節約のカギになる!電気使用量の大きい家電 3位 照明、2位 冷蔵庫、1位は?
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2023年6月1日から日本全国で電気料金が値上げとなりました。
夏本番の8月には電気代がこれまで以上に上がり、「ゲッ!」と思う人も多いでしょう。
そこで本記事では、電気料金の値上げに対抗する節電対策についてご紹介します。
電気料金はどうやって計算されている?
まず、電気料金はどのように計算されているのでしょうか。
電気料金は『基本料金』『電力量料金』『再生可能エネルギー発電促進賦課金』の3つを足して求めます。
『基本料金』とは、電力会社が契約プランごとに設定した固定料金のこと。電気をまったく使わなくても基本料金は発生するため、最低料金と呼ばれることもあります。
『電力量料金』は自分が使った電力量が増えるほど上がります。基本、電力の単価と使用量を掛け算したものだからです。
この『電力量料金』は、『電力量の料金単価×1か月の使用量』と『燃料費調整額』を足したもの。『燃料費調整額』は、『燃料費調整単価×1か月の使用量』で求めます。
※写真はイメージ
日本は発電のための燃料のほとんどを輸入に頼っており、世界情勢や為替の影響によって、燃料価格が変動します。
『燃料費調整額』は石油や石炭など、この燃料価格の変動を適切に電気料金に反映させる仕組みです。
これは下がることもあり、下がると『燃料費調整額』が電力量料金を下げる方向に働きます。
2023年現在は世界的な資源価格の上昇局面にあり、電気料金を上げる動きになっているのです。
『再生可能エネルギー発電促進賦課金』とは?
下の図『3』の『再生可能エネルギー発電促進賦課金』は、『再生可能エネルギーの固定価格買取制度』によって定められたもの。電力会社などが買い取りにかかった費用を、電気の使用量に応じて負担しなければなりません。
『再生可能エネルギー発電促進賦課金単価 × 1か月の使用量』で求めるため、使う電力量が増えるほど上がります。
※クリックすると画像を拡大します
まずムダな電気使用がないかをチェック!
電気料金は上記の図ような仕組みで計算されているので、『基本料金』『電力量の料金単価』『1か月の使用量』と『燃料費調整額』『再生可能エネルギー発電促進賦課金単価』のどれが上がっても電気料金は上がります。
同年6月からの電気料金値上げは、規制料金の燃料費調整単価が上限に達したことなどにより、電気料金の元々の価格を上げたという改定です。
※写真はイメージ
個人でできる対策としては、1か月の使用量をコントロールすることでしょう。電気料金を抑えるためには、使用料をできる限り小さくする省エネを意識することが大切です。
電気の使用状況をチェック!
まず、自分の家がどのくらい電気を使用しているのかをチェックして、具体的な省エネアクションにつなげます。
例えば『東京電力エナジーパートナー』(以下、東京電力EP)の場合には、会員向けサービス『くらしTEPCO web』で、最大で過去2年分の電気料金・使用量(売電料金・売電量)をグラフ化して見ることができます(※)。
※スマートメーターの設置、契約する料金プランによって利用できるサービスが異なります。
エアコンを使っている時間の電気使用量などが分かり、いつ、どの家電を節電すればよいのかをイメージしやすいでしょう。
家電によって電気使用量は変わる!
普段はあまり意識していませんが、使う家電によって電気使用量は変わります。電気使用量の大きい家電は以下の3つです。
省エネを考えるなら、電気使用量の大きい家電から節約を意識するのがいいでしょう。
1位:エアコン
2位:冷蔵庫
3位:照明
家電を買い替えても節電になる!
最新の家電は、電力消費が小さくなるようにできていることが多いそうです。そのため、家電を買い替えることで省エネ・節電になることも。
東京電力EPによると、各家電の使用を管理することで、以下のような効果があるそうです。
最近の家電製品は少ない電力で高い効果が得られるよう、エネルギー効率が上がっています。
例えば、冷蔵庫。2021年時点の冷蔵庫は10年前の製品に比べ、年間消費電力量が平均で約39~46%も低くなっています。
自宅の家電製品が10年選手といった場合には、最新のものに買い替えることを考慮してもいいかもしれません。
電気代はどのくらい節約できるか?
