鍋の焦げ付きを落とす6つの方法!素材に合った落とし方も解説
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「鍋を焦がしてしまった」「焦げを落とす方法が知りたい」「鍋の素材によって洗い方は違うのかな」とお悩みの人もいるのではないでしょうか。
料理をしていると忙しくて、つい鍋を焦がすことがあります。焦げ付きは、キレイに取らないと落ちなくなるでしょう。
また、焦げを落とす方法も鍋の素材によっては破損の原因になるため、注意してください。
本記事では鍋の焦げ付きを落とす方法を紹介します。焦げ付いたステンレス鍋や土鍋の焦げの落とし方が分かるので、ぜひ最後までお読みください。
鍋の焦げを落とす6つの方法
鍋の焦げは、ただ洗うだけではなかなか落ちません。それどころか、間違ったやり方をしたり、力を入れて焦げを落とそうとしたりすると、鍋を痛めてしまう可能性もあります。
簡単かつ安全に焦げを落とすために、正しいやり方を見ていきましょう。
重曹を使う
重曹は弱アルカリ性で、酸性を中和する効果があります。油汚れは酸性のため、中和する効果を利用して鍋の焦げ付きを落としてください。
重曹は粒子が細かいため鍋へのダメージを最小限におさえて洗えます。また、二酸化炭素と食塩水から作られているので人体に影響を与えず、小さな子供がいる家庭にもおすすめです。
重曹を使って焦げ付きを落とす手順は、以下の通りです。
【手順】
頑固な焦げ付きには、重曹ペーストを試してみましょう。作り方は、重曹に少量の水を混ぜてペースト状にするだけです。
重曹ペーストを焦げた部分に塗り、上からラップをかけて1時間放置すれば焦げが柔らかくなって落ちやすくなりますよ。
クエン酸(酢)を使う
クエン酸は酸性で、焦げた鍋のアルカリ性の汚れを中和して落とします。焦げには種類があり、肉は酸性で、野菜はアルカリ性の汚れです。
アルカリ性の野菜などが鍋で焦げた時は、クエン酸を使えばキレイになります。頑固な焦げ付きには重曹や中性洗剤と混ぜると、より汚れが落ちやすくなるでしょう。
しかし、塩素系の漂白剤を混ぜると有毒ガスが発生するため、絶対に混ぜないでください。
また、クエン酸は同じ酸性の酢で代用できますが臭いが強いので、焦げを落としたら中性洗剤などを使ってしっかり洗いましょう。
クエン酸で鍋の焦げ付きを落とす方法は、以下の通りです。
【クエン酸水】
スプレー容器にクエン酸と水を入れてよく振れば、クエン酸水が完成します。効果的な使い方は、キッチンペーパーにクエン酸水を染みこませ、鍋の焦げた部分に貼りつける方法です。
汚れが柔らかくなり焦げが落ちやすくなります。重曹と同じく環境に優しい洗剤ですので、ぜひお試しください。
セスキ炭酸ソーダを使う
セスキ炭酸ソーダは重曹よりも強いアルカリ性のため、鍋についた酸性の焦げ付きをより分解します。
水に溶けるので、スプレーにすると使いやすいでしょう。セスキ炭酸ソーダを水に溶かす割合は、以下の通りです。
水に溶かしたセスキ炭酸ソーダは長時間放置すると劣化や菌が発生するため、2~3週間以内に使い切りましょう。
水を使う
軽い鍋の焦げ付きであれば水を入れて沸騰させ、ゴムベラやスポンジなどでこすれば落ちます。
落ちない時はお湯が冷めるまで放置してからこすり、また沸騰を繰り返してみましょう。
頑固な汚れには、鍋に入れた水の中に重曹やクエン酸を入れて沸騰させると効果的です。また、硬い素材のものや金タワシでこすると、破損の原因になるためやめましょう。
どんな素材の鍋やフライパンでも使える簡単な手法なので、ぜひ試してみてください。
空焚きする
鉄やチタン製の鍋、フライパンに限定されますが、空焚きして焦げを焼き切る方法があります。空焚きの方法は、以下の通りです。
【手順】
熱い鍋に水をかけると、温度差で焼き切った焦げや油かすがよく取れます。シンクが焦げや油かすで黒くなるので、大きめの桶の中で洗うと汚れません。
天日干しする
焦がした鍋を天日干しすると、汚れが炭化して落としやすくなります。晴れた日に1週間ほど外に出しておくだけなので、とても簡単です。
鍋の焦げ付きが、カサブタのようにパラパラと取れるでしょう。
