トイレのドアにつけるだけで空き状況が確認できる!? IoTはこんな所にも
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- 出典
- 株式会社シブタニ
何の配線もしなくても、ただドアに取り付けるだけで商業施設や観光地のトイレを賢くさせることができるIoT機器(Internet Of Things=モノのインターネット)が登場しました。
どんなふうに賢くなるかというと、Wi-Fi環境でこの機器をトイレのドアに取り付けるだけで、そこのドアが開いているか閉まっているかの情報がインターネットに自動発信されます。これをスマートフォンの専用アプリが集計してくれて、誰でもすぐにどこのトイレが混んでいるか開いているかを調べることができるようになります。
さらにすごいのは、開け閉めの動作だけで発電できるように設計されており、データ送信する際の電池なども必要としないため、どんな場所にもドライバー1本で簡単に設置でき、取り付けたあとの電池の取り替えの心配もせずに、個室トイレの施錠・解錠情報を電池レス・配線レスで無線送信し続けることができるというわけです。
これは総合金物メーカーの株式会社シブタニが、ローム株式会社が提供する電池不要・配線不要の無線通信デバイス『EnOcean(エンオーシャン)』を活用して開発した、トイレの施錠・解錠情報を発信するスライドラッチ(トイレの施錠金物の専用受け)『SWITCHSTRIKE AIR(スイッチストライクエアー)』というもので、現在、ウイングアーク1st株式会社と京都市の協力のもと、世界遺産の『元離宮二条城(もとりきゅうにじょうじょう)』での試験運用を開始中だそうです。3月末には希望小売価格1万5000円(税別)で一般販売も始まるとのことです。
これまでトイレの扉に磁気センサを設置する場合などは、使われていない時にドアが閉まった仕様(常閉仕様)の個室トイレには対応できなかったといいます。また、人感センサや温度センサを利用したものでも、正確な利用状態を得ることが難しかったそうです。これを『SWITCHSTRIKE AIR(スイッチストライクエアー)』では、スライドラッチのメカ部分に発信機能を取り付けたことで、施錠・解錠時にいつでも情報を飛ばすことができるため、どんな個室トイレにも対応可能にできたということです。
こうしたトイレの空き情報をデータ化し、1日の利用者数や利用頻度などが分かることで、トイレットペーパーなどの備品の補充に無駄をなくせたり、いつごろが利用者に迷惑をかけないで清掃できる時間なのかが分かったりします。また長時間鍵がかかったままの場所などを発見することもできるので安否確認にも使えるということです。
開発に至った背景について、株式会社シブタニのリリースでは、
ということです。
これまで大掛かりな機械を設置しなければこうしたデータを収集することができなかったことが、こうしたIoTなどの最新技術で、どこの観光地のトイレでも空き状況などが見られるようにすることができるのはとてもよいことですね。
[文・構成 土屋夏彦]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。