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重曹はアルカリ性の粉末! アルカリ性を高める方法も解説

By - grape編集部  公開:  更新:

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スプーン1杯の重曹、掃除用手袋、スプレーボトルの写真

※写真はイメージ

「重曹の性質は酸性とアルカリ性、どっちなんだろう」「重曹の性質や活用できる使い道が知りたい」という疑問を抱えている人は少なくないのではないでしょうか。

重曹は、化学名で『炭酸水素ナトリウム』とも呼ばれる白い粉末です。pH8.5程度の弱アルカリ性で、掃除や消臭、パンのふくらし粉などに使われます。

ドラックストアやホームセンターでは、純度ごとに医療用・食用・工業用などに分けて販売されているため、目的に応じて使い分けが可能です。

使用用途を理解することで、暮らしの利便性アップに大きく貢献してくれる重曹。当記事では、重曹がアルカリ性である理由や性質の純度を高める方法を紹介します。

これから重曹を使おうと考えている人は、ぜひ最後までご覧ください。

重曹はアルカリ性の粉末

スプーンからあふれ落ちた重曹の写真

重曹は、アルカリ性の粉末です。ここでは、重曹の特徴や混同されやすいクエン酸との違いを解説します。

重曹の特徴

重曹は、pHが8.5程度の弱アルカリ性の粉末です。炭酸水素ナトリウムを99%以上含んでいるナトリウムの炭酸水素塩でもあり、重炭酸ソーダや重炭酸ナトリウムとも呼ばれます。

重曹は、加熱することで二酸化炭素の放出・油の分解・酸の中和などが可能。これらの性質により、掃除や消臭、パンのふくらし粉などとして使われることが多いです。

重曹は、末以外の状態でも使えます。1ℓの水に重曹を大さじ4杯加えることで重曹水にしたり、少量の水で伸ばしてペーストにしたりするなど、用途に合わせて調整が可能です。

クエン酸との違い

クエン酸とは、酢や柑橘類に含まれる酸味成分の一種。アルカリ性の重曹に対し、クエン酸はpHが2〜3ほどの酸性です。性質が違う重曹とクエン酸は、それぞれ使用用途が異なります。

前提として、アルカリ性と酸性は反対の性質です。そのため、一方の性質のものに対して他方の性質のものを加えることで、それぞれの性質を打ち消す中和の作用が働きます。

これにより、汚れが落とせるのです。つまり、重曹が酸性の汚れを落とすのに対し、クエン酸は、アルカリ性の汚れを中和して落とせます。

重曹は、キッチンの壁・コンロ周りの油汚れ、家の中の手垢汚れや風呂場の皮脂汚れなどといった、酸性の汚れを落とす際に便利。

一方、酸性であるクエン酸は、キッチンのシンクや洗面所の水垢、トイレの尿汚れなどのアルカリ性の汚れを落とせます。

掃除などで使う際は、汚れの性質を見極めてから、重曹とクエン酸を使い分けるようにしてください。

重曹がアルカリ性である理由

皿に重曹を入れている写真

炭酸水素ナトリウムでもある重曹は、水に溶けることでアルカリ性になります。アルカリ性とは、水溶液中の水酸化物イオンOH–が水素イオンH+よりも多い状態のことです。

ここでは、重曹がアルカリ性である理由を、化学式を用いて解説します。

重曹は炭酸水素ナトリウムであり、化学式はNaHCO3。炭酸水素ナトリウムは常温だと固体なので、炭酸水素ナトリウム自体がアルカリ性というわけではありません。水に溶かした時にアルカリ性になります。

水に炭酸水素ナトリウムが溶ける際は、『NaHCO3 → Na+ + HCO3–』。

さらに重炭酸イオンが水と反応することで、『HCO3– + H2O  ⇄  H2CO3 + OH–』。

つまり、炭酸水素ナトリウムが水に溶けた時、重炭酸イオンが水と反応することで、炭酸であるH2CO3と水酸化物イオンOH–が発生します。

重曹のアルカリ性を高める方法

スプーン1杯の重曹を掃除用手袋の上にまき、スプレーボトル横に添えた写真

重曹は中性に近いアルカリ性のため、作用の働き方は穏やかです。汚れをしっかり落としたい時は、加熱して重曹のアルカリ性を高めるのがおすすめ。

軽い油汚れであれば通常の状態でもスルッと落とせますが、焦げ付いた油などを落とす時は、加熱して高めることで洗浄力をアップさせましょう。

頑固な汚れを落としたい時は、水500㎖に重曹40gほどを混ぜます。その後、電子レンジに入れ、沸騰するくらいまで温めるとpHが上がり、アルカリ性を高められます。

ただし、強アルカリとなった重曹は肌荒れを起こす可能性があるので、不安な人は手袋をはめて使いましょう。

また、加熱時の火傷にも注意してください。アルカリ性が高いと頑固な酸性の汚れを落とせるので、掃除や消臭に活用できます。

重曹は暮らしのさまざまな場面で役立つアルカリ性の粉末

重曹で掃除をしている写真

重曹はアルカリ性の粉末です。ただし、重曹の粉自体がアルカリ性なのではなく、水に溶けることでアルカリ性に変化します。

重曹は、炭酸水素ナトリウムなので、二酸化炭素の放出・酸の中和・油の分解などが可能です。

また、アルカリ性である重曹に対し、クエン酸は酸性の性質を示します。両者は性質が正反対のため、掃除で使う際は、重曹は酸性の汚れを、クエン酸はアルカリ性の汚れを落とすために使用しましょう。

重曹は弱いアルカリ性ですが、加熱することで高められます。アルカリ性を高めることで、より強い酸性の汚れを落とせるため、試してみてください。

重曹は暮らしのさまざまな場面で活用する便利アイテムです。日頃の掃除や調理などの場面で活用してみてください。


[文・構成/grape編集部]

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