自宅で電気を消費するのは家電製品のため、その使い方を管理することで電気料金を抑えることが可能です。
どのくらい節約できるのかを『東京電力EP』に聞いたところ、各家電でこのような効果があるそうです。
【エアコン】
冷房を27~28℃にすると約940円/年の節約。暖房を21~20℃にすると約1650円/年の節約。
冷房の稼働を1日1時間減らすと約580円/年の節約。暖房の稼働を1日1時間減らすと約1260円/年の節約。
フィルターを月1、2回清掃すると約990円/年の節約。
【テレビ】
画面の明るさ設定変更で約840円/年の節約。視聴時間を1日1時間減らすと約520円/年の節約。
【照明】
蛍光ランプをLEDランプに換えると約7倍長持ちする。蛍光灯からLEDシーリングライトへの交換で約2110円/年の節約。白熱電球の点灯時間を1日1時間減らすと約610円/年の節約。
【冷蔵庫】
冷蔵庫の周囲に隙間を作ると約1400円/年の節約。冷蔵室に入れるものを半分にすると、約1360円/年の節約。
【食器洗い乾燥機】
食器洗い乾燥機を使うと手洗いより約6470円/年(電気料金+水道料金)の節約。
【調理家電】
電子レンジで野菜の下ごしらえをすると(ガスで調理するより)約990円/年の節約。電気ポットの保温時間を減らすと約3330円/年の節約。
【IHヒーター】
IHヒーターは約90%という高い熱効率を実現。IHヒーターの電気料金は約1170円/月(4人家族の場合)。
【エコキュート】
ガス給湯器からエコキュートに換えると、一次エネルギー消費量を年間約28%削減。
【温水洗浄便座】
洗浄水(貯湯式)の温度設定を『弱』にすると約430円/年の節約。
便座の温度設定を『弱』にすると約820円/年の節約。便座のフタを毎回使った後に閉めた場合、約1080円/年の節約。
【掃除機】
掃除機の利用を1日1分短縮すると約170円/年の節約。
【洗濯乾燥機】
まとめ洗いで洗う回数を半分にすると約4510円/年(電気料金 + 水道料金)の節約。自然乾燥と乾燥機を併用すると約1万2230円/年の節約。
ただし、無理して節電に励むことはお勧めできません。例えば「絶対にエアコンを使わない」といった行動をとると、熱中症で倒れるかもしれないので、できる範囲で実践してください。
※写真はイメージ
電力会社も省エネに取り組み中
電力会社も省エネに取り組んでいます。例えば、東京電力EPでは、2023年5月10日に『TEPCO省エネプログラム2023』を公表。
2023年度に32億kWh、2024年度に60億kWh(東電EPの販売電力量の3%)の省エネを目指すとしています。
省エネ効果が期待できる太陽光発電設備や、高効率空調設備などの設備導入サポートを重点的に実施するというもので、家庭向けでは『太陽光発電設備+蓄電池』『エコキュート』の導入すると、それぞれ『商品券最大4万円相当』『商品券最大2万円相当』」の特典があるそうです。(※)
※「太陽光発電設備+蓄電池」「エコキュート」の申し込み期間は2023年7~9月。特典進呈時期は『太陽光発電設備:契約から2カ月後めど』『エコキュート:申し込み受付から2カ月後めど』
詳しくは下記の資料をご覧ください。
TEPCO省エネプログラム2023
今後、電気料金はさらに上がる予定です。
2023年2月から『電気・ガス価格激変緩和対策事業』が適用されていますが、これが『2023年1月使用分(2月検針分)から2023年9月使用分(10月検針分)まで』で切れます。
簡単にいえば、これまでは政府から補助金が出て、その分で電気料金が抑えられていたのですが、政府から措置延長の発表がないため、2023年10月使用分以降、また電気代が上がる可能性があるということです。
電気料金を抑えたい場合は、やはり省エネ、無理せず節電を心掛けましょう。
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]