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銀杏はなぜ臭い?理由や臭いの消し方を徹底解説

By - grape編集部  公開:  更新:

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銀杏はなぜ臭い?理由や臭いの消し方を徹底解説

※写真はイメージ

秋が深まると、銀杏の独特の臭いに悩まされた経験はありませんか。

多くの人が知る銀杏の臭いですが、なぜ臭いを発するのか、疑問に思う人もいるでしょう。手や靴についた臭いが取れず、困ったこともあるかもしれません。

しかし、臭いの悩みを解決できれば、銀杏は栄養豊富でおいしい秋の味覚です。

当記事では、銀杏の臭いの原因や臭いを消す方法、臭いをおさえた簡単レシピなどを解説します。銀杏の臭いにお困りの際は、ぜひ参考にしてください。

そもそも銀杏はなぜ臭い?

そもそも銀杏はなぜ臭い?

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銀杏の臭いは、実の果肉部分に含まれる『酪酸(らくさん)』と『エナント酸』が原因のようです。

酪酸は、人間の排泄物のような臭いを発するとされています。エナント酸は、腐った油のような臭いを持つ成分のようです。

銀杏が臭いを発する理由には、2つの見解があるとされています。

1つは、外敵から種子を守るための生存戦略という考え方です。強烈な臭いを放つことで、動物に食べられるのを防いでいるといわれています。

もう1つは、銀杏の臭いを好む動物に食べられることで、種が別の場所に運ばれ、銀杏が生息域を広げられるという説です。

なお、臭いを発するのは、私たちが普段目にするオレンジ色の果肉部分で『外種皮(がいしゅひ)』と呼ばれます。

銀杏が臭くなる時期は?

銀杏が臭くなる時期は?

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銀杏が臭い始める時期はおもに9月下旬から11月頃のようです。イチョウの実が熟して地面に落下し始めるタイミングで、臭いも強まるとされています。

イチョウの紅葉が見頃を迎える時期と、銀杏の臭いがピークになる時期は重なるようです。地域や気候によって多少のずれはあると考えられていますが、秋の深まりとともに臭いも本格化すると覚えておきましょう。

靴や服についた銀杏の臭いを消す方法

靴や服についた銀杏の臭いを消す方法

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靴や服についた銀杏の臭いを消すには重曹が有効です。重曹には消臭作用があるとされ、繊維についた臭い成分を中和できると考えられています。

手順は次の通りです。

【手順】

1.臭いのついた場所に重曹をふりかけます。

2.2〜3時間ほど置いた後、重曹を払い落とします。

3.バケツや洗面器に、ぬるま湯を張ります。

4.ぬるま湯に小さじ1杯程度の重曹を溶かします。

5.臭いがついた靴や服を3時間ほどつけ置きします。

6.時間が経ったら、通常通り洗濯機で洗うか、水でよくすすいで乾かしましょう。

洗濯機で洗う際は、洗濯表示を確認し、水洗いが可能か事前にチェックしてください。

銀杏の臭いをおさえる下処理方法

銀杏の臭いをおさえる下処理方法

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拾ってきた銀杏を食べる際は、果肉を取り除く下処理を行いましょう。

下処理に必要なものとその手順は、次の通りです。

【必要なもの】

  • ゴム手袋またはビニール手袋
  • バケツ
  • ザル
  • 新聞紙

【手順】

1.まず、バケツにひたひたになるくらいの水を入れ、拾ってきた銀杏を入れます。そのまま2〜3日放置し、果肉を柔らかくしてください。臭いが強いため、作業は必ずベランダなど屋外で行いましょう。

2.次に、ゴム手袋またはビニール手袋をはめて、銀杏を優しく揉むようにして果肉を取り除きます。果肉が取れたら、ザルにあけて流水できれいに洗い流してください。

3.最後に、きれいになった殻つきの銀杏を新聞紙などの上に広げます。風通しのいい場所で数日間天日干しにして、表面をしっかりと乾燥させたら下処理は完了です。

外種皮に含まれるとされる『ビロボール』という成分は、触ると皮膚炎を引き起こす可能性があると考えられています。そのため、下処理の際は、ゴム手袋やビニール手袋を装着し、素手で触るのは避けましょう。

銀杏の保存方法

銀杏の保存方法

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下処理を終えた銀杏は、正しく保存すれば長期間楽しめるとされています。保存方法は、用途に合わせて『冷蔵』と『冷凍』を使い分けるのがおすすめのようです。

すぐに使い切る場合は冷蔵保存が向いているでしょう。殻つきのままキッチンペーパーなどに包み、ポリ袋や保存容器に入れて野菜室で保管してください。保存期間の目安は約1か月のようです。