しかし、ほかに使う鍋がない時や天気が悪い日が続くと天日干しはできません。環境に優しく、すべての鍋で使える手法です。「もう捨てるしかない」という状態の鍋は、ぜひ試してみましょう。
素材別・鍋の特徴とおすすめの焦げを落とす方法10選
鍋はステンレスやアルミなど、種類によって使っている素材が違います。素材の違いで、使ってはいけない洗剤や効果的な焦げの落とし方があります。
そこで、10種類の鍋について特徴と最適な焦げの落とし方を確認していきましょう。
ステンレス鍋|重曹とクエン酸で洗う
ステンレス鍋は熱伝導率が低いため、熱ムラがでて焦げ付きやすくなります。焦げ付きを落とすには、重曹とクエン酸がおすすめです。
肉や野菜を煮込むことが多いステンレス鍋には、油汚れに強い重曹とアルカリ性の汚れを落とすクエン酸が効果を発揮します。鍋に水と重曹、クエン酸を入れて沸騰させる方法を使いましょう。
中火にかけて10分ほど沸騰させ、火をとめて冷めたらゴムベラやスポンジでこすります。硬い素材のヘラなどでこすると、傷が付き使用できる期間が短くなるのでやめましょう。
アルミ鍋|中性洗剤で洗う
アルミ鍋は油が馴染みにくく熱伝導率が高いことで、すぐに食材が熱くなり焦げ付きやすい鍋です。焦げ付きを落とすには、中性洗剤を使いましょう。
アルミ鍋を焦がしてしまった時の落とし方は、以下の通りです。
【手順】
アルミ鍋の素材は、重曹やクエン酸を使って洗うと鍋が黒ずむのでやめましょう。
もともと、アルミは黒ずみやすい素材で、人工的に酸化皮膜をコーティングすることで抑えています。
しかし、酸化皮膜は酸性やアルカリ性の物質に弱いです。重曹やクエン酸を使うとコーティングが剥がれ、黒ずむ原因となるので注意しましょう。
テフロン鍋|水を入れて沸騰させる
テフロン鍋を焦がした時は、水を入れて沸騰させる方法を使います。テフロン鍋の焦げを落とす手順は、以下の通りです。
【手順】
テフロン鍋はフッ素樹脂加工が正常であれば、焦げ付いても水で煮るだけで十分落とせます。しかし、水では対処できないほど焦げ付く時は、フッ素樹脂加工が剥げている可能性があるでしょう。
加工がはげる原因は、以下の通りです。
【原因】
フッ素樹脂加工がはげたテフロン鍋は、有害な物質が発生することがあるので注意してください。人体に影響を与える可能性もあるため、もったいないですが破棄しましょう。
ホーロー鍋|重曹とセスキ炭酸ソーダで洗う
ホーロー鍋が焦げた時は、水と重曹を使ってスポンジの柔らかい面で優しく洗います。
金タワシや研磨剤を使うと、表面のガラス質のコーティングが取れてさらに焦げやすくなるため、使用しないでください。
ホーロー鍋の素材には、以下の2種類があります。
・熱伝導性と蓄熱性が高い。
・煮物に向いている。
・軽くて安価。
・お湯がすぐに沸く。
鋼板ホーロー鍋は鋼が薄く熱伝導率が高いため、焦げ付きがひどくなりやすいです。
重曹を使っても落ちない時は、セスキ炭酸ソーダを入れると強いアルカリ性が酸性の焦げ付きを効果的に落とします。
土鍋|中性洗剤で洗う
土鍋には気孔といわれる小さな穴が無数にあるため、洗い方には注意が必要です。土鍋が焦げ付いた時は、熱めのお湯を入れて焦げを柔らかくしてから中性洗剤を使ってタワシで洗いましょう。
洗剤の入った水で長時間浸け置きすると、土鍋の穴がふさがってしまい焦げやすくなります。また、土鍋が洗剤を吸ってしまうので料理に混ざるかもしれません。
どうしても落ちない時は、天日干しするか、食用の重曹を少量使って洗いましょう。重曹を使って洗う時は、『目止め』が必要です。
目止めとは、米の研ぎ汁などデンプン質を含む液体を煮立たせ、土鍋にある細かな穴を塞ぐこと。目止めの手順は、以下のように行うと効率的です。
【手順】
目止めをしないと細かい気孔から水漏れするため、必ず行ってください。なお、目どめで作ったおかゆは食べられるので安心してください。
銅鍋|酢と塩で洗う
銅鍋は塩と酢で洗います。重曹やセスキ炭酸ソーダ・塩素系漂白剤を使うと変色するので、絶対にやめましょう。銅鍋が焦げ付いたら、以下の方法で落とします。
【手順】
銅鍋は傷が付きやすい素材なので、木ベラや金タワシは使用しないでください。また、保存状態が悪いと古い10円玉と同じ緑色のサビがでます。
