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『改訂』『改定』の違いとは? それぞれの例文や『改正』の意味も紹介

By - grape編集部  公開:  更新:

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日本語には、意味合いや文字が似ており、使い分けに迷う言葉がいくつかあります。

代表的な言葉として挙げられるのが、特にビジネスシーンで使われる『改訂』『改定』『改正』です。

制度や法律などのルールに関連して使われることが多いこの3つについて、違いを明確に理解していない人は多いのではないでしょうか。

この記事では、『改訂』『改定』『改正』の意味や使い方を、例文を交えて分かりやすく解説します。

語源や漢字の覚え方などの知識も紹介するため、正しい使い方を知りたい人はぜひ参考にしてください!

『改訂』『改定』『改正』の意味

『改訂』『改定』『改正』を正しく理解するためには、辞書的な意味を覚えて、まずは知識の土台を固めることが重要です。

ここでは、それぞれの言葉が持つ基本的な意味を紹介します。

【改訂(かいてい)】

『改訂』は、主に文書や書籍などの中にある誤りに、修正や変更を加えることです。

社内独自のルールや料金体系など、文書として成り立っていない内容に対しては、基本的に使用しません

『訂正』などにも使われる『訂』という字が入っており、『内容を正しく直す』という意味で使われることが多い言葉です。

【改定(かいてい)】

『改定』は、既存の制度内容を改めて、新しい内容にすることです。

例えば、社内で定めていたルールを変更したり、料金体系を変更したりする場合に『改定』が使用されます。

『定める』という言葉が使われている通り、ルールを変更した上で1つにまとめるニュアンスを含みます。

【改正(かいせい)】

『改正』は、間違いや不適切な内容を正しく直すことを意味します。

『正』という言葉が使われており、既存のものを『正しくする』という意味合いが強い点が特徴的です。

一般的には、憲法や法律などの公的なルールに対して使用されている傾向があります。

なお、『かいせい』と読む点でも、ほかの2つの言葉とは異なります。

各言葉の辞書的な意味は、使い分ける際の根本的な判断材料となるので、しっかり理解しましょう!

