、じゃがいもから取れるデンプンで作られます。以前は『カタクリ』と呼ばれるユリ科の花の根っこから作られていました。しかし、以下の理由から、昨今はじゃがいもから作られています。

  • カタクリが減少したため。
  • じゃがいもの生産量が増加したため。

薄力粉は小麦から、じゃがいもはデンプンから作られるため、それぞれ特性が異なります。

使用用途

薄力粉と片栗粉では、使用用途にも違いがあります。それぞれの使用用途は以下のとおり。

薄力粉片栗粉
・焼き菓子。
・さらっとしたとろみをつけたい料理。
・どろっとしたとろみを付けたい料理。
・肉にまぶす。
・打ち粉。

薄力粉と片栗粉では、とろみの付き方が異なります。薄力粉を使うと、さらっとしたとろみが付くため、カレーやクリームシチューを作る際に最適です。

片栗粉でとろみをつけると、小麦粉を使う場合よりも粘度が高くなります。片栗粉はどろっとしたとろみが付くため、あんかけやスープを作る際に、片栗粉を活用するのがおすすめです。

薄力粉はクッキーやケーキなど、焼き菓子を作る際にも適しています。薄力粉で作ったクッキーの生地は、粘りが出にくく扱いやすいです。焼くと、サクサクとした食感に仕上がります。

また片栗粉を肉にまぶしてから、焼いたり揚げたりすることで、肉がしっとり柔らかく仕上がります。片栗粉のデンプンは水分保持力が高く、焼く時に肉の水分が蒸発するのを防ぐためです。

さらに片栗粉をまぶしておけば、調味料によく絡むので、味が付きやすくなるでしょう。

【料理別】薄力粉を片栗粉で代用した場合の仕上がりの違い

唐揚げの写真

ここでは、以下の料理別に薄力粉の代わりに片栗粉を使用した場合の仕上がりの違いを解説します。

  • から揚げ
  • クッキー
  • カレーやシチュー

料理を作る際の参考にしてください。

から揚げ

薄力粉と片栗粉は、から揚げの衣に使えます。それぞれの仕上がりの違いは、以下のとおりです。

【薄力粉を使った場合】

・揚げたてはカリッとした食感に仕上がる。

・冷えるとしっとりとした食感に変わる。

【片栗粉を使った場合】

・揚げたての衣は少し硬く、ザクザクとした食感になる。

・冷えるとべちゃっとなり、食感が悪くなる。

薄力粉は肉に付着しやすいため、揚げた際にうまみを閉じ込められる点がメリット。しかし、薄力粉を使った場合、表面のカリカリ感は片栗粉に劣るでしょう。

ザクザクやカリカリとした食感を楽しみたいなら、片栗粉を衣に使うのがおすすめ。片栗粉は油を吸いやすいため、時間が経過するほど食感が悪くなります。片栗粉が衣のから揚げは、早めに食べるのがおすすめです。

クッキー

クッキーに薄力粉と片栗粉を使った際の仕上がりの違いは、以下のとおりです。

  • 薄力粉で作った場合:サクサクとした一般的なクッキーに仕上がる。
  • 片栗粉で作った場合:サクほろっとした食感に仕上がる。

一般的にクッキーを作る時は、薄力粉が使われます。薄力粉を使うと、サクサクとした食感のクッキーに。生地をよく練ってから焼くと、ザクッと硬めの食感に仕上がるので、お好みで調整してみてください。

一方で片栗粉を使うと、サクサクとした食感で、口の中でほろっと崩れるクッキーに仕上がります。軽い食感で口溶けがよく、食べやすいのが特徴です。

カレーやシチュー

カレーやシチューに薄力粉と片栗粉を加えた際の仕上がりの違いは、以下のとおりです。

  • 薄力粉を加えた場合:粘度が低いルーに仕上がる。
  • 片栗粉を加えた場合:粘度が高いルーに仕上がる。

カレーやシチューを作る際に、薄力粉を加えたら一般的なさらっとしたルーに仕上がります。反対に片栗粉を使うと、粘り気があり、食べ応えのあるルーに。片栗粉はとろみが付きすぎるため、カレーやシチューには向いていません。

