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テレワークでは在宅勤務手当の支給が必要? 支給方法から注意点まで

By - grape編集部  公開:  更新:

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※写真はイメージ

テレワークは、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の対策として、多くの企業で導入されるようになりました。

テレワークには場所を選ばずに働けるメリットがある一方、自宅で仕事をする時は、電気代などが高くなるデメリットがあります。

テレワークの導入を考えているなら、従業員の負担が増えすぎることのないよう、在宅勤務手当の支給を検討しましょう。

当記事では、テレワークにおける在宅勤務手当の詳細について解説します。

支給方法や注意点も紹介するため、テレワークの導入を考えている企業担当者は、ぜひ参考にしてくださいね!

テレワークでの『在宅勤務手当』とは

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コロナウイルスの感染が拡大してから、新しい働き方としてテレワークが普及しました。

テレワークが浸透していく中で、『在宅勤務手当』を支給する企業が増えています。

在宅勤務手当は、在宅で仕事をする従業員に対して支払う手当のことです。

テレワークを実施するためには、在宅勤務の環境整備にかかる費用を従業員本人が負担しなければなりません。

デスクやチェアの購入費用だけでなく、在宅勤務では月々の光熱費が高くなってしまうことも。

在宅勤務手当は、テレワークのための費用を必要経費とみなし、手当として従業員に支給する制度です。

2021年11月時点で、在宅勤務手当の支給は義務化されていません。

在宅勤務手当が支給される理由

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在宅勤務手当を支給する企業が増えている背景には、従業員のモチベーション維持が深く関わっています。

テレワークは働き方の多様化を実現し、ワークライフバランスを整えられる勤務形態です。

テレワークを活用することで、多くの従業員が仕事と生活の両立を図れるようになります。

しかし、テレワークを実施する上ではさまざまな負担が発生することも事実です。

環境を整えるための費用が発生するほか、気軽にコミュニケーションが取りづらくなり、モチベーションが下がってしまうことも珍しくありません。

少しでも従業員のモチベーション維持につながるよう、在宅勤務手当を支給する企業が増えています。

在宅勤務手当の相場はいくら?

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在宅勤務手当は支給が義務化されていないこともあり、法律などで支給額の上限や下限が設定されていません。

そのため、支給額は各企業で設定する必要があります。

下記は、厚生労働省の資料より在宅勤務手当に関する調査データを抜粋した表です。

社名1か月の支給額使途
ホンダ1日あたり250円
(20日勤務で月額5千円)
主に光熱費、通信費など
NTTグループ1日あたり200円
(20日勤務で月額4千円)
主に光熱費、通信費など
富士通1か月あたり5千円通信料、光熱費、デスクやイスなど

支給額は企業によって異なりますが、相場はおおむね5千円となっています。

在宅勤務手当を支給する企業側のメリット2つ

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在宅勤務手当によって恩恵を受けるのは、従業員だけではありません。手当を支給する企業にも以下のようなメリットがあります。

コスト削減

テレワークを進めることで交通費の支給を廃止し、交通費として支給していた経費を在宅勤務手当として支給できます。

一般的に、在宅勤務手当の支給額は交通費を下回る傾向にあります。そのため、住宅勤務手当を支給したとしても、交通費との差額分の経費が削減できますよ。

働き方の多様化の実現

テレワークは、コロナ禍に多くの企業で導入されました。

アフターコロナの時代が訪れても、ワークライフバランスの改善や柔軟な働き方が実現できるとして、テレワークは注目を集めています。

テレワークなら出産や育児、介護など、従来ならさまざまな事情で離職せざるを得なかった人たちが働き続けることが可能。

在宅勤務手当を設けることで貴重な人材流出の阻止につながるため、従業員だけでなく企業にとっても大きなメリットとなるでしょう。

テレワークにおける在宅勤務手当の支給方法

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在宅勤務手当の支給方法には、現金支給と現物支給の2つがあります。

それぞれのメリットと、デメリットを確認し、職場に応じて支給方法を使い分けましょう!

