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ショートニングの代用品7選! 注意点や代用に向かない食品まで紹介

By - grape編集部  公開:  更新:

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※写真はイメージ

「お菓子やパン作りに使うショートニングを買い忘れてしまった」「家にある材料で代用できるか」「代用品で作る時の分量が知りたい」とお悩みの人もいるのではないでしょうか。

ショートニングは、動物・植物から抽出した固形油脂です。無味無臭で料理の邪魔をしない便利なアイテムですが、もしショートニングがなくても自宅にあるバターやサラダ油などで代用できるため、買いに行く必要はありません。

本記事では、ショートニングの代わりになる食材について解説します。おいしいお菓子や食パンが作れますので、ぜひ最後までお読みください。

ショートニングの代用品になるもの7選

キッチンの棚に置いてある香辛料の写真

ショートニングは、無味無臭で固形の食用油脂です。お菓子やパンに使うとサクサクした食感になるので、多くのレシピに使用されています。

とはいえ、ショートニングを使う機会がなく、お菓子作りの際につい買い忘れてしまう人も多いでしょう。そんな時は、自宅にある食材で代用できます。

ショートニングの代用品は大きく7つあるので、使い方や違いを知って料理の参考にしてください。

ラード

ラードは、もっともショートニングに近い食品です。ショートニングと同様に味や臭いがないため、お菓子やパン作りに使うのがおすすめです。

クッキーなどの焼き菓子に入れれば、サクサクの食感が味わえます。また、油脂によって水分を維持させる効果があり、パンに入れると膨らみがよくなるので、作りたてのような食感が長持ちするでしょう。

ショートニングは、もともとラードの代わりとして作られました。したがって、ショートニングの代用としてラードを使う場合は、同量で置き換えられます。

なお、ラードには純正品と調整品の2種類があります。それぞれ以下のような違いがあるので、参考にしてください。

特徴メリット・デメリット
純正ラード豚脂のみを使用する・豚脂の旨味やコクが多い
・賞味期限が短い
調整ラード豚脂に食用油脂を添加する・賞味期限が長い
・業務用のため量が多い

オリーブオイル

オリーブオイルをお菓子作りで代用すると、フワフワした軽やかな口当たりになります。オリーブオイルの成分は生地の中に浸透しづらく、表面に留まるため、パン作りに使用するともちもちした食感に仕上がります。

ただし、素材の味を邪魔してしまう可能性もあるため、できれば精製された香りの少ない『ピュアオリーブオイル』を活用しましょう。また、可塑性(かそせい)がない点にも注意が必要です。

可塑性とは、押すと形を変える性質を指します。可塑性がある油脂は、グルテン膜の隙間に入り込んで生地の伸びを助けるため、パン作りに使うとふっくらとした仕上がりになるのが特徴です。

一方、オリーブオイルには可塑性がありません。生地と完全に混ざり隙間を埋めてしまうため、膨らみにくくなります。パン作りなどに使うなら、分量のうち半分をバターなどの固形油脂に置き換えましょう。

サラダ油

サラダ油は無味無臭なので、お菓子やパンに余計な香りや味をつけません。また、バターなどの固形油脂と異なり温度変化に強いため、冷めた状態でも口当たりが軽く仕上がります。

卵の風味を楽しむカステラやシフォンケーキなどに向いていますが、クッキーなどのサクサクした食感のお菓子には向きません。

また、ショートニングをサラダ油で代用する際は、以下のような課題があります。解決策を参考にして調理してみてください。

問題点解決策
生地に馴染みにくい最初に粉類と混ぜる
水分量が多くなる材料の水分量を減らす
膨らみが少なくなるパンなどに使わない

バター

バターをパンやお菓子に代用すると、乳製品の風味とコクがプラスされ、しっとりした食感になります。また、可塑性があるため生地がよく伸びて膨らみやすく、成型が簡単です。

バターは、大きく有塩と無塩の2種類に分けられます。お菓子やパン作りには、味の調整がしやすい無塩バターを使用しましょう。

デメリットは、香りや味が強いため、素材の風味を消してしまうことです。小麦粉や抹茶・果物などの風味を利用したい時は、使わないほうがよいでしょう。

マーガリン

マーガリンの特徴は、風味や香りが少ないことです。よって、素材を楽しむパンやスポンジケーキなどに向いています。

ショートニングと原材料や製造過程が似ているため、代用品として使われることが多いです。代用品として使用する際は、ショートニングと同量で問題ありません。

ショートニングとの違いは、風味と成分構成です。ショートニングはほぼ100%油脂成分ですが、マーガリンは80%程度なので、乳製品の風味があります。

また、マーガリンは水分や乳成分が入っており、パン作りではショートニング以上に軽くて柔らかく仕上がるので、ぜひ試してみてください。

ゴマ油

ゴマ油は、高温に強く酸化しにくい油です。シフォンケーキに代用すると、時間が経ってもしっとり感が持続します。また、乳化性が強く、ほかの食材と混ざりやすいためチョコレートに使用するのもよいでしょう。

