冷蔵庫の最適な温度をご紹介　最適な温度にするメリットや設定の仕方を解説

どの家にも必ずといっていいほど設置されている家電の１つ、冷蔵庫。

生活必需品ともいうべき冷蔵庫ですが、食材などを保存するスペースごとに適正温度があるということをご存じですか。

適切な温度に保つことで、消費電力を節約したり、食材の鮮度をキープしたりすることができます。

この記事では、意外と知らない冷蔵庫の適正温度について解説します。冷蔵庫で食材を適切に保存するための参考にしてみてください。

冷蔵庫に最適な温度は何度？

「冷蔵庫を購入した時から設定温度を変更せずに、ずっと使い続けている」という人もいるかもしれません。

この項では冷蔵庫の適正温度について、スペースごとにそれぞれ見ていきましょう。

正確な適正温度は冷蔵庫のメーカーや使用環境などによって異なるため、以下のものは目安として、参考にしてみてください。

冷蔵室

冷蔵室は、冷蔵庫の中でも特に利用頻度が高いスペースです。

「食材はとりあえず冷蔵室に入れて保存する」という人も多いのではないでしょうか。

冷蔵庫のサイズによって異なりますが、冷蔵室の適正温度は３〜６℃が目安です。

ただし、冷蔵庫は食材の置き方によって、温度が変わりやすい傾向があります。

使用環境によって、影響を受ける可能性があることを念頭に置いておきましょう。

チルド室

チルド室では、食材の鮮度を保ちつつ、凍らせることなく保存することができます。

チルド室の適正温度は、０〜２℃ほどが目安です。凍る寸前の状態で保存することになるため、食材選びに注意してください。

例えば、凍ると品質が損なわれるおそれがある食材は、チルド室を避け、別のスペースに入れて保存しましょう。

パーシャル室

パーシャル室は、食材をわずかに凍らせて保存するためのスペースです。

食材を凍る直前の状態にするチルド室に対して、パーシャル室は半分冷凍の状態にできることが特徴。

そんなパーシャル室の適正温度は、マイナス１〜マイナス３℃が目安です。冷蔵室やチルド室と比べて、食材の頻度が保たれやすいとされています。

完全に冷凍された状態にはならないため、手間なく食材を解凍することができるでしょう。

野菜室

野菜室はその名前の通り野菜を保存するスペースで、新鮮さを維持するためには３〜７℃が適切といわれています。

高い湿度を保ち乾燥を防ぐとされる野菜室ですが、低温保存することで、傷みやすくなる野菜も。

野菜室に入れるか、それとも常温で保存するかは、野菜に合わせて選ぶとよいでしょう。

冷凍室

冷凍室は、冷凍食品やアイスクリーム、氷などを凍らせて保存できるスペースで、適正温度はマイナス２０〜マイナス１８℃とされています。

冷蔵室やチルド室、野菜室などと比べて、食材を長期間保存することができますが、購入時の品質をそのまま保てるとは限りません。

ひとたび冷凍室に入れると安心してしまいがちですが、こまめに賞味期限をチェックして、早めに食べ切るようにしましょう。

冷蔵庫の温度を最適化すべき２つの理由

冷蔵庫の設定温度についておさらいしましたが、適正温度に設定することのメリットは、どのようなものがあるのでしょうか。

ここからは、冷蔵庫の設定温度を適切に保つことの必要性について解説します。

冷蔵庫を適正温度に設定すべき理由は、無駄な電力消費を抑えることと、食材の鮮度を長持ちさせることの２つです。それぞれ見ていきましょう。

無駄な電力消費を抑えるため

冷蔵庫の扉を、つい開けっ放しにしてしまうという人はいませんか。

扉を開けっぱなしにすると冷蔵庫の中に外気が入り込み、冷たくしておいた庫内の温度が上がってしまいます。

庫内の温度が上がると、冷蔵庫はそれを冷やそうとするため、電力消費量が増えてしまうのです。冷蔵庫の扉を開けたら、なるべく早めに閉めましょう。

食材の鮮度を長持ちさせるため

冷蔵庫内を適正温度にキープすることで、食材の鮮度を保つことができます。

冷蔵庫内の温度が高いと食材が腐りやすくなり、低すぎると食材が凍ってしまうこともあるでしょう。

冷蔵庫の温度を最適な状態に保ち、食材の鮮度を維持することで、無駄な買い物やフードロスなどを減らすこともできるでしょう。

冷蔵庫を適正温度に保つ方法

冷蔵庫の温度は変化しやすく、使用環境によって温度が高くなったり、低くなったりします。

