2日目のカレーは危ない?鍋のまま常温保存で実は腹痛になっているかも?
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いつ食べても美味しいカレー、2日目のカレーも格別な美味しさですが、なぜ美味しくなるのか?それは具の中に味が良く染み込み、煮崩れした具材がコクを生み出すからなのだそうです。
しかし、鍋のまま常温放置したカレーは、食中毒を引き起こす「ウェルシュ菌」のパラダイス状態だという事をご存知でしょうか。
ウェルシュ菌とは?
ウェルシュ菌は、土の中、ヒトや動物の腸内にもいる、ありふれた細菌のひとつです。カレーに入れるジャガイモやニンジンなどの根菜に付着しています。また牛や鶏などが保菌しており、それらの肉に含まれている場合もあります。
2日目のカレーが危ない理由
ウェルシュ菌は、加熱されることでほとんど死滅するため、作りたてのカレーでは問題が起こりません。
しかし、加熱によりウェルシュ菌は数を減らしますが、全てが死滅するわけではありません。ウェルシュ菌は、熱から自身を守るため「芽胞(がほう)」という殻を作り休眠状態となります。芽胞となったウエルシュ菌は、100度の熱にも耐えられる強度となり、カレーを1時間煮込んでも死滅することはありません。冷凍、乾燥にも強く、アルコール消毒も効かないそうです。
カレーを鍋のまま常温保存すると、温度が下がってきたところで芽胞型のウェルシュ菌が目を覚まし、もとの状態に戻り増殖を始めます。
ウェルシュ菌は、空気に触れると繁殖をしない嫌気性の細菌ですが、カレー鍋の中では、空気が無く、増殖に適した温度が長時間続くため、その量は数時間で爆発的に増えます。45度で10分で2倍に増殖するため、8時間で281兆倍(理論値)まで膨れ上がります。
ウェルシュ菌の数が増えても「無味無臭」のため、その変化に気づくことはできません。
ウェルシュ菌で食中毒になる目安は10万個/gとされています。
保存したカレーを食べる際は、再度じっくりと加熱する必要があります。よくかき混ぜずに「なんとなく温まった」状態では危険かもしれません。
芽胞型のウェルシュ菌は加熱では減りませんが、増殖型のウェルシュ菌と芽胞の際に形成される毒素(エンテロトキシン)は加熱でなくすことができます。
ウェルシュ菌による食中毒の症状
ウェルシュ菌は、体内に取り込まれると腸管内で危険を感じ芽胞を形成します。その際に毒素(エンテロトキシン)を産生し、この毒素の作用で発症します。
潜伏時間は約6時間〜18時間。ほとんどの場合、12時間以内に発症します。症状は腹痛、下痢が主で下腹部がはることが多くみられます。1〜2日程度で回復し、生死に関わることはまずありません。
比較的症状が軽く、発症まで時間差があるため「カレーが下痢の原因」と、実はみなさん気づいていない可能性もあります。
ウェルシュ菌を増やさない保存方法
菌を増殖させる条件が、45度前後の温度と無酸素であるなら、できるかぎり早く粗熱をとり、タッパーなどに小分けし冷蔵庫で冷やすことが重要です。
常温保存をしない
季節に関係なく、鍋に入れたまま常温保存はNGです。
早めに粗熱をとり冷蔵庫で保存
3時間以内に20度以下に急冷する。平たい容器などに入れるか、もしくはボールに移しかき混ぜながら氷水で冷やすなど、時間をかけずに冷蔵庫へ。
食べる際は再度よく加熱をする
75度以上で15分間程度の加熱が必要とされています。
よくかき混ぜて空気にさらす
ウェルシュ菌は空気が苦手です。鍋の底のカレーが空気に触れないことの無いようによくかき混ぜながら、再加熱してください。
3日以上保存する場合は冷凍
3日以上保存する場合は、フリーズパックなどで冷凍をします。冷凍する場合は、ジャガイモを除くか、潰してからがお勧めです。冷凍したカレーを食べる場合は、凍ったままレンジで加熱するとパサパサで不味くなるとのことですので、一度冷蔵庫で解凍をし、レンジや鍋で再加熱すると良いようです。
いかがでしたでしょうか。ウェルシュ菌の増殖について、カレーに限らず、シチューやスープなどの料理には共通して起こります。
実は腹痛の原因がこれらの料理の保存方法によるものだったということもあるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。