より長く楽しみたい場合は冷凍保存が適しているとされています。殻と薄皮を剥き、軽く火を通してから保存袋に入れて冷凍しましょう。食べる分量ずつラップに包んでおくと、使いたい時に必要な分だけ取り出せるため便利です。

冷凍保存の場合、2〜3か月ほど保存可能とされ、使う際は解凍せずにそのまま調理できます。

銀杏の保存方法についてさらに詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

銀杏の臭いをおさえた簡単レシピ2選

銀杏の臭いをおさえた簡単レシピ2選

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下処理さえ済めば、銀杏は手軽に調理できる食材のようです。ここでは、初心者でも簡単に作れる定番レシピを2つ紹介します。

銀杏の塩炒り

銀杏の塩炒りは素材の味を楽しめる、つまみの定番です。

【材料(2人分)】

  • 銀杏 10個程度
  • 酒 大さじ1杯
  • 水 大さじ1杯
  • 塩 少々

【作り方】

1.小鍋に酒と水と塩を入れ、煮立てます。

2.殻をむいた銀杏を加えて強火で炒ります。

3.水気がなくなったら、火を止めて完成です。

シンプルながらも、銀杏本来の味を堪能できるひと品に仕上がります。

銀杏の炊き込みご飯

秋の香り豊かな、食卓が華やぐ炊き込みご飯です。

【材料(3合分)】

  • 米 3合
  • 銀杏 30個ほど
  • 塩 小さじ1と2分の1杯

【作り方】

1.銀杏の尖ったほうを上にしてタオルで包み、トンカチなどで軽くたたいてヒビを入れます。

2.ヒビから殻をむき、中の実を取り出します。

3.薄皮がついたままの銀杏を30分〜1時間ほど水に浸けます。

4.柔らかくなった薄皮は、指の腹でこすってむき取ります。

5.銀杏を3等分ほどに切ります。丸ごと使っても問題ありません。

6.米3合をとぎ、炊飯器の内釜に入れて3合の目盛りまで水を注ぎます。

7.30分〜1時間ほど浸水させます。

8.塩小さじ1〜1と3分の1杯を加えて、全体をやさしく混ぜます。

9.切った銀杏を米の上に広げてのせ、炊飯器の通常モードで炊きましょう。

10.炊き上がったら全体を底からさっくり混ぜて完成です。

味つけがシンプルなため、銀杏の風味をしっかりと感じられるでしょう。

銀杏に関してよくある疑問と回答

最後に、銀杏に関するよくある疑問とその回答を紹介します。

銀杏を食べすぎるとどうなる?

銀杏の食べすぎは、中毒症状を引き起こす可能性があると考えられているため、注意が必要です。

銀杏には『4ʼ-O-メチルピリドキシン』という成分が含まれているとされています。この成分がビタミンB6の働きをおさえることで、中毒症状が出ることがあるようです。

4ʼ-O-メチルピリドキシンは加熱しても分解されないといわれており、炒ったりゆでたりしても毒性は消えないと考えられています。主な中毒症状には、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛などがあるようです。

特に小さい子供は、大人に比べて少ない量でも中毒を起こしやすいとされています。そのため、5歳未満の子供には銀杏を与えないようにしましょう。

銀杏の適量に明確な基準は示されていませんが、食べすぎは避け、1日数粒程度にとどめることを推奨します。

臭くない銀杏を手に入れる方法は?

臭くない銀杏を手に入れるには、スーパーなどで販売されている処理済みの商品を利用するとよいでしょう。

臭いの原因である果肉を自分で処理するのが不安な場合は、市販品の活用も選択肢です。市販品を使えば、臭いに悩まされることなく、手軽に調理を始められるでしょう。

下処理済みの銀杏は通販でも販売されています。料理にそのまま使える『水煮パック』『冷凍銀杏』なども選べるため、調理法や使いたい量に応じて選ぶとよいでしょう。

銀杏の臭いをおさえて秋の味覚を楽しもう

銀杏の臭いは、果肉に含まれる『酪酸』と『エナント酸』が原因のようです。しかし、臭いの性質を理解すれば、対処できるとされています。

銀杏の臭いが服や靴についた場合は、重曹を使って落とす方法が有効なようです。重曹でつけ置き洗いをすることで、繊維の奥にしみ込んだ臭いも落とせるといわれています。

一方、銀杏を調理して食べる際にもいくつか注意が必要です。銀杏の下処理の際は、かぶれ防止のためにゴム手袋を着用しましょう。また、銀杏を食べすぎると中毒の危険があるため、適量を楽しむことが大切です。


[文・構成/grape編集部]

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