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『圧巻』の意味と由来 類義語と対義語から言い換え表現まで

By - grape編集部  公開:  更新:

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『圧巻』という言葉は、『圧巻のラストシーン』『圧巻のひと言に尽きる』などの表現で知られています。

ニュースや評論などでよく使用されており、日常生活で目にする機会も多いのではないでしょうか。

しかし、『圧巻』は誤った意味で使われることも少なくないので、正しい意味と使い方を確認しておきましょう!

当記事では、『圧巻』の意味と由来、正しい使い方、英語表現などを紹介します。

例文も一緒に紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね!

『圧巻』とは?意味・由来も紹介

『圧巻』は『あっかん』と読み、全体のうちでもっとも優れた部分や、集団の中でもっとも優秀なものを指す言葉です。

『圧巻』は、古代中国で行われた官吏登用試験『科挙(かきょ)』の答案用紙の置き方を語源としています。

『科挙(かきょ)』の答案用紙を『巻』といい、採点の際にもっとも優れた答案用紙を一番上に置いていました。

ほかの答案を『圧する』存在である『巻(答案用紙)』から、『圧巻』という言葉が生まれたといわれています。

最初は書物の中で一番よい部分を指す言葉であったものの、現在は演劇、音楽、スポーツなど、あらゆるジャンルにおいて『圧巻』という言葉が使われています。

『圧巻』の使い方・例文

『集団のうちの1人』や『ストーリーのうちのワンシーン』など、全体の中でもっとも素晴らしいものを称える際に『圧巻』を使いましょう。

下記は『圧巻』を用いた例文です。

【使用例】

・彼女は圧巻の歌唱力で審査員を魅了し、オーディションで優勝した。

・試合の中でも、3者連続空振り三振に仕留めたシーンは圧巻だった。

・舞台のダンスシーンは圧巻で、何度見ても心を奪われる。

なお、『圧巻の光景』『圧巻の迫力』など、比較をせずに『圧巻』を使用する場合は、『これまで経験したことがない』『凄まじい』といった意味となります。

『圧巻』を表す英語表現

『圧巻』を英語で表現する際は、『masterpiece(最高傑作)』『the best part(見どころ)』『the highlight(最大の出来事)』などを用いることができます。

下記は、英語表現による『圧巻』の例文です。

【例文】

・Her performance was the best part of the convention.

(大会における彼女のパフォーマンスは圧巻だった。)

・Above all, the show of the lions is a masterpiece.

(とりわけ、ライオンのショーは圧巻だ。)

上記以外にも、『amazing(素晴らしい)』『the high point(見せ場)』などを『圧巻』と訳すケースもあります。

【例文付き】『圧巻』の類義語と対義語!

『圧巻』と似たような意味を持つ言葉は多く、混同することも珍しくありません。

適切な場面でふさわしい日本語を使うためには、『圧巻』の類義語・対義語をそれぞれ知っておくことがおすすめです。

ここでは、『圧巻』の類義語と対義語を例文付きでご紹介します!

