【素材別】ラッカースプレーの落とし方!安全に対処するにはどうしたらいい?
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ラッカースプレーは発色がよく、DIYや補修作業などで便利に使える反面、衣服や家具、車の金属部分などに誤って付着してしまうと、なかなか落としにくい厄介な存在でもあります。
乾いてしまうと強力に定着するため、どうやって落とせばよいのかと悩む人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、衣服、皮膚、金属など、素材別のラッカースプレーの落とし方をまとめました。
安全に落とすための注意点、再発防止の工夫も解説します。ぜひ参考にしてください。
ラッカースプレーを落とす前に知っておきたいこと
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ラッカースプレーを効果的に落とすためには、その性質を理解することが大切です。
適切な落とし方を選ぶため、基本的な違いを知っておきましょう。
スプレー塗料の種類
スプレー塗料は、溶剤の種類や樹脂の特性によって『水性、油性、ラッカー、ウレタン』の4種類に分類されることが一般的です。
また、本塗り前に素材の密着性を高めたり、サビ防止用に使われたりするプライマーなどの『下地塗料』を含めて5種類とすることもあります。
『ラッカースプレー』と呼ばれる塗料とその特徴
ラッカースプレーは『ラッカー系塗料』を使ったスプレー塗料のみを指すのが本来の意味といえますが、実際には、速乾性があるスプレー塗料全般を『ラッカースプレー』と呼ぶことがあるようです。
そのため、ラッカースプレーといわれるものの中には、水性ラッカーやアクリルラッカー、水性・油性塗料のスプレー塗料が含まれることもあるでしょう。
本記事では、本来の意味である『ラッカー系塗料』を使用したスプレー塗料を『ラッカースプレー』として取り扱います。
ラッカースプレーは、硬質な塗膜、高い光沢が特長のスプレー塗料です。溶剤が揮発することで塗膜が硬化し、耐久性の高い塗面を形成します。乾燥時間が10〜20分程度と短く、速乾性を重視する場合に適している塗料です。
一方で、乾燥後は水で落とせないことが多く、塗料を溶かすための専用の溶剤が必要になる可能性があるでしょう。
作業前の準備と注意点
ラッカースプレーを落とす作業は、安全に行うことが何よりも大切です。
以下で紹介する点に注意し、必要なものを準備してから作業を始めましょう。
換気を徹底する
ラッカースプレーを落とす際に揮発性の高いシンナーなどの有機溶剤を使用することがあります。
有機溶剤の蒸気を吸い込むと、気分が悪くなることがあるため、必ず窓を開けたり換気扇を回したりするなど、風通しのよい場所で作業してください。
火気に注意する
有機溶剤は引火性が非常に高い物質です。作業中は火の気のあるものを必ず消してください。
保護具を着用する
溶剤が皮膚に付着したり、目に入ったりするのを防ぐため、ゴム手袋や保護メガネを着用しましょう。臭いが気になる場合はマスクの着用もおすすめします。
目立たない場所で試す
使用する洗浄剤や溶剤が、対象の素材を傷めたり変色させたりしないか、必ず目立たない場所で少しずつ試してから本格的な作業に移りましょう。
早めに対処する
ラッカースプレーは時間が経つほど乾燥、硬化し、落としにくくなります。付着に気づいたら、できるだけ早く対処してください。
焦らず、素材に合わせて少しずつ試すことが、ラッカースプレーを落とす際には大切といえるでしょう。
【場所、素材別】ラッカースプレーの落とし方
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ここからは場所や素材別に、ラッカースプレーが付着してしまった場合の落とし方を解説します。
手や皮膚についてしまった場合
作業中にうっかり手や皮膚にラッカースプレーがついてしまった場合、無理に落とそうとしないことが大切です。
刺激が強すぎると肌トラブルにつながる恐れがあるため、強くこすらず肌への負担が少ない方法から試しましょう。
乾く前なら石けんとぬるま湯で丁寧に洗うことで、落とせることがあります。乾いてしまった場合は、石けんをつけて優しくこすると落ちやすくなるでしょう。
