残虐な「子犬工場」が摘発される 残されたのは、526匹の犬たち
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サンマを見た猫に6万『いいね』 表情に「笑った」「表情がズルすぎる」愛猫のミントちゃんと暮らす、飼い主(@piennekomint)さん。 ミントちゃんは、豊かな表情でたびたび話題となっており、Xでたくさんのフォロワーを獲得しています。
カーテンにしがみ付いていたのは? 光景に「いつ見ても笑う」『#二度と撮れない画像を貼れ』を付け、1枚の写真を公開したのは、2羽のオカメインコと暮らしている、ゆかりん(@okamenolunaya)さん。今では見ることができないという、ナギちゃんの姿を公開したところ、大きな反響が上がりました。飼い主さんが「これしかない」と選んだ、奇跡の1枚とは。
パピーミル(子犬工場)
犬や猫などの愛玩動物の繁殖を行うブリーダー。優良なブリーダーは母体の健康状態を気遣いながら育て、出産の間隔や、生涯に出産させる赤ちゃんの数も調整します。
しかし、「パピーミル」と呼ばれる、悪質なブリーダーも存在します。「パピーミル」とは日本語で「子犬工場」。言葉通り、命のある犬を「モノ」「道具」であるかのように扱い、自身の利益のために子犬を「生産」させます。
出典:YouTube
コストカットのために、親犬を狭いゲージに入れ、最低限の餌しか与えません。不衛生な環境でそもそもの健康面に問題があるとしても、発情期が来るたびに妊娠・出産を強いられ、母体はどんどん傷つけられていきます…。
一番小さく可愛らしい状態でペットショップに卸すために、子犬たちは早くから母犬と引き離されます。母犬から引き離されるストレスは強く、健康面で弱くなってしまったり、問題行動を起こす性格に育つ可能性があります。問題のある性格の犬は飼いづらく、手放されて新しい貰い手が見つからぬまま、殺処分への運命をたどることも。
パピーミルは国によっては厳しく規制され、処罰の対象になります。ペットショップでの生態販売そのものを禁止している国や地域も増えていますが、なくなるのはまだ遠い話でしょう。
パピーミルから526匹の犬が救われる
2014年7月、アメリカでの出来事。1980年から運営されていた、悪質なパピーミルが摘発されました。パピーミルの運営者は逮捕され、課された刑は懲役25年。
「子犬工場」には、たくさんの犬たちが残されることになります。
そこへ、動物保護の団体が犬たちを救いに乗り込む映像が公開されました。その悲惨な光景、そして過酷な環境から救い出される、たくさんの犬たち…。
救出された犬は526匹にものぼりました。
この映像は世界中で多くの反響を呼び、公開から間もなくして100万回以上が再生されました。
まず映し出されるのは、「子犬工場」の現場。狭いゲージに閉じ込められたたくさんの犬たち。そのゲージは狭いだけでなく、底は網状になっていて、犬たちは体を十分に休めることができません。
床には糞尿がそのままにされ、劣悪な衛生状態。パピーミルの犬たちは、たとえ病気にかかったとしても治療をしてもらえないのだそうです。それはすべて、コストをカットするため。
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パピーミルの中の様子を伝えるのは、動画を投稿したビクトリア・スティルウェルさん。彼女を始めとするたくさんの人々が、次々に犬たちをゲージから救い出していきます。
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「ここにいるよ」必死に訴える犬も。人間を信じず、何も伝えようとしない目をした犬も。
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全ての犬たちがパピーミルから連れ出され、保護施設へと運ばれていきました。
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6週間後、保護された犬たちは…
犬たちが救い出されて、6週間後。保護施設でケアを受けた犬たちのもとに、ある来客がありました。
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その来客とは…なんと数百人もの人々!!
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彼らは、パピーミルから救い出された犬たちを引き取りに来た、新しい家族。パピーミル工場での出来事を知った多くの人々が、この日開催されたイベントに訪れたのです。
526匹もの犬たちは、なんと全て引き取り手が見つかったのだそうです。
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もう寂しくないし、辛くない、痛くない…。
そしてさらに、1年後
感動的な、家族との出会い。でもそこで、物語はおしまいではありませんでした。
さらに1年ののち、パーティーが開催されました。「REUNION PARTY」、引き取られた犬たちと新しい家族の親睦会です。
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そこにあったのは、見違えるように幸せそうな表情を浮かべる犬たち。そしてあたたかな家族。
パピーミルが深い問題となるのは、残虐な行為を行ってるパピーミル業者を摘発するだけで終わりにならないことが要因。生きている犬たちの命を守ることが必要です。
業者から救い出されても、引き取り手がなければ殺処分されるという悲しい運命へ、再び歩むことになってしまうのです。
動画を投稿したビクトリアさんはこう訴えます。
「犬をペットショップで買わないで。買うことで、虐待行為を支持することになる」
「犬が欲しい時は、地元の保護施設を訪ねて。もしくは、本当に信頼できるブリーダーから譲ってもらって」
500匹以上もの犬たちが、永遠に安らげる家を見つけることができました。でもそのたくさんの犬たちも、世界の中で見ればほんの一握りにすぎないのでしょう。
悲しいことですが、全てのパピーミルがなくなるまでには、まだ多くの時間がかかってしまいます。ただ、苦しむ犬たちがいるという現実を多くの人々が知ることで、その道のりは短くなって行くのではないでしょうか。
出典:YouTube