しかし、ちょっとした工夫を施すことによって、変化の幅を小さく留めることが可能です。

以下では、冷蔵庫の温度を保つための方法を３つ紹介します。どれも簡単なので、ぜひ実践してみてください。

ドアの開け閉め回数を減らす

冷蔵庫を、１日に何度も開け閉めする人は多いでしょう。

頻繁に開け閉めすると冷蔵庫内に外気が入り込み、温度を適切に保てなくなってしまう可能性があります。

冷蔵庫の整理整頓をしたり、食材の出し入れをまとめておこなったりするなど、ドアを開け閉めする回数を減らす習慣をつけましょう。

省エネモードを活用する

手間をかけずに冷蔵庫内の温度を維持したい場合は、省エネモードの活用を検討してみてください。

省エネモードとは、冷蔵庫の使用状況を把握し、自動で最適な状態にするという優れた機能のことです。

メーカーや冷蔵庫の種類によっては、省エネモードが搭載されていない場合もあります。取扱説明書を確認し、同様の機能があれば活用してみてください。

季節ごとに温度設定を変更する

夏や冬など、気温が極端に変わる季節は庫内の設定温度を調節しましょう。

冷蔵庫の温度は外気温に左右されやすいという特徴があり、夏は温度が上がりやすく、冬は反対に下がりやすくなります。

冷蔵庫の温度を季節で切り替えることで、気温の影響を最小限に抑えられるでしょう。

冷蔵庫の温度を確認したり調節したりする方法

冷蔵庫内の環境を最適なものにするためには、現在の設定温度が適切かどうかをチェックする必要があります。

冷蔵庫の温度は、専用の温度計を使用したり、庫内で冷やした水に温度計を入れたりして調べることが可能です。

温度設定は『強』『中』『弱』の３段階や『１〜５』などで示されることが一般的ですが、メーカーや種類によって異なります。

取扱説明書を確認して、適切に設定するようにしましょう。

冷蔵庫の温度が下がらない時の対処法３つ

「冷蔵庫の温度がなかなか下がらない…」と困ってしまった経験はありませんか。

そんな時は、設定温度が高めに設定されていないかを見直してみてください。

それでも温度が高めになっている場合は、以下の３つの対処法を試してみるとよいかもしれません。１つずつ、詳しく解説します。

食材が冷めてから冷蔵庫に入れる

調理後の料理は、必ず粗熱を取ってから保存してください。

冷蔵庫は、庫内の温度が高いと、それを冷やそうとする働きがあります。

過剰な動作を避け、電気代を節約するためにも、冷蔵庫に入れる食材などはあらかじめ冷ましておくのが得策です。

保存スペースに余裕を持たせる

冷蔵庫内の保存スペースには、余裕を持たせましょう。

食材がたくさん入っていると、冷気の吹き出し口と吸入口を塞いでしまい、温度が上昇しやすい環境になっている可能性があります。

冷蔵庫は冷たい空気を循環させて温度を維持していますが、中身がいっぱいだと、冷気が行き渡らなくなってしまうのです。

冷凍室については、食材を隙間なく入れることで保冷効果が高まるといわれていますが、冷蔵室の場合は逆効果です。

定期的に冷蔵庫の中身を整理して、冷気が行き渡りやすい環境を整えましょう。

放熱スペースを確保する

冷蔵庫は冷気を循環させるだけでなく、放熱するスペースを確保することも必要です。

壁際に置いておくことが多い冷蔵庫ですが、作動することによって発生する熱を、天井や側面、あるいは床との隙間などから放出しています。

そのため、壁に密着させると熱が放出できず、冷蔵庫内の温度が下がりにくくなってしまうのです。

冷蔵庫周辺はなるべく物を置かないようにし、放熱しやすいようにしましょう。

冷蔵庫の温度を最適にして節電かつ食材を長持ちさせよう

冷蔵庫には冷蔵室、冷凍室、チルド室など、さまざまなスペースがあります。

それぞれの適正温度を把握することによって、消費電力を削減たり、食材の新鮮さを維持しやすくなります。

また、冷蔵庫内の温度は、扉の開け閉めによって入り込む外気や、中身の量による冷気の行き渡りやすさなどによって変化する場合も。

ちょっとしたコツを押さえて冷蔵庫を適切に使用し、食材などを長く、おいしく味わいましょう。

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[文・構成／grape編集部]