「カラクリがやばい」「コレはないわ」 東京都の子育て支援事業に、疑問の声続出
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働きながら子供を育てる家庭にとって、保育園に入れないというのは死活問題です。
東京都では、保育園に落ちてしまった人への救済策として、2018年12月から『ベビーシッター利用支援事業』を実施しています。
これは、『0歳児~2歳児の待機児童の保護者』もしくは『保育所などの0歳児クラスに入所申込みをせず、1年間の育児休業を満了した後、復職する人』を対象にした制度で、子どもの保育所などに入所できるまでの間、東京都の認定を受けた認可外のベビーシッター事業者を1時間150円(税込)で利用できるというものです。
一見すると、「保育園が落ちてしまっても、1時間150円でベビーシッターをお願いできるなら助かる」と思いそうなのですが…。
『ベビーシッター利用支援事業』に注意喚起
3人の子供を育てる高沖清乃(@kiyono_t)さんは、この『ベビーシッター利用支援事業』について「カラクリがヤバい」とツイート。
税理士・社労士にも相談し、制度について調べ上げたことをTwitterに投稿したところ、多くの人から反響がありました。
『ベビーシッター利用支援事業』では、150円と実際のシッターの利用料の差額が助成されるといいます。
例えば、1時間2千円のシッターを8時間お願いした場合、本来は1日あたり1万6千円の利用料がかかりますが、この制度を申請すれは1200円しかかからないことになります。
しかし、その利用約款をよく読んでみると、こんな言葉が書かれていました。
つまり、助成された差額分は『利用者の年収』として計算され、追加の所得税がかかるということ。
制度をフル活用して年間300万円ほどの助成を受けた場合、それはほぼそのまま『雑所得』として換算されます。例えば、年収300万円の人が仕事復帰をして、週5で1日8時間子どもをシッターに預けたとすると、年収が600万円で計算されてしまうのです…。
年収300万円の人が制度を利用すると
年収がアップしたと計算されると、当然追加の『所得税』がかかることに。
東京都が公開した『モデルケース試算表』を基にどれくらい税金がかかるかを予想してみました。
年収300万円の人が月平均160時間(フルタイム勤務で1日8時間シッターを依頼した場合)利用すると、課税額は1か月あたり5万9200円、年間にして71万400円となります(※元の給与年収分の税額も含まれています)。
こちらはモデルケースなので、利用時間や方法によっても税額が異なりますが、確定申告の手間もある上に、ほぼ一括で追加分の税金を支払わなければならないというのは、家計にかなり響くでしょう…。
住民税、各種手当にも影響
「年間の保育園料と同じくらいじゃない?」と考える人もいるかもしれません。しかし実際は、毎回150円×時間分の保育料と、シッターの交通費も別途で負担しています。 場合によっては、月額10万円以上の保育費を出費することになるかもしれないのです。
年収が上がるということは住民税がその分上がります。さらにシングルマザーの場合、年収制限のある児童扶養手当(母子手当)は翌年、減額される恐れもあります。
※写真はイメージ
「助成された金額は、所得扱い」「所得が上がった分、追加で税金を支払う」という制度の仕組みをよく理解しておかないと、後から大変なことになってしまうかもしれません。
保育の費用は控除対象にならない
国の定めた『所得税法』では、保険関連や障害者給付などについては税金は控除対象となり、免除されます。
しかし、保育に関わる費用については特に規定もないので、一部を除いて基本的には課税対象になるそうです。
『ベビーシッター利用支援事業』については、東京都独自の事業であるため、利用者給付にした場合、その分課税されてしまうのです。
ネット上では投稿を見た人たちから、さまざまなコメントが寄せられています。
・とても分かりにくい制度。余裕のない時に飛び付いて、後で泣くことになっていたかも。
・有用なツイート。それにしても子育てするのに、なんでこんなにトラップ多いの…。
・待て待て待て!これ無理じゃん!税金で持ってかれる金額えげつなすぎる。
・一見するとお得なようですが、税金になるとややこしいんですね。とりあえずしっかりと説明は必要です。
子供を育てながら働くには、まず安心できる『子供の預け先』を確保しなければなりません。
残念ながら保育園が決まらず、職場復帰を諦めざるを得ない人はたくさんいます。
『ベビーシッター利用支援事業』は、保育園が決まらずに悩む多くの保護者に、選択肢を広げるものでもあります。多少お金を多く支払っても、この制度を利用して、まずは職場復帰をしたいという人もいるでしょう。
利用者がサービス内容を誤解なく理解した上で利用できるよう、事業者側には分かりやすく丁寧な説明を心掛けてほしいですね。