駅で見つけた自販機 出てきたのは…「迷わず買った」
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京急電鉄「多額の現金をお持ちのお客様へ」 貼り紙の意味深いメッセージに「天才だ…」京浜急行電鉄の北品川駅構内で『オレオレ詐欺』への注意を呼び掛ける貼り紙が、SNS上で「秀逸」「天才」などと注目を集めました。広報担当者への取材で判明した、貼り紙に込められた優しい思いが…?

廃棄される予定の5万個を救った? パンを焼かない『夜のパン屋さん』の活動とは優しく、甘い香りをただよわせる、ベーカリー。ベーカリーには、焼き立てのおいしいパンをすぐに客に食べてもらえるという魅力があります。一方で、売れ残ってしまったら、廃棄せざるを得ないという問題も抱えているとか。そんな問題を解決するために、立ち上がったのが、『夜のパン屋さん』でした。
興味が湧いた筆者は、同自動販売機を設置する取り組みを行っている『ヨコハマSDGsデザインセンター事務局』に取材し、話を聞きました。
同事務局は横浜市内外の事業者や市民と連携し、2030年までに達成すべき17の目標が掲げられているSDGsの達成や、食品ロス削減に向けた取り組みを推進しています。
筆者が利用した自動販売機は『食品ロス削減SDGsロッカー』というもの。
2025年5月現在、神奈川県横浜市内に7か所設置されているそうです。
――どういった経緯で、今回の取り組みが始まったのでしょうか?
ロッカー会社から「食品ロス削減に関して、何か一緒にできないか」とお話をいただいたことから、『フードロスロッカー』の設置を考えました。
ベーカリー店というのは、パンを店内に並べておかないと売れないので、営業終了のタイミングで捨てるパンが出てきます。
「それを、ロッカーで売ればいいのではないか」という話から『食品ロス削減SDGsロッカー』が始まりました。
このような経緯で、2024年1月から設置が始まった『食品ロス削減SDGsロッカー』。
同市にある市営地下鉄関内駅内に設置されているロッカーのパンは、毎回売り切れるといいます!
駅内にあるので、仕事から帰宅する人などに好評をいただいています。
ロッカーからベーカリー店を知る人も多くいるので、営業時間内の店舗の来客数が増えたという話も聞いております。
市営地下鉄関内駅内の『食品ロス削減SDGsロッカー』
「仕事帰りの時間だと、なかなかベーカリー店に立ち寄れない…」という人も、夜遅くに手作りパンを買うことができますね。
筆者が購入した時にも、スーツを着た男性や年配の女性など、幅広い利用客がいました。
また、自動販売機はベーカリー店にとっても、店舗の宣伝になっているとのこと。
ほかにも、ロッカーの設置によって、さまざまなメリットがあるようです。
子供を育てている人だと、ベビーカーで狭いベーカリー店に立ち寄るのが難しい場合があります。そのような人からも、「ベーカリー店のパンを手軽に購入できるのでありがたい」といった声が上がっております。
廃棄のパンが減るだけでなく、街づくりの観点から見ても、利点が多い『食品ロス削減SDGsロッカー』。
最後に、同自動販売機の今後について、聞きました。
ロッカーのパンが毎回売り切れていることで、フードロスをなくすことに貢献できていると考えています。今後も設置場所を増やしていく予定です。
また、この取り組みが注目を集めることで、フードロスそのものへの関心が広がっていけばいいなと思います。
ベーカリー店のように、日常的にフードロスが生まれている店があります。
私たち一人ひとりが「売れ残ったパンはどうするのだろう」などと、少しでもフードロスを意識して暮らしていくことが、SDGs達成への第一歩になるでしょう。
[文・構成/grape編集部]