馥郁(ふくいく)とした梅が香匂う… アナウンサー押阪忍の『美しいことば』
公開: 更新:


「絶対に触らないで」 ピンクの粒の正体に「知らなかった…」「広まるべき」少しずつ気温が上がり始める春は、過ごしやすい時期。陽気も心地よく、外出をしたくなりますよね。 『芽吹きの時期』といわれるだけあって、多くの草花が美しい姿を見せるほか、さまざまな生き物が姿を現します。 だからこそ、外で珍し...

見つけても触らないで! 身近な植物の危険性に「知らなかった」「そうだったのか」天気のよい日は、ピクニックやキャンプに出かける方も多いでしょう。アウトドアを楽しむためには、安全対策の知識を身に付けることも大切です。本記事では、身近な植物に潜む危険性について詳しく解説します。
こんにちは、フリーアナウンサーの元祖!?などと言われている押阪忍です。
ご縁を頂きまして、この欄で、お喋りをさせていただくことになりました。お目に留まれば、シニアアナウンサー(花ウンサー)の『独り言』にお付き合いいただければ幸いです。
二月、一年で一番寒い時季ですね。咲く花が少なく、冬枯れ、花枯れと言ったりしますが、街中でよく見ると、山茶花や早咲きの梅、寒椿などが見受けられます。神社や仏閣では、冬桜の大木を見かけることもあります。
冬の木は裸木で葉のないものが多く、黄色の蝋梅や赤色の寒木瓜のように、楚々と咲いているものが多いように思えます。
さて、この厳寒時、冷たい北風の中で凛と咲く梅は、百花に先がけて咲くので、やはり春を告げる花の筆頭と言っても過言ではないでしょうね。
梅は清楚で気品高く、その花のよい香りが人の心を魅きつけます。闇夜でもその香りは、まぎれもなく、その存在をしっかりと位置づけています。
立春は過ぎてもまだ寒さは続くので、この二月は「観梅」ではなく「探梅」の時季かもしれませんね。梅の名所の福岡の大宰府や、茨城の水戸、静岡の熱海から“梅便り”が聴かれる待ち遠しい如月の後半ですね。
日本人は、花といえば、華やかに咲き、潔く散る桜をその代表としますが、古来、詩歌に詠まれた花は、冬の寒さの中“花待ち心”を刺激する梅の方が多いと聞いています。
では、梅をうたったお馴染の短歌と俳句を添えて、寒中凛と咲く“梅が香”を味わってみたいと思います。
東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花
主なしとて 春な忘れそ
菅原道真
梅が香に のっと日の出る 山路かな
松尾芭蕉
むめ一輪 一りんほどの あたたかさ
服部嵐雪
<2017年2月>
フリーアナウンサー 押阪 忍
1958年に現テレビ朝日へ第一期生として入社。1965年には民放テレビ初のフリーアナウンサーとなる。以降テレビやラジオで活躍し、皇太子殿下のご成婚祝賀式典なども行う。2016年現在、アナウンサー生活58年。
日本に数多くある美しい言葉。それを若者に伝え、しっかりとした『ことば』を使える若者を育てていきたいと思っています。