読解力が高いと『年収』が上がるという話 OECDの論文 By - grape編集部 公開:2017-02-21 更新:2017-02-21 読書 Share Post LINE はてな コメント 日本人生徒の読書量 日本の子どもたちはどのくらい読書をするのでしょうか。 興味深い研究結果が出ています。 【日本人生徒の読書量】では日本の子供はどれだけ読書しているのか?少々古いですが、2009年のPISA結果で、「“楽しみのための読書”をする生徒の割合」は、日本は、60位/66ヶ国というワーストレベルでした。 pic.twitter.com/UCzeuR0AWX— Podoron (@podoron) 2017年2月18日 また、日本は、2000~2009年間に「楽しみのために読書する生徒の割合」が大きく伸びた唯一の国でしたが、2000年ではダントツの最下位だったため、伸びた後も最下位グループでした。2017年現在は分かりませんが、2009年時点でも元が極端に低いので、伸びしろは大きそうです。 pic.twitter.com/sYUmOQcfBQ— Podoron (@podoron) 2017年2月18日 ちなみに、2015年のPISA結果では、日本の読解力は31ヶ国中8位と高めですが、「日本の教育が優れている証左」と早合点せず、「大半の生徒の母語が公用語と同じ」などの社会・経済的要因なども考慮する必要があるでしょう。— Podoron (@podoron) 2017年2月18日 また、PISA結果は、あくまで「国平均」の順位なので、国内問題として重要なのは、他国との比較ではなく、「個々人の読解力」ですね。OECDも、教育においては、「特に、『読書の熱中度』『読解力』が“低い”子たちの支援・教育が重要である」と強調しています。— Podoron (@podoron) 2017年2月18日 「『読解力』が高い国ほど、『読書の熱中度』との相関が強い」という研究結果も出ています。日本は、読解力は高いが、読書量が世界ワーストレベルであることから、読書は個人の大きなアドバンテージになりますし、教育においてもやれる事が多そうです。— Podoron (@podoron) 2017年2月18日 つまり、日本の子どもたちの読書量は決して多くはないものの、「読解力」は低くないという結果です。 これを安心できる結果と考えていいのでしょうか。 投稿者さんは「読書量が世界でもワーストレベルにあるということは、反対に読書をすることで大きなアドバンテージになり得る」と言います。 なぜ読書と読解力が相関するか? それでは、なぜ読書と読解力に相関関係があるのでしょうか。 【何故、読書と読解力が相関するか?】では、なぜ「読書の熱中度」と「読解力」が強く相関するのでしょうか?その要因として、エビデンスがあるものは、読書による「語彙」「表現・文章構成」「想像力」などの発達が考えられています。— Podoron (@podoron) 2017年2月19日 読書によって次の3つの能力が発達すると考えられているからです。 1.語彙 《語彙》日常会話と本では語彙数が大きく異なります。ある研究では、単語ランキングが、日常会話&TV:400~600、児童書:627、新聞:1690、科学論文:4389、でした。— Podoron (@podoron) 2017年2月19日 つまり、会話とTVのみでは、児童書を読むのに必要な語彙数に足りていないという結果。まったく読まない小学生と比べ、毎日25分ほど本を読んでいる子供は、1年間で200万語ほど多く読むことになります。本を読むほどに、多くの単語に触れ、語彙を増やす機会に恵まれます。— Podoron (@podoron) 2017年2月19日 2.表現・文章構成 《表現・文章構成》書き言葉では、会話(やTV)にはない複雑な文法が使用され、表現や文章構造・構成が複雑であることが分かっています。実際に、頻繁に読み聞かせを受けた幼児は、そうでない子に比べ、文学的な表現や、複雑な統語形式・言い回し・文法を使えるという研究結果が出ています。— Podoron (@podoron) 2017年2月19日 また、頻繁に読書をする子は類推的な表現と思考法を覚えます。絵本やお伽話には、頬をバラに喩えるなど、比較を要求する表現があり、子供はその構造を解き理解せねばなりません。類推的な表現は日常会話ではめったに使われず、類推的な思考法と表現は読書を通じて身に付けられるものです。