薄力粉を片栗粉で代用する際の2つの注意点

ビックリマークの写真

ここでは、薄力粉を片栗粉で代用する際の注意点を2つ解説します。

  • 片栗粉が衣の揚げ物は時間が経つと食感が悪くなる。
  • とろみをつける際は分量を半分に抑える。

薄力粉を片栗粉で代用する前に、目を通しておきましょう。

片栗粉が衣の揚げ物は時間が経つと食感が悪くなる

から揚げなど、揚げ物の衣に片栗粉を使った場合、時間の経過とともに食感が悪くなります。衣が油を吸い、食べると胃もたれすることも。片栗粉を揚げ物の衣に使った場合は、可能な限り早く食べるのがおすすめです。

一方で薄力粉を衣に使うと、冷めてもおいしく食べられます。作ってから時間が経過すると、しっとり柔らかい食感に。お弁当に入れる場合は、薄力粉を衣に使ったほうがよいでしょう。

とろみをつける際は分量を半分に抑える

薄力粉の代わりに片栗粉でとろみをつける際は、分量を半分に抑えましょう。薄力粉と同じ分量の片栗粉を使うと、とろみが付きすぎるためです。薄力粉を使った際の仕上がりと、大きく変わってしまいます。

半分でとろみが足りない場合は、少しずつ加えながら調整してください。反対に、片栗粉の代わりに薄力粉でとろみをつける場合は、分量を多めにしましょう。

薄力粉を片栗粉で代用可能なおすすめレシピ4選

シチューの写真

ここでは、薄力粉を片栗粉で代用可能なおすすめレシピを4つ紹介します。

  • かぼちゃのクッキー
  • 鶏のから揚げ
  • ホワイトシチュー
  • 豆腐チーズチヂミ

料理のポイントも解説するので、薄力粉を片栗粉で代用する際の参考にしてください。

かぼちゃのクッキー

薄力粉の代わりの片栗粉を使ったかぼちゃのクッキーのレシピを紹介します。必要な材料は、以下のとおりです。

  • 片栗粉:100g
  • かぼちゃ:40g
  • 無塩バター:40g
  • 砂糖:40g

作り方は以下のとおりです。

  1. 無塩バターを常温に戻す。
  2. オーブンを180℃に予熱する。
  3. かぼちゃのわたを取り除いて皮を剥く。
  4. かぼちゃをひと口大に切り、耐熱皿に入れてラップをかけ、600Wの電子レンジで3分加熱する。
  5. かぼちゃが柔らかくなったら、熱いうちに裏ごし器で裏ごしする。
  6. 無塩バターを泡立て器で混ぜ、砂糖を加えてさらに混ぜる。
  7. 白っぽくなったらかぼちゃと片栗粉を加えて、ゴムベラでよく混ぜ、まとまってきたら手でこねる。
  8. ラップにこねた生地をのせ、直径5cm程の筒状に形を整える。
  9. 冷蔵庫で15分ほど置き、5mm幅に切る。
  10. クッキングシートを敷いた天板に切った生地を並べ、180℃のオーブンで15分ほど焼く。

片栗粉を使うかぼちゃクッキーは、材料が4つなので簡単に作れます。かぼちゃだけではなく、さつまいもなどほかの食材でもアレンジ可能です。

鶏のから揚げ

薄力粉の代わりに片栗粉を使って揚げる、カリッとジューシーな鶏のから揚げのレシピを紹介します。必要な材料は以下のとおり。

  • 鶏もも肉:300g
  • 片栗粉:大さじ3杯
  • 揚げ油:適量

以下は下味をつけるための材料です。

  • 料理酒:大さじ1杯
  • 醤油:大さじ1杯
  • ごま油:小さじ2杯
  • すりおろし生姜:小さじ2杯
  • すりおろしニンニク:小さじ2杯
  • 鶏ガラスープの素:小さじ2ぶんの1杯
  • 塩:小さじ2ぶんの1杯
  • 黒こしょう:小さじ2ぶんの1杯

作り方は以下のとおりです。

  • 鶏もも肉の余分な脂を取り除いて、フォークで数か所刺してひと口大に切る。
  • ボウルに切った鶏もも肉と下味をつけるための材料を入れてよく揉みこむ。
  • ラップをかけて冷蔵庫で30分程度漬ける。
  • 汁気を切り、全体に片栗粉をまぶす。
  • 鍋底から4cmほどの揚げ油を注ぎ、180℃に熱し、漬けた鶏もも肉を入れて4分ほど揚げる。
  • 衣がカリッとして、中心まで火が通ったら油を切る。