『改訂』『改定』『改正』の違いと例文

『改訂』『改定』『改正』は、漢字の構成だけではなく、意味も非常に似ています。

さらに、読み方も類似しているため、同じようなニュアンスを感じる言葉です。

そこで、微妙なニュアンスの違いや使い分けを正確に理解するために、例文を確認することがおすすめです。

ここからは、各言葉の違いを説明した上で、いくつかの例文を紹介します。

改訂:文書や書籍について使う

『改訂』が使われるのは、基本的に文書や書籍などの変更に関連するシーンです。

身近なもので例えると、辞書や教科書、業務上の資料などが該当します。

下記は、『改訂』を用いた例文です。

『改訂』の例文

(1)令和4年版として改訂された国語辞典を図書館で見つけました

(2)業務マニュアルの重要事項欄を改訂したので、関係者に配布します

(3)会議での意見を参考に、先月作成した事業計画書を改訂しました

(4)最新の情勢を反映し、来年は社会の教科書の改訂版が提供される予定です

(5)プレゼン資料の改訂版を配布するので、各自で管理をお願いします

(6)サービス改善に向けて、顧客用のアンケートを改訂しました

『改訂』を使用する際は、内容変更の度合いは問いません。

例えば、事業計画書を大幅に修正した場合でも、1文だけ修正や追加した場合でも、いずれも改訂が使用されます。

文書に関する修正は基本的に『改訂』を使うと覚えておきましょう。

ただし、文書といっても法令の変更に対しては『改訂』の範囲外であり、『改正』が使用されるため、混同しないように注意が必要です。

改定:ルール変更一般について使う

『改定』は、ルールの変更に際して一般的に使用される言葉です。

『改訂』のように文書には制限されず、社内ルールや料金制度などの幅広いシーンで使われます。

『改定』を用いた例文は、下記の通りです。

『改定』の例文

(1)待遇改善に伴い、社内の給与体系が改定されました

(2)情報セキュリティ対策のために、社内のメール送付に関するルールを改定します

(3)利用者の減少により、最寄り駅の路線で運賃の改定がありました

(4)自社製品の料金改定に関する会議を開始します

(5)行きつけのレストランで、メニューが改定されたようです

(6)法律が変わったので、自社の就業規則を改定する必要があります

『改定』は、もともとの内容が正しかったか、間違っていたかは関係なく、内容が変更された場合に使う言葉です。

そのため、給与額が下がった場合や運賃が値上がりした場合など、当事者にとってマイナスの影響がある変更に対しても使われます。

『改訂』との間違いを防止したい場合は、対象が文書や書籍かどうかで判断するとよいですよ!

改正:『正す』意味合いを強調して使う

『改正』は、基本的には『地租改正』や『民法改正』のように、法律に関連して使用され、ほかの場面で頻繁に使われる言葉ではありません。

身近なルールにおいて改正を使うのは、『よりよいものにする』という意味合いを強調したい場合です。

『改正』の例文として、下記の6つを紹介します。

『改正』の例文

(1)社内マニュアルが10年前から一定だったので、現状に合わせて改正しました

(2)高年齢者雇用安定法が改正されたので、企業は必要な措置を実施しなければなりません

(3)政府の働き方改革により、労働基準法が改正されました

(4)日本国憲法は、1947年に施行されてから一度も改正されていません

(5)生徒の多様性を尊重するために、頭髪や服装に関する校則が改正されました

(6)テレワークの導入と同時に、就業規則を改正しました

上記のように、『改正』は社会や組織などの対象を、さらによいものにする意味合いを持ちます。

就業規則を例にすると、新たな手当を導入して待遇改善を図る場合は『改正』、法律改正に伴い単に内容を修正する場合などは『改定』が使用される傾向です。

改定とは異なり、改正は価値判断を伴う言葉であるため、法令が対象であっても『改正』を意図的に避けることも少なくありません。

また、社内マニュアルを直す場合でも、単に誤字脱字を修正した場合や、冊子などにまとめられ書物に近い形で運用されている場合は、『改訂』を使うこともあります。ぜひ、使い分ける際の参考にしてくださいね。

『改訂』と『改定』の語源や漢字の覚え方

3つの言葉のうち、『改訂』と『改定』は読み方も同じであり、意味を理解していても、慣れるまでは使い方に困る状況があるでしょう。

そこで最後に、より明確に使い分けられるよう、語源や覚え方を紹介します。

『改訂』と『改定』には、『訂』と『定』という字が使われており、それぞれ語源を理解すれば分かりやすく使い分けることが可能です。

『訂』は左側にある『言』が、意見や言葉を意味しており、右側にある『丁』は固定する意味合いを持ちます。

『訂』自体は、文章の誤りを正しくするという意味です。

『定』は、上の部分にある『うかんむり』が屋根を示し、全体としては、家の中で真っ直ぐ立ち止まっている様子を表します。

漢字としては、『1か所に落ち着くこと』『1つに決めること』などの意味を持ちます。

『改訂』と『改定』を覚える際は、改訂は『正しく直すこと』、改定はあくまで『内容を改めて1つにまとめること』が、意味合いとして強いと押さえておきましょう

まとめ

『改訂』『改定』『改正』は、文字や発音、意味合いが似ており、使い分けが難しい言葉の代表ともいえます。

しかし、意味や違いを明確に理解すれば、日常での正しい使用が可能です。

『改訂』は文章に関連する際に、『改定』は一般的なルールの変更を指す際に、『改正』は法令関係や正す意味合いを示す際に使用されます。

特に『改訂』と『改定』は読み方が同じなので混同されがちですが、語源を理解すれば使い分けは難しくありません。

ぜひ当記事の内容を参考に、日常生活やビジネスシーンで『改訂』『改定』『改正』を正しく使ってくださいね!


[文・構成/grape編集部]

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