たくさんのゴミ袋を持った人の行列 意外過ぎる理由に「これは大変」「油断できない」
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ライターチーム『キジカク』で執筆活動をしている、うーかさん。
アメリカに12年、台湾に2年在住の経験があり、海外ならではの面白い話題を探すことを日課にしています。
そんなうーかさんが、実体験や友人のエピソード、クスッと笑えるユニークなグルメや驚きのカルチャーなどを紹介します!
突然ですが、「引越しの第1条件は?」と聞かれたら、あなたはなんと答えますか。
「駅から近いところ」「日当たりがよい物件」など、人によって譲れない希望条件はさまざまあるでしょう。
台湾で引っ越しをする際、筆者が「これだけは必ず譲れない条件!」として不動産屋に伝えたもの、それはゴミ捨て場があることでした。
日本ではあまり考えない条件かもしれませんが、今回は面倒な台湾のゴミ捨て事情についてお話しします。
ゴミ捨て場がない台湾
実は台湾には日本でいう、ゴミ捨て場というものが街中にはありません。ゴミ捨て場がないというと、「え、じゃあどうやってゴミを捨てるの?」と思われますよね。
答えは、まさかの『自分でゴミ収集車に投げ入れる』という、なんとも原始的な方法です。
台湾のゴミ収集車
自治体にもよりますが、日本では決められた曜日と時間に近くのゴミ捨て場へ事前にゴミを出しておけば、ゴミ収集車がやって来て、収集作業員が捨ててくれるのが一般的。
しかし、台湾では、決まった曜日の決まった時間に、ゴミ収集車が来る場所へわざわざ出向いて自分で捨てるという、手間のかかる方法が主流なのです。
なのでゴミ捨てのために、わざわざスケジュールをあけておく必要があります。
ゴミ収集車が何時にどこに来るかは、あらかじめ自分で調べるか、大家や近所の人に聞いておかなければいけません。
ゴミ収集車がやって来ると?
ゴミ捨ての日、予告時間の少し前に指定場所に行くと、たくさんのゴミ袋を手にした人たちが群れを作って、ゴミ収集車がやってくるのを待っています。
ゴミ収集車を待つ人たち
しばらくすると『エリーゼのために』や『乙女の祈り』の音楽を鳴らしながら、ゴミ収集車が登場!
メロディーを鳴らしながらやってくることで「ゴミの時間だよ!」と知らせているのだそうです。
そのため、台湾人は『エリーゼのために』か『乙女の祈り』の音楽が聞こえると「ゴミ捨ての音楽が鳴ってるね!」といいます。
日本人でいう『蛍の光が聞こえたら閉店』という感覚と同じなのかもしれませんね。
街中を走るゴミ収集車
ゴミ収集車が停まったら、待っていた人たちが順番にゴミを収集車の中に投げ入れていきます。
しかし中には、時間に間に合わなかった人たちがゴミ袋を片手に走ってくることも…。これも台湾のゴミ出し時における風物詩といえます。
ゴミをゴミ収集車へ投げ入れる人々
日々時間に追われ、曜日感覚に鈍感すぎる筆者には、この難易度が高いタスクを処理できる気がしなかったため、ゴミがたまり続けるという危険回避のため『ゴミ捨て場のある物件』をチョイス。
集合住宅のようなマンションや商業施設は、地下などに常設されたゴミ捨て場があるので、筆者も戸数が多めのマンションに住むことを決めたのでした。
そうでなければ、危うく筆者も台湾の風物詩のひと絵になっていたでしょう…。
ゴミ収集車の中
筆者の元同僚には、ごみ収集の日は毎回仕事なので、苦肉の策として「仕事場までゴミを持参して捨てている」という強者もいました。
かつては台湾にも固定のゴミ捨て場があったそうですが、設置により街中が汚くなってしまったため、回収方法を変更したのだとか。
なんとも骨が折れて、昔ながらのゴミ捨てスタイル。台湾へ旅行の際、『エリーゼのために』か『乙女の祈り』の音楽が聞こえてきたら「ゴミ捨て頑張って!」とぜひエールを送ってあげてください。
[文/キジカク・構成/grape編集部]