支給方法方法の詳細メリットデメリット
現金支給給与に上乗せして支給従業員が手当てを
自由に使える
想定外の用途に使われる
可能性がある
現物支給物品を購入して支給手当の使途が
限定できる
支給品が従業員の希望に
沿わない場合がある

現金支給は、プライベートなど想定外の用途に使われる可能性があります。

プライベートでの使用を禁止し、手当の適切な用途をあらかじめ説明することで業務外の使用を防ぎましょう。

また、買ってよいものやテレワークに役立つものなど、具体的な用途を例示するとより効果的です。

現物支給の課題は、支給品が従業員の希望に沿わない可能性があること。

企業担当者がカタログなどを用意し、その中から従業員に希望のものを選べるようにするとよいでしょう。

用途が限定できるというメリットを生かしつつ、ある程度の不満解消を図れますよ。

テレワークにおける在宅勤務手当を支給する時の注意点

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テレワークで在宅勤務手当を導入すると、企業も従業員もメリットを享受できるものの、導入時には注意点があります。

事前に注意点を把握しないまま導入すると、従業員の不満を引き起こす可能性があるため、注意点について必ず把握しておきましょう!

ここでは、在宅勤務手当を支給する時の注意点を紹介します。

在宅勤務手当についてのルールを決める

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テレワークや在宅勤務手当を導入する時は明確なルールを定め、従業員に対してしっかりと説明することが必要です。

ルールを明確にしておくと、従業員の不信感を緩和することができます。

定めるべきルールの例は下記の通りです。

・テレワークの定義
・テレワークの対象者と必要な手続き
・テレワーク時の労働時間の管理方法
・テレワーク時の費用負担
・在宅勤務手当の支給方法、支給額、使途

テレワークと在宅勤務手当を導入する場合、企業内のルールと費用負担の関係を定めることになるため、就業規則を変更する必要があります。

定めたルールを必ず就業規則に反映しましょう。

在宅勤務手当は課税対象であることを認識する

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在宅勤務手当は、業務使用分を実費支給する場合は非課税対象であるものの、従業員一律に手当を支給する場合は課税対象となります。

課税対象の手当を支給すると、場合によっては社会保険料の額に影響が及ぶことも。

課税対象であることをしっかり従業員に共有し、不信感を抱かせないように配慮しましょう。

現物支給の場合も同様です。企業が従業員に物品を貸し出した場合は非課税であるものの、物品を従業員に支給した場合は課税対象となります。

在宅勤務手当を導入している企業の事例

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実際にほかの企業では、どのように在宅勤務手当を導入しているのでしょうか。在宅勤務手当を導入している企業の事例を紹介します。

note株式会社

note株式会社では、必要に応じて現金支給と現物支給を組み合わせています。

正社員からパート、アルバイトまで、雇用形態にかかわらず全従業員に対して手当を支給しているのも特徴です。

2020年5月以降、テレワークの環境整備を想定した手当を支給しています。

在宅勤務日数1日あたり500円を半年ごとに支給し、上限は半年で6万円です。また、2020年6月まで、希望者に対してオフィスで使用するチェアを自宅に配送していました。

株式会社メルカリ

スピーディな対応が光ったのが、株式会社メルカリです。

メルカリがテレワークやオンライン会議を導入したのは2020年2月で、最初の緊急事態宣言の発出前でした。

2020年4月のプレスリリースで在宅勤務手当の支給を発表しており、半年ごとに6万円を支給しています。

2020年7月には『メルカリ・ニューノーマル・ワークスタイル』と題し、出社時間や頻度を自由に選び、オフィスでもリモートでも働ける制度が確立されました。

まとめ

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テレワークは、働き方に多様性をもたらし、企業と従業員の双方にメリットがあります。

一方、テレワークの導入には金銭的な負担が発生します。無理なくテレワークを継続するためには、在宅勤務手当の導入が重要です。

テレワークと在宅勤務手当の取り入れ方は、企業の状況によってもさまざまです。

導入を検討する際は、それぞれのメリットやデメリットをしっかりと把握した上で、企業の現状に合った方法を模索しましょう!


[文・構成/grape編集部]

出典
厚生労働省notemercari

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