ゴマが入ったお菓子やパンに使えば、コクと風味がプラスされます。ただ、香りや色が強すぎるので、素材の邪魔をしてしまうケースも考えられます。

ショートニングの代用として使うなら、太白胡麻油がおすすめです。太白胡麻油は胡麻を煎らずに圧搾して作られるため、香りや色が抑えられており、料理全般に使えます。油っぽさのない焼き上がりや、冷めても持続するフワフワ感を試してみましょう。

米油

米油は、米ぬかを抽出した無味無臭の油脂です。クセがなくサラッとしているので、素材の風味を邪魔しません。

米油は、以下のような玄米由来の栄養素が含まれています。

  • ビタミンE
  • リノール酸
  • オレイン酸
  • オリザノール

抗酸化作用のビタミンEによって油の酸化を抑えられ、においが出にくいので、ドーナツなどの揚げ油などにおすすめです。また、シフォンケーキに使用すると、軽くてなめらかな口当たりになります。

代用する場合は、ショートニングの場合の1/3程度に抑えましょう。また、パン作りでは膨らみが弱くなるため、イースト菌の量を少し増やすのがおすすめです。

ショートニングの代用品に不向きなもの2選

3つの調味料の写真

ショートニングの代用に向いていないものは、主に2つあります。それぞれの特徴や、代用に向かない理由を確認していきましょう。

牛脂

牛脂は、熱すると独特のにおいが出るので、ショートニングの代用に不向きです。融点が高く、室温に戻した状態でも硬くてクリーム状にならないため、お菓子やパン作りには使用できません。

牛脂は、ステーキやチャーハンなどの惣菜を作る時に使うのがおすすめです。

アマニ油

アマニ油は、青背の魚に含まれる不飽和脂肪酸のオメガ3が豊富で、料理に使う人が増えています。しかし熱に弱く、加熱すると生臭いにおいがでるので、ショートニングとしては代用できません。

また、酸化しやすい性質があり、お菓子やパンに使用すると劣化を早めてしまいます。使用するなら、ドレッシングや和え物など、フレッシュな状態で使用するのがおすすめです。

ショートニングとは

スプーンですくったラードの写真

ショートニングは、ラードの代用品として開発されました。冷えた状態では固形で、ほぼ100%動物や植物の油脂でできています。無味無臭なので、どんな料理にも合い邪魔をしません。

パン生地や揚げ物がキレイに仕上がるため、多くの飲食店や市販品で使用されるようになりました。ショートニングを入れると、パンやお菓子を失敗せずに作れるため、多くのレシピに記載されています。

ショートニングをほかの食材で代用する時の注意点

キッチンで野菜を切る写真

ショートニングをほかの食材で代用する時は、形状に注意しましょう。バターやラードなど、固形で形が変わる食材には以下のような特徴があります。

性質特徴
可塑性(かそせい)形状を変えられ維持できる
ショートニング性グルテンの形成を膜が阻止する
クリーミング性空気を抱きこむ

形状が変わる油脂は、パン生地などが扱いやすくなったり膨らみやすくなったりします。可塑性が維持できる温度は、以下の通りです。

  • バター:13~18℃
  • マーガリン:10~30℃
  • ラード:10~25℃

固形の油脂が溶けて液体になると、可塑性が失われてしまいます。また、一度溶けてしまった油脂を再び固めても、可塑性は戻らないので注意しましょう。

ショートニングの代用品で作れるおすすめレシピ3選

食パンの写真

料理を簡単においしくできるショートニングですが、もし切らしてしまっても、ほかの食品で代用が可能です。ショートニングの代用食材を使用したレシピを知って、お菓子やパンを作る時の参考にしてみてください。

イングリッシュスコーン

イングリッシュスコーンは、イギリスのアフタヌーンティーにおいて定番のお菓子です。ショートニングを無塩バターに替えることで、しっとりとしたスコーンができあがります。

材料(直径5cmの型10個分)