洗った後は、よく乾燥させ湿気の少ない場所に保存しましょう。
鉄鍋|空焚きする
鉄鍋を焦がした時は、水を入れて強火でグツグツ沸騰させタワシを使ってこすると、大抵の焦げ付きは落ちます。もし落ちない時は、強火で空焚きして焦げを焼き切りましょう。
周りの油分に火が付くので、十分に注意して行ってください。また、鉄鍋が焦げてしまうのは、以下のような原因が考えられます。
【原因】
空焚きで焦げを落とした後は、鉄がむき出しでサビやすい状態です。キッチンペーパーに油を吸わせて、鉄鍋にまんべんなく塗るとサビにくくなります。
使用する前は、白い煙が出るまで予熱してください。お手入れ次第で一生使える鍋なので、ぜひ大切に保存しましょう。
耐熱ガラス鍋|専用のクリーナーで洗う
耐熱ガラス鍋が焦げた時は、ぬるま湯に浸けてスポンジで丁寧に洗って落とします。専用のクリーナーもあるので、試してみましょう。
また、タワシなどを使って洗うと、ひび割れの原因になり破損することがあるため使わないでください。耐熱ガラス鍋が破損する原因は、以下の通りです。
【原因】
耐熱ガラス鍋は調理だけでなく保存容器としても使えます。作りたての、まだ熱い料理をすぐに冷蔵したり、冷蔵庫から出して直接火にかけたりすると破損するので、使用上の注意をよく見て使いましょう。
チタン鍋|空焚きする
チタン鍋は熱伝導率の低さから鍋に温度差が出てしまい、焦げ付くことがあります。もし焦がした時は、水や重曹を使ってタワシでゴシゴシ洗いましょう。
空焚きも可能で、焦げ付きがひどい時は焼き切ることをおすすめします。鉄のようにサビつかないため、保存が簡単です。
価格が高めの鍋ですが、非常に長持ちします。長期的なコスパを比較して購入してみてください。
ホットプレート|氷や重曹で洗う
ホットプレートは使っているうちに、油汚れや表面のフッ素樹脂加工が剥げて焦げ付くことがあります。ホットプレートの焦げ付きを落とす方法は、以下の3パターンです。
熱い状態のホットプレートに氷を入れて焦げを落とす方法は、簡単で効果的です。
フッ素樹脂加工が剥げないように、タワシや木ベラでこすらないようにしてください。また、お手入れする時は電源を抜いて火傷に注意して行いましょう。
普段からできる鍋を焦がさない方法
鍋を焦がすのは、使い方に原因があります。原因を改善して焦がさなければ、鍋を洗うのに苦労しなくて済むでしょう。
焦がしてしまう原因を参考に、鍋をキレイに長く使ってください。
強火で調理しない
強火での調理は、鍋が焦げる原因です。料理を早く仕上げたいからと強火にすると、鍋の外側まで焦げてしまいます。
また、IHコンロはガスコンロより温度が高くなり、焦げやすいです。鍋の大きさや、火力の強さに注意して料理しましょう。
フライパンで炒める
もともと鍋は、素材を炒めることには不向きです。鍋で肉などを炒めると焦げ付く原因になります。
さらに煮込んでいくと、焦げ付きがひどくなり落ちにくくなるでしょう。フライパンを使って素材を炒めてから鍋に戻すことで、焦げ付きを抑えられます。
定期的にかき混ぜる
鍋で調理する際は、定期的にかき混ぜるようにしましょう。鍋で調理中、かき混ぜずに放置しすぎると、食材が底にこびりついたり、焦げ付いたりする原因になり得ます。
定期的に底のほうからかき混ぜることも、焦げ付きを防ぐポイントです。
目止めをする
土鍋であれば、米の研ぎ汁などを弱火で煮立たせ、事前に目止めをすることで焦げを防ぐことができます。
土鍋に開いた無数の穴をデンプン質で塞ぐことで焦げ付きを防ぐほか、におい移りやひび割れが発生しにくくなる効果も期待できるでしょう。
前述の通り、土鍋でおかゆを作るのはもちろん、米の研ぎ汁や小麦粉を溶いた水でも目止めをすることができます。
鍋の焦げ付きには重曹がおすすめ!正しい方法で鍋を長持ちさせよう
鍋の焦げ付きを落とすには、重曹やクエン酸・天日干しがおすすめです。ただし、銅鍋に重曹を使用するのはやめましょう。
重曹のアルカリ性が反応して変色させるため、銅鍋の焦げを落とす時は酢やクエン酸と塩で優しく洗ってください。
紹介した方法を参考に正しい焦げの落とし方を知って、鍋をヒビ割れや黒ずみから守りましょう。
[文・構成/grape編集部]