「あったらいいな」をカタチに! 身近なアイディアから人気商品を生んだ『発明家』たち
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洗濯は『お湯』がいいって本当? 事実に「マジか」「危ないところだった」洗濯槽のカビ対策にお湯を使いたい時はありませんか。お湯のほうが効果が高そうで…と思うかもしれませんが、実際の効果や適切な湯温について日本電機工業会が公式サイトで解説していました。ぜひ参考にしてみてください。
混ぜて冷やすだけ! 簡単おやつに「2倍量で作った」「食べたい」朝食や小腹がすいた時などにピッタリのヨーグルト。そのまま食べてもおいしいですが、手作りのスイーツレシピで使われることも多いですよね。 簡単レシピ研究家の、まるみキッチン(
料理やDIY、ハンドメイドをはじめ、趣味を通じてさまざまな創作活動をしている人は多いですよね。
昨今では、発明を趣味にしている人が増えているのだそう。
「発明」と聞くと、有名な発明家のトーマス・エジソンなどを思い浮かべてしまいますが、もっと身近なアイディアをカタチにしている人たちがいます。
「どんな人でも発明はできます」と断言する、一般社団法人 発明学会(以下、発明学会)事務局長の松野泰明さんに、発明家になるコツを詳しくうかがってみました。
大ヒット商品『初恋ダイエットスリッパ』を考えたのは?
突然ですが、みなさんは『初恋ダイエットスリッパ』という商品をご存知でしょうか。
かかとが短いスリッパで、履くとかかとが浮くため『つま先立ち運動が楽になる』というアイディア商品。
同商品を考えたのは、主婦の中沢信子さん。これまでの売上は、なんと70億円にも及ぶのだそうです。
驚いた筆者は、早速松野さんにインタビューを敢行しました。
―主婦が考えたアイディア商品が、売上70億円とは…!
発明には、老若男女、学歴や職位も問わず平等にチャンスがあります。
身近なヒントからひらめいた、ちょっとしたアイディアでも、中沢さんのように70億円ぐらい叩き出せる可能性を秘めています。
なにより、立派な商品として社会の発展に役立てることができ、夢とロマンがある点も大衆発明の魅力ですね。
―すべては発想次第のようだが、どうしたらいいアイディアが出てくる?
いいアイディアを出すには、2つの発想方法があります。
『自分の体験をベースにした発想法』と『既存の理論を活用する発想法』です。
『推し活』を楽しくするアイディア商品『カラホ』
ここからは松野さんからうかがった2つの発想方法に焦点を当てて、具体的な発明エピソードと一緒に商品を紹介します。
まず、『自分の体験をベースにした発想法』です。これは、自分の生活や趣味の中で気が付いた『不満』の解決方法を探すという考え方です。
先程紹介した『初恋ダイエットスリッパ』もそうですが、「もっとこうしたら楽になるのに」といった実体験から発想を得るということですね。
ちなみに、スティックライトを保持するためのカラーホルダー『カラホ』という商品も人気グッズの1つ。
アイドルを応援している佐藤さんは、複数のスティックライトを指と指の間に挟んで応援する際、痛くならず簡単に固定できる方法を考えたそうです。
自分で使っていて最高に便利だったこともあり、「ひょっとしたら売れるのでは?」と思いついたという佐藤さん。
商品化する中で素材選び、製造方法など改良を重ね、今ではネットショップでも販売開始30分で毎回売り切れてしまうほどの人気ぶりなのだとか。
洗濯時の困りごとを解決する『クリーン除菌ボール』
次に、『既存の理論を活用する発想法』について紹介します。これは自分の知らなかった知識を活用し、問題解決に生かすという発想方法のこと。
もちろん科学的な根拠や効果、安全性については、知識、設備ともに専門家でないと難しいものです。
ただ、すでに専門家によって効果が実証されているジャンルであれば、自分でその効果を実証する必要はなく、新商品の開発ができるのです。
例えば、洗濯物の生乾きのニオイを防ぐ『クリーン除菌ボール』という商品を発明した発明学会の会員である守屋伯一さんは、同学会が開催しているイベントの企業講演で『銅には抗菌・殺菌効果がある』ということを知ったのだそう。
「じゃあ、銅を洗濯機に入れて、一緒に洗ったら洗濯水の除菌ができて臭わなくなるのでは?」と思いついた守屋さんは、早速自宅にあったゴムボールを切り開き、純銅製の銅タワシを押し込んで再び接着しました。
それを洗濯の際に入れてみたところ、結果は大成功!
洗濯の際に残った水の雑菌数を調べる試験にも出したところ、雑菌数が激減していることも分かりました。
こうして『クリーン除菌ボール』は誕生し、商品化されたのです。
もちろん、いいアイディアを商品化するにはいくつかのポイントがあります。
1つは試行錯誤して、自分で実現できそうなアイディアに挑戦すること、そしてなにより、自分のアイディアで、ほかの人が喜んでくれることが重要。
つまり、ニーズがあれば商品化までのハードルはぐっと下がるといえるのです。
アイディアを売り込む行動力も大事!
アイディア商品の契約をしたい企業が、実際に審査してくれる場に行くことも大切です。
発明学会では、定期的に『身近なヒント発明展』という、アイディアを求める企業だけが審査に参加する発表コンクールのようなイベントを開催しています。
2022年度には、61社のアイディアを求める企業が審査に参加し、10件ものアイディアに対して商品化のオファーがきているのだそうです。
詳細は発明学会のウェブサイトにも紹介されているので、「実は自分の中で眠っているアイディアがある!」という人は、この機会に『発明家への道』に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
一般社団法人 発明学会
[文/キジカク・構成/grape編集部]