  • 薄力粉:200g
  • 牛乳:100g
  • 無塩バター:50g
  • 砂糖:30g
  • ベーキングパウダー:8g
  • 塩:少々

作り方

  1. オーブンを200℃に余熱する。
  2. バターを1cm四方にカットして冷蔵庫で冷やす。
  3. 薄力粉・砂糖・ベーキングパウダー・塩をボールに入れて混ぜる。
  4. ボールにバターを入れて、そぼろ状になるまですり合わせる。
  5. 牛乳を3回に分けて入れ、粉っぽさがなくなったらまとめる。
  6. まとめた生地をラップに包み、冷蔵庫で1時間以上休ませる。
  7. 休ませた生地をめん棒で2cmの厚さに伸ばし、セルクルで抜いていく。
  8. クッキングシートを敷いた天板に並べる。
  9. 200℃に余熱したオーブンで15~20分焼成する。

失敗しないポイントは、素早く混ぜることです。バターの可塑性を失ってしまわないよう、使う直前まで冷蔵庫で冷やしておき、溶けないように素早く混ぜ合わせましょう。

また、生地をしっかり休ませると、グルテンが落ち着いてサクサクとした仕上がりになります。

食パン

バターの風味を活かす食パンのレシピです。ショートニングをバターに替えることで、しっとりした食パンに仕上がります。何もつけずに食べるのがおすすめです。

材料(1斤)

  • 強力粉:250g
  • 砂糖:12g
  • 塩:4g
  • スキムミルク:6g
  • ドライイースト:3g
  • 水:175g
  • 無塩バター:12g

作り方

  1. バターを常温に戻す。
  2. ボールに強力粉・塩・砂糖・スキムミルクを入れて混ぜる。
  3. 真ん中をくぼませて、ドライイースト・水を入れてスケッパーで切るように混ぜる。
  4. 生地がまとまったら約15分間手でこねる。
  5. 生地がツルツルしたらバターを混ぜ込んでいく。
  6. 再び15分ほどこねたら、キレイな面を上にして油を塗ったボールに戻す。

一次発酵は、30℃で1時間が目安になります。オーブンの発酵機能を使うと、温度管理が簡単なので失敗しません。

生地が2倍くらいに膨らんだら、半分ずつ丸めて20分休ませます。油脂を塗った型に入れて二次発酵をしますが、スプレータイプのオイルがあると手が汚れないので便利です。

二次発酵は、35℃の場所で1時間ほど実施します。生地が型より1~2cm出ていれば、200℃のオーブンで25~30分ほど焼きましょう。

空気に触れると乾燥するので、食べる直前に切ることをおすすめします。

フォカッチャ

フォカッチャは、岩塩やオリーブオイルをつけるだけで食べられる平たいパンです。ショートニングをオリーブオイルに代用すると、しっとりしたフォカッチャが食べられます。

材料(5個分)

  • 強力粉:250g
  • 塩:5g
  • 砂糖:5g
  • オリーブオイル:13g
  • ドライイースト:3g
  • 水:150g

作り方

  1. 粉類をボールにふるって合わせる。
  2. 真ん中をくぼませて水・オリーブオイル・ドライイーストを入れる。
  3. 粉っぽさがなくなるまでこねる。
  4. 生地がなめらかになったらボールに入れて50分ほど発酵させる(一次発酵)。
  5. 生地を取り出し5個に分ける。
  6. 30分休ませる(ベンチタイム)。
  7. 生地をめん棒で10cmほどに伸ばす。
  8. クッキングシートを敷いた天板に並べる。
  9. 30分発酵させる(二次発酵)。
  10. 7か所指でへこませてオリーブオイルを塗る。
  11. 220℃のオーブンで約15分焼成する。
  12. 焼き上がりに塩を振る。

フォカッチャは、おつまみやイタリア料理のお供になります。お酒を飲む際などに作っておくと、最高の時間を楽しめるでしょう。

ショートニングがなくてもバターやサラダ油で代用が可能!お菓子やパンを作ってみよう

ドーナツを油で揚げている写真

お菓子やパンのレシピにはショートニングが記載されているケースが多いですが、もし切らしてしまってもほかの材料で代用できます。料理にもよりますが、バターやサラダ油などで代用できるので、慌てて買いに行く必要はありません。

代用品によっては、ショートニングとは違った味わいのお菓子やパンができあがります。この記事で紹介した7つの代用品を使って食パンやスコーンを作り、自分好みの味を発見してみてください。


[文・構成/grape編集部]

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