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レーヨンとは? 繊維の特徴やメリット・デメリット 洗濯やアイロンのやり方は?

By - grape編集部  公開:  更新:

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レーヨンとは? 繊維の特徴やメリット・デメリット 洗濯やアイロンのやり方は?

※写真はイメージ

衣類などの素材としてよく見かける『レーヨン』。

聞いたことがある人も多い素材ですが、「どんな物なのかを説明して」といわれると…言葉に詰まってしまうものです。

レーヨンとはどのような特徴を持っている繊維なのかや、優れている点や洗濯やアイロンがけの方法などについてご紹介します。

レーヨンとは? どんな繊維?

まず、繊維にはどのような物があるのでしょうか。

一般的に繊維は、コットンやシルクなどの天然繊維と、ポリエステルやナイロンなどの人工的に作られる化学繊維の2つがあります

さらに天然繊維でも植物繊維や動物繊維など、いろいろな種類があるようです。

レーヨンは化学繊維の1つで、再生繊維に分類されます

再生繊維とはあまり聞きなれない言葉です。どのような作り方をしている繊維なのかを『一般社団法人 化学繊維振興会』の説明で見てみましょう。

木材パルプを原料として、パルプの中の天然セルロースをアルカリ(苛性ソーダ)処理した後、二硫化炭素と反応させてセルロース誘導体をつくり、これをアルカリ溶液に溶解させて原液(ビスコースと呼ぶ)とし、この原液を細い孔が多数ある“口金”から酸性浴中に押し出し、繊維を形成させながら化学反応させて、セルロースを再生します。

一般社団法人 化学繊維振興会 公式サイト ーより引用

簡単に製造方法を説明すると「木材に含まれる繊維質を溶液で溶かし、細い穴から出して繊維に再生させたもの」といえそうです。

化学繊維なのに、天然素材が原料になっているともいえるでしょう。

レーヨンとは? どのような特徴がある?

『光線』を表す『ray』が名前に含まれているレーヨンは、高価なシルクの代用品として生まれたといいます。

シルクのように肌触りがよく、コシが弱いため、布が緩んだ際のひだ(ドレープ)も美しくできるようです。

※写真はイメージ

また、レーヨンは繊維が有する水分率が11%で、シルクと同じなのだとか。

シルクは天然繊維、レーヨンは化学繊維という違いはあるものの、似たところは多いようです。

レーヨンのメリット

レーヨンは染色しやすく、発色がいいといわれています。

決して強い繊維ではありませんが、弱すぎるわけでもありません。そのコシの弱さこそが、先ほど説明したドレープの美しさを生み、肌に吸い付くような手触りになるといいます。

制電効果もあるようですが、冬場など乾燥が厳しい季節に繊維の水分率が減ってしまうと、静電気を帯びやすくなってしまうようです。

また、あまり知られていませんが、レーヨン自体に消臭効果があるとのこと。

さらに、木材を再生して作っている繊維なので、土中に埋めておくと微生物によって分解されて土に還ります。環境にやさしい素材ですね。

メリット

・染色性がよい。
・ドレープ性が高くしなやか。
・消臭効果がある。
・制電効果がある。
・微生物が分解できる。

レーヨンのデメリット

吸湿性のよいレーヨンですが、水に弱いというデメリットがあります。

水に濡れると糸が太くなり、引っ張る力が強く働くそうです。そのため、生地が縮みやすく、うっかり普通の洗濯物と一緒に洗濯機に入れてしまうと、服が小さくなってしまうという問題も

ドライクリーニングに出すほうが安心ですが、毎回出すのはかなり費用がかかります。

また、水シミができやすいため、雨の日には着用を避けたほうがよさそうです。

シワもできやすいのでアイロンは必須でしょう。

デメリット

・水に弱く、縮みやすい。
・水シミができやすい。
・シワになりやすい。

ただ、こういったレーヨンの弱い部分を補うために、ほかの繊維と合わせて強度を高めて製品に使用されることが多くあります。

この服は『ポリエステル』と『レーヨン』が混ざっている

レーヨンの洗濯の仕方やアイロンのかけ方は?

水に弱いレーヨンを、家庭ではどのように扱えばいいのでしょうか。

基本的にレーヨン100%の衣類の場合は、クリーニングに出すほうが無難です。ただ、先述したようにほかの繊維と一緒になっている衣類は、洗濯できることがあります。

どのような衣類にもいえることですが、まずは洗濯表示を確認。ここで桶に水を張っているマークがあれば『洗濯機』、桶に手を入れているマークがあれば『手洗い』で、家庭でも洗濯をすることができます

この場合は『手洗い』で

レーヨンを洗濯機で洗う場合

衣類へのダメージを減らすために、レーヨンの洗濯物は洗濯ネットなどに入れるようにしましょう

また、普通の洗剤ではなく『おしゃれ着用洗剤』などの中性洗剤を使用するといいそうです。その場合、念のため服の目立たないところで色落ちしないかの確認をしたほうがいいでしょう。

さらに洗濯機の設定を『ドライ』や『おしゃれ着』など水流の弱いものにして、そっと洗うようにします。

脱水も数十秒程度か、もしくは避けるといいそうです。乾いたタオルなどで挟み込んで水切りをするといいかもしれません。

レーヨンを手洗いする場合

手洗いをする時も、洗剤は『おしゃれ着用洗剤』を使います

水を張った容器に洗剤と一緒に衣類を入れて、軽く押し洗い。長時間水に浸けないほうがいいので、数分で洗いましょう

さらに水を入れ替えて、泡がなくなるまですすぎます。

その後、乾いたタオルなどに挟み込んで水を切りましょう。間違っても雑巾のように絞らないように!

レーヨンのアイロンがけの方法

レーヨンは熱にも弱いため、洗濯だけでなくアイロンをかける時にも注意が必要です。

アイロンをかける時は、薄い当て布をかけて温度設定を低温から中温にしましょう

また、水に弱いので、スチームは使わずドライでアイロンをかけるようにするとよいそうです。

※写真はイメージ

扱いは難しいものの、シルクのような光沢や手触りのよさが人気のレーヨン。

衣類を長持ちさせるためにも、しっかりとした対応をしたいものですね。


[文・構成/grape編集部]

出典
一般社団法人 化学繊維振興会

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