超っぱやっ!東京ーハワイ間を30分で結ぶ、宇宙船計画をスペースX社が発表
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PayPalの創始者で、テスラ・モーターズの経営者でもあるイーロン・マスクさん率いる「スペースX社」が、東京とハワイを30分で結ぶ宇宙船の計画を発表しました。
発表をしたオーストラリアのアデレードで開催された第68回国際宇宙飛行士会議(IAC)では、2024年には有人での火星探査ミッションを可能にするという発表がメインだったんですが、そのプレゼンの最後で「月や火星へのロケットを製造するのなら、同じように地球上も移動しようじゃないか」と驚きの発表があったというわけです。
火星探査に使用する予定のコードネーム『BFR』という全長106メートルの巨大ロケットは、最高速度2万7000km/hで飛べるということから、地球上で活用すれば、世界中のどこでも1時間以内に到達できる乗り物になると話したそうです。
ちなみにこのロケット(BFR)は、これまでのロケットとは異なり、完全に再利用可能で、ISSの補給、月の着陸、2022年までに火星へのミッションの送付を開始する計画の最大の鍵される宇宙での燃料補給が可能です。
BFRはそこでの燃料生産を必要とせずに月の表面に移動することができ、『Moon Base Alpha』の作成を可能にします。このBFRはマスク氏によれば『Big Funking Rocket』の略だとか…。
BFRは、Falcon Heavyの30トンと比較して150トンの貨物のためのスペースを持ち、完全に再利用可能。 その先端は十分に大きく、現在のハッブル望遠鏡の表面積の10倍のミラーをまったく折り畳むことなく収納可能。人工衛星を打ち上げるのにも十分なスペースを確保。 複数のエンジンは、現在のファルコン9とは異なり、エンジンを失っても着陸可能なほど信頼できるものであり、非常に正確であり、着陸脚を必要としない設計になっているということです。
全体として、このコンセプトは、昨年発表された惑星間輸送システム『MUSK』と比べて、小型であり、より少ないエンジンを使用しているため、柔軟性が増しより多くの作業に適しています。新しいBFRは106メートルで、直径は9メートル。昨年のものは高さは122メートル、直径は17メートルでした。ブースターロケットは31個のラプター・エンジン(42個から縮小)を使用しており、宇宙船自体には6個のラプター・エンジンがあります(9個から縮小)。
これらの変更により費用がかなり安価となり、昨年記者たちから突きつけられた「スペースXはこれに対してどうやって費用を工面するんでしょう?」という質問に答えることができるようになったと話しています。
残されたマスタープランは、バックログを保存し、その機能をBFRに完全に引き渡し、すべてのアプリケーションに対して1つのロケットのみを構築することで、以前のロケットを十分に構築することが可能となったのです。
メインは火星移住計画のために使用するため、地球上での使用の際はなんと、現在の旅客機のエコノミークラスの料金(たぶん10万円とか20万円程度)で提供したいということです。
『Earth to Earth(地球から地球へ)』と題されたムービーでは、ニューヨークを朝7時に出発したロケットが、39分後の7時39分、ちょうど時差が12時間ある上海に午後7時39分に到着する場面が見れます。ほかにも香港とシンガポールなら22分、ロサンゼルスとトロントなら24分、そして東京からハワイなら30分だそうです。
ただ、いまのロケットの状況のままだと時速2万7千キロに達するまでおよそ10分間、その間1.3Gの重力加速度が乗員にかかることになり、「耐えられるのかどうか疑問」などといった声もあがっています。もちろん実現の際はこうした課題はすべてクリアされていることを期待したいですね。
[文・構成 土屋夏彦/grape編集部]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。