【類義語】圧倒

『圧倒(あっとう)』には、『非常に優れた力で、他者より優位に立つ』『力を見せつけて恐れさせる』という意味があります。

『圧巻』の比較対象が1つの物事の中に限定するのに対し、『圧倒』は周囲と比較して優れている場合に使う言葉です。『圧倒』の例文は下記の通りです。

【例文】

・山頂からの景色に圧倒されて、思わず息を飲んだ。

・彼ほど圧倒的な存在感を放つ役者はほかにいない。

映画を例にすると、作品中のワンシーンを褒める場合は『圧巻』を、ほかの映画と比較する際には『圧倒』を用いることができます。

【類義語】席巻

『席巻(せっけん)』は、もともとは領土を次々と攻め取る様子を表した言葉であり、『激しい勢いで周囲へ影響を与えること』を意味します。

力を付けた人や物が勢力を増していく様子を指し、『圧巻』とは意味が異なります。『席巻』の例文は下記の通りです。

【例文】

・彼らは今、世界中のヒットチャートを席巻しているロックバンドだ。

・今や世界を席巻するジュエリーブランドへと成長した。

『席巻』は、今流行しているものや、人気を集めているものに使うことができます。市場において、ある企業などが勢力を拡大している状況にもよく用いられる表現です。

【類義語】壮観

『壮観(そうかん)』とは、『規模が大きくて素晴らしい眺め』を意味しており、目の前に広がる景色や光景を形容する言葉です。『壮観』の例文は下記の通りです。

【例文】

・3千本もの桜が満開を迎える景色は、まさに壮観だ。

・青い海が広がる露天風呂からの眺めは壮観だった。

『壮観』を『圧巻』に置き換えても、素晴らしい景色であることを表すことができます。

しかし、『壮観』は人や物、才能などを評価する際には不適切であり、ほかの対象と比較する言葉でもありません。

景色を見た際の感動を伝える際に、『壮観』を使いましょう。

【対義語】伯仲

『伯仲(はくちゅう)』は、優劣をつけがたく力が釣り合っている状態のことを指します。

また、古代中国において『伯』は長男、『仲』は次男のことをいい、『伯仲』には『兄と弟』という意味もあります。

『伯仲』の例文は下記の通りです。

【例文】

・決勝戦には、実力伯仲の2人が上り詰めた。

・予想以上に議論が伯仲し、次回へ持ち越されることとなった。

なお、『伯仲』は勢いが強いもの同士が争うさまを表すので、力が弱いもの同士の争いを表現する際には不適切です。

【対義語】互角

『互角(ごかく)』は、『2つの力量が同等で、優劣の差がないこと』を表します。

牛の角が左右で大きさや形の差がないことから『牛角』という言葉が生まれ、後に『互角』に変わったとされています。

『互角』の例文は下記の通りです。

【例文】

・前半戦は互角の戦いとなった。

・チャンピオンと互角に渡り合える相手は、彼だけだ。

・A社とB社の通信速度に関しては、ほぼ互角である。

『互角』は『伯仲』と同じ意味を持つものの、『互角』は力量が低いもの同士や、勝負以外の能力を表す際などにも頻繁に用いられます。

『圧巻』の言い換え表現で使われる言葉は?

『圧巻』には、状況に応じて言い換えができる表現があります。

主な言い換え表現は以下の通りです。

クライマックス興奮や緊張が最高潮に達した状態や、映画や演劇などの山場を指します。『クライマックスを迎えた』という使われ方が一般的です。

例文:物語は第5章に入り、いよいよクライマックスに突入した。
ハイライトもっとも注目を集める見せ場や、行事の催し物や呼び物のことです。『イベントのハイライト』『今回のハイライト』といった表現で用いられます。また、絵画や写真などで、もっとも明るく見える部分のことも指します。

例文:今夜10時から、試合のハイライトが配信される。
佳境興味を引かれる場面や、面白い部分のことです。『佳境に入る』という表現でよく使用されるほか、『素晴らしい景色』という意味もあります。

例文:五輪代表争いも佳境を迎えている。
見どころ重要な箇所、見逃せない場面のことです。作品の解説や、町の観光スポットなどを紹介する時に使われます。また、『見どころのある青年』など、将来の見込みを表すこともありますよ。

例文:公演の見どころを演出家が解説する。

上記の言葉は『圧巻』と近い意味を持つものの、異なる使い方をするケースもあるため、言い換える際は文章の意味をよく確認してくださいね。

まとめ

『圧巻』は、全体のうちで突出して優れたものを指す言葉です。

1つの作品の中で一番よい部分や、集団のうちでもっとも秀でたものに対して、『圧巻のラストシーン』『圧巻の演技』といった形で使われます。

『圧巻』の英語表現には、『the highlight』『masterpiece』などがあります。

『圧巻』の類義語は『圧倒』『席巻』『壮観』、対義語は『伯仲』『互角』などです。

また、『圧巻』は、『クライマックス』『佳境(かきょう)』などに言い換えることもできるので、意味を踏まえて使い分けましょう!


[文・構成/grape編集部]

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