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客の『凄み』に負けて、自信を失った店員 すると店長が見事なフォロー!

By - grape編集部  公開:  更新:

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※写真はイメージ

イギリス人の夫と結婚した、大阪出身の日本人wiltomoさん。イギリスに移り住み、アパレル店の店員として働いています。

勤務して4年目のこと。客からの電話を受けたwiltomoさんは、とても悔しい思いをしてしまいます。

そんな時に、店長がいってくれた言葉をブログにつづりました。

対象外のサービスを使おうとした客

投稿者さんが勤めているアパレル会社の支店は、『自閉症の子を抱える親』に向けた珍しいサービスを導入していました。予約制で、開店前の1時間を『自閉症の子を抱える親』のみに限定して解放したのです。

サービスを開始したきっかけは、店長の友人親子。子どもが自閉症のため、ほかの客に混ざって買い物をすることが困難な状況にありました。

それを知った店長が「少しでもストレスなく、自閉症のお子さんとご家族に買い物をしていただけたら」という思いから始めたそうです。1日4組限定で、長期休み中は予約が一杯でした。

ある日、1人の女性客からこんな電話が店にかかってきたそうです。

「開店1時間前に店を開けてくれるって?うちの子は自閉症ではないけど、子どもに目を配りながら買い物するのがストレスだから、予約をお願いしたい」

子どもの心配をせずに買い物をしたい気持ちは、投稿者さんにもよく分かりました。

しかし、サービスの趣旨が違うため、投稿者さんは次のように断ったのです。

「お気持ちは分かりますが、このサービスを必要とするお子さんと保護者のため、わずかな席を残しておきたいのが本音です。どうかご理解いただき、客数の少ない開店直後にお越しいただくことはできませんか?」

投稿者さんの言葉を聴いて、女性客は5秒ほど沈黙したのですが…。

「そんなこと、分かり切った上で問い合わせしてるんだけど」

※写真はイメージ

凄みを効かせた声で、いい返してきたのです!

「私の英語力、伝達能力の欠如により、ちゃんと理解してもらえなかった。逆に怒らせてしまった」と投稿者さんは自分を責めました。この時、極度のストレスから自分の目がケイレンしているのを感じたそうです。

その間にも「それはあなたの会社が健常者を客として見ていない。『客に優先順位を付けているということ』を自らいっているようなものよ」と、女性客は早口の英語で投稿者さんにまくしたてていました。

完全に気持ちが折れてしまった投稿者さん。すると、投稿者さんの様子を見ていた店長が電話を代わり、女性客に次のようにいったのです。

店長は「先ほどもうちのスタッフから説明したように、これはこのサービスを必要とする、必要とせざるを得ないお子さんとその保護者の為のわずかな時間なんです。たった1時間で半年分、いや1年分の物品を買う方々もいるんです。照明が苦手なお子さん、BGMが苦手なお子さん、知らない雰囲気そのものが駄目なお子さん、そういったお子さんを持つ親御さんに少しでも買い物しやすい環境をと、私達は少なからずのお手伝いをしているんです。今の時期は夏休みでどこも混み合っています。だからこそ、そういうお子さんが買い物に出かけるのは非常に難しい時期でもある。だからこそ、そのわずかな時間を必要とされるお子さんと保護者に利用して頂きたい。それでもあなたが予約したいと言うのなら、取りましょう。但し、歓迎する対応は取れないかもしれない。それでも来られますか?」と言い切った。

イギリス毒舌日記 ーより引用

凄みのある声で押し通そうとする女性客に対して、店長は「凄みのある言葉」で返しました。

電話をしてきた女性客にも、サービスを利用したい理由があるのは間違いないでしょう。しかし、「自閉症の子どもを抱える親たちのほうが切迫した状態である」と店長は判断したのです。

店側も多くの客の需要に応えたい想いはあるのですが、サービスに割ける時間や人手には限界がありました。

『自閉症の子を抱える親』と『特別な事情のない子を抱えた親』のどちらかにサービスをする余裕しか店にないならば、「サービス対象をより手助けを必要としているほう」に絞るのは仕方のないことだといえます。

筋の通った説明をした店長。しかし、女性客は自分の要望が通らなかったことに腹を立てたのか、「じゃあ結構です」と荒く電話を切ったそうです。

客の対応で傷付いた店員に、店長が温かなフォロー

店長はすぐに本社に電話をして、「いまから私の名前でクレームが入るかもしれんから、よろしく」と連絡。自分の対応した客が本社に迷惑をかけてしまうかもしれないので、事前に連絡を入れたのでした。

そんな店長に、投稿者さんはつい弱音を吐いてしまいます。

「やっぱり私は英語能力が大きく欠如してます。日本語なら絶対に勝てた。難しい患者たちを相手に無敗だった病院勤務時代の自分と比べたら、やはり言葉の壁が大きすぎます」

日本の病院で勤務していた経験がある投稿者さん。当時は、とんでもない患者相手にも負けなかったのですが、今回の一件で自信が消えてしまったのです。

すると、弱音を聞いた店長は、投稿者さんの言葉を意外な形で否定しました。

「違う違う、言葉の壁ではない。私が重ねた年齢の凄味。ただそれだけ。あんたも50代後半なったら、こうなるから楽しみにしときなさい!」

「言葉の違いではなく、年齢を重ねることで蓄積された凄みが女性客を圧倒したのだ」と店長からフォローされ、投稿者さんは感動。「いまだに壁は大きく立ちはだかる」といいながらも、投稿者さんは店長のような立派な対応ができるよう日々精進しているそうです。

多くの人が店長の的を射たフォローに感動し、さまざまなコメントを寄せました。

・店長の凛とした対応は勉強になるなあ。素晴らしい!

・店長の言葉は当たってると思う。「おばさんのたくましさ」が対応力になる。

・それにしても、この『自閉症の子がいる親へのサービス』は素敵だな。

・さまざまな事情の人がいるから、サービス対象外でも相談するのはありだとおもう。でも、間違っても食い下がってはいけない。

多種多様な経験を通して、人としての『厚み』を増していきたくなりますね。


[文・構成/grape編集部]

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出典
イギリス毒舌日記

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