親「平均点より高いのに、なんで順位が真ん中より下なのよ」 とんでも理論に教師…絶句! By - grape編集部 公開:2018-08-28 更新:2018-08-28 先生数学 Share Post LINE はてな コメント ※写真はイメージ ウチの子は平均点より高いのに、クラス内順位が真ん中より低いなんておかしい! 平均点は真ん中の点でしょ! 以前、塾講師をしていた際に、保護者からこんなクレームを受けたというちび(@CHiBi_officiaI)さん。 一瞬、正しいことをいっているように聞こえますが、よく考えると矛盾だらけの主張です。 あなたは、この主張の「何がおかしいのか」が分かりますか。 意外と知らない『平均値』と『中央値』 この保護者が矛盾した主張をしてしまう理由は、『平均値』と『中央値』の違いを理解していないためです。 分かりやすくするためにクラスの人数は11人で、10点満点のテストを受けたとしましょう。 子どもは、それぞれA~Kとし、テストの結果は次のようなものでした。 子どもたちのテスト結果 A…10点 B…9点 C…9点 D…9点 E…9点 F…8点 G…7点 H…2点 I…1点 J…1点 K…1点 かなり極端な例ですが、このクラスの平均点、いわゆる平均値は6点です。 平均値: 観測値の総和を、観測値の個数で割ったもの。 計算式: 10+9+9+9+9+8+7+2+1+1+1=66 66÷11=6 ところが、中央値は異なります。このクラスの中央値はFさんの8点。 中央値: 数値を小さいほうから順に並べた時に中央に位置する値。 つまり、平均値と中央値には違いが生じるのです。 クレームをつけてきた親の子どもがGさんなら? では、冒頭の保護者からのクレームに戻りましょう。保護者のクレームを要約すると、こういうこと。 平均点より高いのに、順位が真ん中より下なのはおかしい。 もし、この保護者の子どもがGさんだったとしたら、7点は平均点よりも高い点数ですが、クラス内の順位は7位と真ん中よりも下になります。 もちろん、条件が重なれば、平均値と中央値が同じになることも…とはいえ、「必ずしも一致するわけではない」ということを知っておくのは大切なことです。 ※写真はイメージ 保護者の主張に驚きつつも、丁寧に説明をしたというちびさん。その説明に20分もかかってしまったといいます。 そして、この出来事から学んだことを次のようにツイート。 『ウチの子は平均点より高いのにクラス内順位が真ん中より低いなんておかしい!平均点は真ん中の点!』っていうアインシュタインもビックリな新理論を唱え続ける保護者の説得に20分以上かかってしまったから、大人に算数教えるの、小学生に教えるより難しいよラーメン食べてきた。 pic.twitter.com/V5elLuIZyA— ちび (@CHiBi_officiaI) August 24, 2018 大人に算数を教えるのは、小学生に教えるよりも難しい。 なかなか深い教訓ですね…。 気に入らないことがあると、すぐに「なんでだっ!」とクレームをつける昨今の風潮。 もちろん、理由を尋ねることは悪いことではありませんが、ふと立ち止まって「本当に正しい主張なのか」を自問することも必要でしょう。 アインシュタインも驚くような新理論を唱えてしまい、恥ずかしい思いをしないように…。 [文・構成/grape編集部] 出典 @CHiBi_officiaI Share Post LINE はてな コメント
ウチの子は平均点より高いのに、クラス内順位が真ん中より低いなんておかしい!
平均点は真ん中の点でしょ!
以前、塾講師をしていた際に、保護者からこんなクレームを受けたというちび(@CHiBi_officiaI)さん。
一瞬、正しいことをいっているように聞こえますが、よく考えると矛盾だらけの主張です。
あなたは、この主張の「何がおかしいのか」が分かりますか。
意外と知らない『平均値』と『中央値』
この保護者が矛盾した主張をしてしまう理由は、『平均値』と『中央値』の違いを理解していないためです。
分かりやすくするためにクラスの人数は11人で、10点満点のテストを受けたとしましょう。
子どもは、それぞれA~Kとし、テストの結果は次のようなものでした。
子どもたちのテスト結果
A…10点
B…9点
C…9点
D…9点
E…9点
F…8点
G…7点
H…2点
I…1点
J…1点
K…1点
かなり極端な例ですが、このクラスの平均点、いわゆる平均値は6点です。
平均値:
観測値の総和を、観測値の個数で割ったもの。
計算式:
10+9+9+9+9+8+7+2+1+1+1=66
66÷11=6
ところが、中央値は異なります。このクラスの中央値はFさんの8点。
中央値:
数値を小さいほうから順に並べた時に中央に位置する値。
つまり、平均値と中央値には違いが生じるのです。
クレームをつけてきた親の子どもがGさんなら?
では、冒頭の保護者からのクレームに戻りましょう。保護者のクレームを要約すると、こういうこと。
平均点より高いのに、順位が真ん中より下なのはおかしい。
もし、この保護者の子どもがGさんだったとしたら、7点は平均点よりも高い点数ですが、クラス内の順位は7位と真ん中よりも下になります。
もちろん、条件が重なれば、平均値と中央値が同じになることも…とはいえ、「必ずしも一致するわけではない」ということを知っておくのは大切なことです。
※写真はイメージ
保護者の主張に驚きつつも、丁寧に説明をしたというちびさん。その説明に20分もかかってしまったといいます。
そして、この出来事から学んだことを次のようにツイート。
大人に算数を教えるのは、小学生に教えるよりも難しい。
なかなか深い教訓ですね…。
気に入らないことがあると、すぐに「なんでだっ!」とクレームをつける昨今の風潮。
もちろん、理由を尋ねることは悪いことではありませんが、ふと立ち止まって「本当に正しい主張なのか」を自問することも必要でしょう。
アインシュタインも驚くような新理論を唱えてしまい、恥ずかしい思いをしないように…。
[文・構成/grape編集部]