塩加減はお好みで調節してください。鶏もも肉の大きさで火の通り加減が変わるため、揚げ時間に注意が必要です。

ホワイトシチュー

薄力粉の代わりに片栗粉を使って作るホワイトシチューのレシピを紹介します。必要な材料は以下のとおり。

  • 鶏もも肉:200g
  • たまねぎ:2ぶんの1個
  • じゃがいも:100g
  • にんじん:2ぶんの1本
  • ほうれん草:2ぶんの1束
  • バター:20g(またはオリーブオイル大さじ1杯)
  • 牛乳(または豆乳):300㎖
  • 水:100㎖
  • コンソメキューブ:1個
  • 塩:小さじ2ぶんの1杯
  • 片栗粉:大さじ1杯
  • 塩、こしょう:適量

作り方は以下のとおりです。

  1. 鶏もも肉をひと口大にカットする。
  2. たまねぎはスライスし、にんじんとじゃがいもは皮をむいて乱切り、ほうれん草は3cm幅にカットする。
  3. 厚手の鍋にバターを入れて、たまねぎ、にんじん、じゃがいも、塩を加えて炒める。
  4. 野菜がしんなりしてきたら、鶏もも肉を加えてさらに炒める。
  5. 水100㎖とコンソメを加えて、野菜がやわらかくなるまで煮る。
  6. 50㎖の牛乳に片栗粉を溶いておく。
  7. 野菜が柔らかくなったら、250㎖の牛乳を加える。
  8. 煮立つ手前で、ほうれん草と牛乳で溶かした片栗粉を入れ、塩、こしょうで味を調える。

牛乳の代わりに豆乳を使っても問題ありません。ほうれん草の代わりに、ブロッコリーなどお好みの緑の野菜を使うのもおすすめです。片栗粉を大さじ1杯増やすと、さらに粘り気が出て、グラタンにも使えます。

豆腐チーズチヂミ

薄力粉と卵不使用の片栗粉で作る豆腐チーズチヂミのレシピを紹介します。必要な材料は以下のとおり。

  • 絹ごし豆腐:150g
  • 片栗粉:大さじ6杯
  • 醤油:小さじ1杯
  • ニラ:半束
  • しらす:30g
  • ピザ用チーズ:30g
  • ごま油:小さじ1杯

作り方は以下のとおりです。

  1. ニラを1cm幅のざく切りにする。
  2. ボウルに絹ごし豆腐を入れ、泡立て器などでなめらかになるように潰す。
  3. 潰した絹ごし豆腐に片栗粉、醤油を入れ、混ぜ合わせる。
  4. 混ぜ合わせた絹ごし豆腐に、ニラ、しらす、ピザ用チーズを入れて混ぜる。
  5. フライパンへごま油を引き、生地を流し入れ平らにして、両面を焼く。

野菜の水気が多いと、生地がゆるくてまとまらない原因になります。しっかりと水を切ってから使ってください。ニラを洗ったら、余分な水気を拭き取ってから切りましょう。

ひっくり返すのが苦手な人は、少量ずつ焼くと失敗しにくいです。薄味に仕上げているため、ポン酢などをつけて食べましょう。

薄力粉を片栗粉で代用して料理のレパートリーを増やそう

キッチンで料理する女性の写真

薄力粉は片栗粉で代用できます。薄力粉と片栗粉では、原材料や使用用途が異なります。料理の仕上がりも異なるため、適切に使い分けましょう。

肉を焼いたり揚げたりする前に片栗粉をまぶすと、柔らかく仕上がるので、生姜焼きなどに使うのがおすすめです。片栗粉を揚げ物の衣に使うと、時間の経過とともに食感が悪くなるため、早めに食べましょう。

揚げ物をする際は、片栗粉と薄力粉を混ぜた粉につけてから揚げるのもおすすめ。互いのいいとこ取りが可能なので、表面はザクザクで、中身はしっとり柔らかい揚げ物ができあがります。

薄力粉がない時でも片栗粉で適切に代用すれば、料理がおいしく仕上がります。薄力粉を片栗粉で代用して、料理のレパートリーを増やしましょう。


[文・構成/grape編集部]

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