— Podoron (@podoron) 2017年2月19日 3.想像力 《想像力》PISAでは、小説でもノンフィクションでも本を読む子は読解力のスコアが高い傾向にありましたが、興味深いことに、小説の読者はノンフィクションの読者よりも更に読解力が高いという結果が出ています。— Podoron (@podoron) 2017年2月19日 これは、小説はノンフィクションより想像力を必要とするため、小説の読者は想像力が発達したからだと推測されています。PISAなどの読解力テストは、文章を読み、動機を聞いたり話の進行を予測させたりする質問が多いため、読書で鍛えられた想像力がスコアを伸ばしたと考えられています。— Podoron (@podoron) 2017年2月19日 つまり… これら、「語彙」「表現・文章構成」「想像力」などの発達といった要因により、読書と読解力が強く相関するのだと考えられます。詳細:日本語論文 (その他、読書心理学の研究結果なども)https://t.co/46vcfvWyyi— Podoron (@podoron) 2017年2月19日 読書によって「語彙」「表現・文章構成」「想像力」が発達し、それによって読解力が高まる また、日本の子どもたちの多くが読む漫画やネット、ラノベなどについても言及しています。 【漫画】漫画も読解力につながります。PISAでも日本は漫画を読む子が多いという結果でした。「漫画は読解力につながるか」も議論の的になりますが、OECDの「読書」には漫画や雑誌も含んでおり、研究では、「本はほとんど読まないが、漫画を中心によく読書する」は熱中度Lv3の評価— Podoron (@podoron) 2017年2月20日 「ほぼ何も読まない」「たまに新聞/雑誌等読む程度」よりも、「漫画中心だがよく読む」の方が「読書の熱中度」が高い≒読解力が高い、という研究結果でした。「本の方がより良いのは確かだが、漫画も読解力につながる」は一つ朗報ですね。— Podoron (@podoron) 2017年2月20日 【ネット・ラノベ】近年は、SNSやインターネットサイト・記事で文章を読む割合が増えていますし、日本の場合、「ラノベは読書か/読解力につながるのか」などもしばしば議論の的になります。— Podoron (@podoron) 2017年2月19日 研究ではこれらには触れていませんが、・漫画などの短文より、小説など“長い文章”を読む子ほど読解力が高い、・読み聞かせで身に付くのは、「語彙数、複雑な表現・文法・文章構成」などであるという研究結果を考えると、それぞれの位置づけは推測出来そうです。— Podoron (@podoron) 2017年2月19日 漫画やネット、ライトノベルなどを「読書ではない」としているわけではなく、こういったものを読むことにも意味があると結論付けています。 幼児への読み聞かせには意味があるのか? 次のページへ 1 2 3 4 妙典駅の看板 ローマ字表記を見て思い付いたのが?「笑った」「センスありすぎ」ある日、ホー厶ドアさんは、仲間内の会話で、千葉県市川市にある『妙典駅』について話題になったとか。 「大笑いした」「最高!」 先生も笑った娘の『珍解答』がこちらです国語のテストのはずが…?娘さんの『珍解答』が話題です! 出典 @podoron Share Post LINE はてな コメント
日本人生徒の読書量
日本の子どもたちはどのくらい読書をするのでしょうか。
興味深い研究結果が出ています。
つまり、日本の子どもたちの読書量は決して多くはないものの、「読解力」は低くないという結果です。
これを安心できる結果と考えていいのでしょうか。
投稿者さんは「読書量が世界でもワーストレベルにあるということは、反対に読書をすることで大きなアドバンテージになり得る」と言います。
なぜ読書と読解力が相関するか?
それでは、なぜ読書と読解力に相関関係があるのでしょうか。
読書によって次の3つの能力が発達すると考えられているからです。
1.語彙
2.表現・文章構成
3.想像力
つまり…
読書によって「語彙」「表現・文章構成」「想像力」が発達し、それによって読解力が高まる
また、日本の子どもたちの多くが読む漫画やネット、ラノベなどについても言及しています。
漫画やネット、ライトノベルなどを「読書ではない」としているわけではなく、こういったものを読むことにも意味があると結論付けています。
幼児への読み聞かせには意味があるのか?