「アジア人のくせに」 批判をあびたバスケットボール選手が粋な返答 By - grape編集部 公開:2017-10-23 更新:2018-10-15 人種差別差別 Share Post LINE はてな コメント アメリカ・プロバスケットボールリーグNBAの『ブルックリン・ネッツ』というチームに所属する、台湾系アメリカ人のジェレミー・リン選手。 数多くのチームで実績を残しているだけでなく、NBA初の台湾系アメリカ人選手として、常に注目を浴びています。 そんなジェレミー選手が、同じくNBAで活躍していたプレーヤーから批判的な意見を受けたとして話題を呼んでいます。 お前はアジア系なんだ きっかけは、ジェレミー選手のドレッドヘアでした。 自分が『リン』という名前であることを、あいつは忘れているのか? いままでなら、あいつがあんな頭(ドレッドヘア)にすることは、考えられなかったはずだ。 誰か「お前は黒人ぶりたいんだよな」っていってやれ。でもな、お前の名前は『リン』だってことを忘れるなよ。 レゲエやヒップホップとならび、黒人文化の象徴の1つともいわれる『ドレッドヘア』。それを、黒人以外の人が取り入れることのどこに問題があるのかと、不思議に思う人もいることでしょう。 しかし、2016年には、歌手のジャスティン・ビーバーさんもドレッドヘアにし、「黒人文化の盗用」「文化へのリスペクトが感じられない」と批判の対象になったことがあります。 そして今回、アジア系であるジェレニー選手のドレッドヘアに苦言を呈したのは、2015年にNBAを引退したスター選手、ケニオン・マーティン選手でした。 元スター選手といえど、批判的な発言に非難の声が殺到。しかし、ジェレミー選手は粋な返答をし、周囲を驚かせます。 Lin's response: pic.twitter.com/Pwon82Bjzx— Anthony Puccio (@APOOCH) 2017年10月5日 あなたが僕の髪型を好きじゃなくてもかまわない。むしろ、意見をいってくれて感謝している。 あと、僕がドレッドヘアをしていて、あなたが中国のタトゥーを入れているのって、お互いの文化を尊重しているからだと思っていたんだけどな。 それに、少数派(マイノリティ)であっても、違う文化を尊重しあえば、多数派(マジョリティ)に影響を与えることができると感じているんだ。 最後に、あなたの功績には敬意を払っている。僕が子どものころ、壁にあなたのポスターを貼っていたんだよ。 @APOOCH ーより引用(和訳) 一方的な批判に対し、真っ向から意見をぶつけようとしなかったジェレミー選手。 それどころか、ケニオン選手のタトゥーの話にも触れ、平和的な答えを探す姿勢に、多くの称賛の声が寄せられました。 しかし、ドレッドヘアにした当初、こんなにも大きな波紋を呼ぶとは考えもしなかったはずです。 スポーツ選手自身が情報を発信できるサイト『The Players’ Tribune』で、ジェレミー選手は、人種差別や、多様化が進む社会についてこう語っています。 自分の文化を履き違えられた時の気持ちは、とても分かります。 (中略)しかし、今回の一件は決して終わりではありません。始まりだからこそ、私たちはもっと話し合うべきなのです。 私たちに必要なのは共感と思いやりであり、批判しあう必要はありません。 そのためには実際にコミュニケーションをもっと深めましょう、さぁ、いまから始めましょう。 the players’ tribune ーより引用(和訳) 髪型1つをとっても、批判の対象となってしまう現代に、息苦しさを感じる人もいることでしょう。 しかし、人種や文化の問題に敏感な人がいるということは、差別によって苦しむ人がいまだ多くいることの証明でもあります。 バスケットボール界のみならず、社会のいたるところに残る人種の問題。ジェレミー選手のいう通り、批判ではなく共感と思いやりの心がもっと広まることが望まれます。 [文・構成/grape編集部] 出典 @APOOCH/the players' tribune Share Post LINE はてな コメント
アメリカ・プロバスケットボールリーグNBAの『ブルックリン・ネッツ』というチームに所属する、台湾系アメリカ人のジェレミー・リン選手。
数多くのチームで実績を残しているだけでなく、NBA初の台湾系アメリカ人選手として、常に注目を浴びています。
そんなジェレミー選手が、同じくNBAで活躍していたプレーヤーから批判的な意見を受けたとして話題を呼んでいます。
お前はアジア系なんだ
きっかけは、ジェレミー選手のドレッドヘアでした。
自分が『リン』という名前であることを、あいつは忘れているのか?
いままでなら、あいつがあんな頭(ドレッドヘア)にすることは、考えられなかったはずだ。
誰か「お前は黒人ぶりたいんだよな」っていってやれ。でもな、お前の名前は『リン』だってことを忘れるなよ。
レゲエやヒップホップとならび、黒人文化の象徴の1つともいわれる『ドレッドヘア』。それを、黒人以外の人が取り入れることのどこに問題があるのかと、不思議に思う人もいることでしょう。
しかし、2016年には、歌手のジャスティン・ビーバーさんもドレッドヘアにし、「黒人文化の盗用」「文化へのリスペクトが感じられない」と批判の対象になったことがあります。
そして今回、アジア系であるジェレニー選手のドレッドヘアに苦言を呈したのは、2015年にNBAを引退したスター選手、ケニオン・マーティン選手でした。
元スター選手といえど、批判的な発言に非難の声が殺到。しかし、ジェレミー選手は粋な返答をし、周囲を驚かせます。
一方的な批判に対し、真っ向から意見をぶつけようとしなかったジェレミー選手。
それどころか、ケニオン選手のタトゥーの話にも触れ、平和的な答えを探す姿勢に、多くの称賛の声が寄せられました。
しかし、ドレッドヘアにした当初、こんなにも大きな波紋を呼ぶとは考えもしなかったはずです。
スポーツ選手自身が情報を発信できるサイト『The Players’ Tribune』で、ジェレミー選手は、人種差別や、多様化が進む社会についてこう語っています。
髪型1つをとっても、批判の対象となってしまう現代に、息苦しさを感じる人もいることでしょう。
しかし、人種や文化の問題に敏感な人がいるということは、差別によって苦しむ人がいまだ多くいることの証明でもあります。
バスケットボール界のみならず、社会のいたるところに残る人種の問題。ジェレミー選手のいう通り、批判ではなく共感と思いやりの心がもっと広まることが望まれます。
[文・構成/grape編集部]