市役所のお詫びに賛否の声　「賞味期限切れのため飲用にはせず…」

By - grape編集部　公開：2019-09-14 　更新：2019-09-14

被災地

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さまざまな加工食品に記載されている『賞味期限』や『消費期限』の表示。食べ物を購入する時に、ほとんどの人がこういった日付を気にするでしょう。

消費期限は「安全に食べられる期限」のため、すぎたら食べない人がほとんどです。しかし、賞味期限になると「おいしく食べることのできる期限」のため、すぎても気にせず食べる人もいます。

賞味期限で表示されているペットボトルの水は、どのくらいの期間をすぎても飲むことが可能なのでしょうか。

富津市のお詫びに賛否

２０１９年９月８日の夜から９日の朝にかけて、関東地方を襲った強い台風１５号。

千葉県では停電や断水などの被害が発生し、復旧作業などが行われています。

そんな中、千葉県富津市の富津市役所が、非常用に配布した飲料水のうち、約１千８００本のペットボトルの賞味期限が切れていたと発表。

期限がすぎているため、飲用ではなく、ほかの用途で水を使うように呼びかけました。

本日（11日）、市民会館、峰上公民館、竹岡コミュニティセンター、金谷コミュニティセンターで、非常用として配布した飲料水（500mlペットボトル）のうち、約1,800本の期限が過ぎていることが判明いたしました。

このような事態を招いてしまい申し訳ありません。

期限が過ぎているため、飲用には使用せず、その他の用途でお使いください。

富津市　ーより引用

富津市が発表した水は、賞味期限が２０１８年４月までのもの。賞味期限が切れていると、飲用にはできないのでしょうか。

産経ニュースによると、ペットボトルの水は賞味期限がかなりすぎていても問題がないのだそうです。

食品コンサルタントの冨岡伸一さんは「ペットボトルの水は、ほとんどが加熱や濾過（ろか）によって雑菌などを取り除いている。雑菌がない水は何年たっても腐らない。適正に保存され未開封の状態ならば、賞味期限をかなり過ぎたものでも安全性に問題ありません」と話す。

産経ニュース　ーより引用

中には殺菌処理がされていないペットボトルもあるようですが、ほとんどのペットボトルは雑菌が取り除かれており、何年経っても腐らないのだとか。

では、何のために賞味期限が設定されているのかというと…。

「いや、水の賞味期限は、表示された容量が確保できる期限です」

　こう話すのは日本ミネラルウォーター協会の渡辺健介事務局長だ。

　食品は、食品事業者が科学的・合理的な根拠に基づいて賞味期限を設定している。一方、計量法の規定に基づいて内容量を表示する決まりもある。

　ペットボトルの容器は、通気性がある。すると、水が少しずつ蒸発する。つまり、時間の経過とともに減るのだが、表示と実際の容量が許容の誤差を超えた商品を「販売する」と計量法違反になる。

産経ニュース　ーより引用

ペットボトルの中の水が、時間経過で自然に蒸発してしまい、表示内容の容量よりも少なくなってしまうため、賞味期限が設定されているのだそうです。

しかし、こういった情報はあまり知られておらず、今回の富津市の対応にも賛否の声が上がっています。

【賛成派の意見】

・平気といわれても、１年以上すぎていると気にはなる。

・ペットボトルの水が腐らないということを知らない人も多いだろうから、こういう対応にせざるを得ない。

・何かあった時に困るから、市としては仕方のない対応。

【反対派の意見】

・賞味期限切れでも大丈夫ということをしっかり伝えたほうがいい。

・断水時の貴重な飲み水をほかのことに使ってしまうのはもったいない。

・賞味期限に過剰になっている人が多すぎる気がする。

もちろん、賞味期限切れの水を無理に飲む必要はないでしょう。とはいえ、断水などが発生している被災地では、飲み水は貴重なものです。