7万人が使ってもらえなかった『AED』 その理由と使い方
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不意に訪れる心臓突然死から、命を守る医療機器『AED』。
消防庁によると、2014年に全国で突然の心肺停止により亡くなった人の数は約7万5千人。そのうち約2万6千人が人前で倒れたにもかかわらず、AEDが使われたのはたったの1000件ほどでした。
その理由の多くは、「AEDの使い方を知らない」「AEDを使うという考えがそもそもなかった」というものがほとんど。
改めて、その使い方や注意点をご紹介します。
改めて確認したいAEDの使い方
心臓が痙攣する『心室細動』という状態になると、身体全体に血液をうまく送れなくなるために、人は昏倒し、呼吸も心臓も停まっている状態になります。
そんな人を見つけたら、まず肩を軽く叩きながら声をかけ、反応がないようであれば直ちに心臓マッサージを開始しましょう。
1分間に100回という早いテンポで、胸の中心の骨である『胸骨』を圧迫していきます。
以前、多くの人に認知されていた呼吸の確保と人工呼吸は、2011年にガイドラインが改訂され、省略が可能となりました。
この心臓マッサージを常に絶やさない状態にした上で、AEDの出番です。
AEDのバッグを開くと、本体である装置と身体に貼りつける電極パッドが入っています。
AEDは電源が自然に入るものと、スイッチを押して電源を入れる2種類があります。
電極パッドのコネクタをAEDに差し込み、倒れている人の衣服をはだけさせた上でパッドを所定の位置に貼ります。
パッドを貼る位置は右胸と左脇腹です。パッドに貼る位置が描かれているので、その通りにしましょう。小学2年生以下の子どもに使用する場合は貼る場所が異なりますので、小児用パッドに描かれている通りに貼ってください。
パッドを貼るとAEDが電気ショックが必要か否か自動で判断し、もし必要な場合は「ショックが必要です」と音声で案内してくれます。
その後、倒れている人に誰も触れていないことを確認した上で、本体のショックボタンを押します。
電気ショックが行われた後は、直ちに心臓マッサージを再開。
その後は心臓マッサージを約2分間行い、再びAEDで電気ショック。この工程を繰り返し、救急隊の到着を待ちましょう。
「使うべき」と頭ではわかっていても、具体的な使い方やがわからないと、とっさには動けないもの。
改めて使い方を確認しておいたり、事前に消防機関や病院などが行っている救命訓練を受けておくことが大切です。
[文/grape編集部]