それだけでは落ちない場合は、ベビーオイルやクレンジングオイル、食用油などを使って塗料を浮かせ、取れやすくします。塗料が浮き上がってきたら布やティッシュで拭き取り、石けんでよく洗い流してください。
落ちにくい場合は、アルコールや除光液、ペイント薄め液などを含ませたコットンで軽く拭き取る方法もありますが、これらは肌への刺激が強いため、特に敏感肌の人は使用する際に注意が必要です。
衣服や布製品についてしまった場合
服などの布に付着した時は、以下の手順で対処しましょう。
1.シミがついた部分の裏側に不要な布を当て、歯ブラシなどにラッカー薄め液や除光液、ベンジンを染み込ませる。
2.シミの表側から軽くトントンと叩き、汚れを下の布に溶かし出すように移していく。この時、こすると汚れが広がるため注意する。
3.下の布に汚れが移ったら、当てる場所をずらしながら繰り返す。
4.シミが目立たなくなったら部分洗いをして全体を洗う。
溶剤によって生地が傷んだり、色落ちしたりする可能性があります。
事前に使える素材かどうかを必ず確認し、使える場合も目立たない部分で試してから行ってください。
デリケートな素材や、落ちにくい場合はクリーニング店へ相談しましょう。
床・壁・コンクリートについてしまった場合
住まいの内外に付着してしまった場合は、素材によって使える薬剤が異なるため、注意が必要です。
床や壁
床や壁などについてしまった場合は、住宅用または食器用洗剤をスプレーし、布で拭き取ります。 凹凸のある素材の場合は、ブラシで掻き出すようにこすりましょう。
落ちにくい時は、シールはがしのスプレーを使うか、除光液を布に含ませて拭き取ります。
ただし、フローリングのワックスがはがれたり、壁紙が変色したりする可能性があるため、目立たない部分で試してからにしてください。
コンクリート
乾く前であれば、塗料剥離剤やラッカー薄め液を塗布し、塗料が浮き上がってきたところをワイヤーブラシなどでこすって落としましょう。
サンドペーパーなどで表面ごと削り取る方法もありますが、削った部分は質感が変わってしまう点に注意してください。
車や金属類についてしまった場合
車についたラッカースプレーを落とす際は、塗装を傷つけないよう気をつけましょう。
車専用のリムーバーや除光液を柔らかい布につけ、優しく磨くことで塗料を削り落とす方法があります。シリコンオフなどの脱脂材やラッカーシンナーなども、ラッカースプレーを落とすのに役立つでしょう。
広範囲に付着した場合や、自分で作業するのが不安な場合は、専門業者に相談するのが確実といえます。
そのほか、金属類は比較的溶剤に強いため、ラッカー薄め液や塗料剥離剤を使用してもよいでしょう。ただし、金属の表面を傷つけないよう、柔らかい布でやさしく拭き取ってください。
ラッカースプレーがついてしまうのを防ぐには
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ラッカースプレーを使用する際は、塗装したい部分以外をマスキングテープやマスカーとよばれる養生テープ、新聞紙などで覆うことで、塗料が飛び散るのを防げるでしょう。
また、小物など狭い範囲にスプレーする場合は、スプレーブースを使ったり、ダンボールなどで囲いを作ったりすると簡易的な塗装ブースとなり、周囲への飛散を抑えるのに役立ちます。
作業時は屋外や風通しのよい場所を選び、できれば風がない日を選んで作業してください。
汚れてもよい衣服やエプロンなどを着用し、ゴム手袋で皮膚を守りましょう。さらに、塗料の飛沫や溶剤の臭いから目や呼吸器を守るために、保護メガネやマスクを着用すると安心です。
ラッカースプレーの最適な落とし方を知るには、特性を理解しておく
ラッカースプレーの最適な落とし方を知るには、ラッカースプレーと付着した素材の特性を理解しておくことが欠かせません。
速乾性のラッカースプレーは、落とす際にラッカー薄め液などの有機溶剤が必要になることが多く、素材を傷めてしまうケースがあるため注意が必要です。
皮膚についた場合は、クレンジングオイルなど肌に優しいものから試しましょう。デリケートな素材や大切なものに付着した場合は無理に落とそうとせず、専門家に相談することも検討してください。
ラッカースプレーを使う作業をする際は養生を徹底し、飛散を防ぐよう心がけましょう。
[文・構成/grape編集部]