話し方のコツは『間』 それはビジネスでもプライベートでも
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こんにちは、フリーアナウンサーの押阪忍です。
ご縁を頂きまして、『美しいことば』『残しておきたい日本語』をテーマに、連載をしております。宜しければ、シニアアナウンサーの『独り言』にお付き合いください。
話し方のコツは『間』です
アナウンサー押阪忍の『美しいことば』
会話の上手 下手は、その話しの中で、いかに『間』をとるかによって決る、とも言われています。『間』のとり方は易しいようで結構難しいものですが、ひとつ判り易い例をあげてみますね。
好きな人に自分の気持ちを打ち明ける場合、「わたしは◯◯さんのことが好きです」と 立て板に水で伝えるより「わたしは…○○さんのことが…好きです…。」と その告白?の中に『間』をつくって伝えた方が、より気持ちが伝わり、より効果的ではないかと思います。
勿論 抑揚や語感なども関係はありますが…。
挨拶や発表などに於いても然りです。例えば3分メッセージ。人前での表現ですから 当然誰でも緊張しますが、自分の構成した文章を、何回も何回も 繰り返し繰り返し練習するのです。
話し方のプロでも同じです。決めた文章を、喋りだしから締めの言葉まで、10数回練習すれば、発音発声も ”こなれて”きますし「大丈夫!」という自信がついてきます。
そこで初めて、どこで『間』を取れば、より効果的かということが判ります。絵画や広告文などでいう『ゴールデン・スペース』”余白”が生まれるのです。『喋る』というより、むしろ『黙る』という 話し方の究極の『コツ』が判り初めてきます。そうなって来ると、人前で話すことが楽しくなります。
”稽古は嘘つかない!”演劇人のイロハのイです。稽古もしないで下手に『間』をとると ただの沈黙でしかない『間抜け』になりますから気をつけましょうね。
ところで次回は、美空ひばりさんの歌が、なぜ人の心を魅了するのか…日本を代表する作詞家と作曲家から聴いた『名言』をご紹介します。乞うご期待!
<2018年11月>
フリーアナウンサー 押阪 忍
1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。東京オリンピックでは、金メダルの女子バレーボール、東洋の魔女の実況を担当。1965年には民放TV初のフリーアナウンサーとなる。以降TVやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典、東京都庁落成式典等の総合司会も行う。2018年現在、アナウンサー生活60年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。