バターはマーガリンで代用できる! 仕上がりの違いや活用する際のポイントを解説
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- 出典
- 農林水産省
「バターはマーガリンで代用できるのだろうか」と、お悩みの人がいらっしゃるのではないでしょうか。バターは、マーガリンで代用可能です。しかし、バターとマーガリンは成分規格や製造方法が異なるため、料理の仕上がりに影響することも。
そこで本記事ではバターとマーガリンの違いや、代用する際のポイントについて解説します。バターの代わりとしてマーガリンをうまく活用したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
バターはマーガリンで代用できる
バターは、マーガリンで代用可能です。マーガリンは、バターの代用食品として生まれたもの。バターの代わりにマーガリンを使えるのは、当然といえます。
反対に、レシピにマーガリンと書いてある場合は、バターに変更してもよいでしょう。分量も同じで問題ありません。しかし、バターとマーガリンでは、以下のように原料が異なります。
また、マーガリンとバターでは風味も異なります。バターの風味が欲しい時にマーガリンで代用すると、物足りない印象になることも。マーガリンで代用することで、できた料理の風味やコクが違うなど、仕上がりに差が出るケースがあります。
またマーガリンは、料理やレシピに合わせて以下の種類から選択可能です。
コンパウンドマーガリンには、バターが配合されています。通常のマーガリンよりも、バターの風味やコクを感じられるのが特徴です。ケーキ用マーガリンは、練り込みやすかったりホイップしやすかったりと、お菓子作りに適した特徴を持っています。バターの代わりとしてマーガリンを使用する際は、レシピに合うものを選択しましょう。
バターとマーガリンの4つの違い
ここではバターとマーガリンの違いを、4項目に分けて解説します。
バターとマーガリンの違いを理解することで、それぞれに適した使い方ができるようになるでしょう。
成分規格・製造方法
バターとマーガリンでは、成分規格や製造方法に大きな違いがあります。バターは『乳及び乳製品の成分規格等に関する省令』で、成分規格や製造方法が定められています。一方でマーガリンは『日本農林規格(JAS規格)』で、規定されている食材です。バターとマーガリンの成分規格や製造方法は以下のとおり。
・水分17%以下
・乳脂肪含有率40%未満
・水分17%以下
成分規格や製造方法が違うことで、風味やコクなど、料理の仕上がりにも影響します。また、農林水産省が定めるマーガリン類は『マーガリン』と『ファットスプレッド』の2種類。ファットスプレッドとマーガリンの違いは以下のとおりです。
ファットスプレッドは、マーガリンよりも油脂の含有量が少ないです。マーガリンより水分量が多く柔らかいため、パンに塗りやすいという特徴を持ちます。
ファットスプレッドは、ハチミツや風味原料などを配合することが許されている食材です。現在では、フルーツ味やチョコレート風味など、さまざまな種類のファットスプレッドが販売されています。
風味
バターとマーガリンの風味の違いは、以下のとおり。
牛乳ならではの豊かな風味をもつバターは、濃厚でコクのある味わいが特徴です。料理の味にコクを出したい時にマーガリンを代用すると、物足りないと感じるでしょう。またバターは、加熱しても風味が損なわれません。そのため、熱を加える料理や焼き菓子を作る際に、利用されることが多い食材です。
一方でマーガリンは、原料が植物油のため、バターのような風味はありません。マーガリンは製造過程で香りや味をつけているため、加熱すると風味が消えてしまいます。料理にコクを出したい場合には、向かない食材です。料理をあっさりとした味わいに仕上げたい時に、マーガリンを使いましょう。
賞味期限
バターとマーガリンで賞味期限も異なります。バターとマーガリンの賞味期限の違いは、以下のとおりです。
バターよりもマーガリンのほうが、賞味期限が長いです。未開封の場合に限りますが、マーガリンは購入からバターの1.5倍程度日持ちすることも。また、開封後でも正しく保存すれば、マーガリンのほうが長い期間買い換えずに済みます。
ただし、保存方法に注意が必要です。バターやマーガリンを保存する際は、冷蔵庫に入れておきましょう。バターは冷凍庫でも保存可能です。しかし、商品表示に記載されている保存方法である『要冷蔵10℃以下』とは異なるため、品質を保証できません。
マーガリンを冷凍保存すると、解凍した際に油分と水分が分離することがあります。マーガリンの表面に水分がにじみでると、カビが生えやすくなるので要注意です。バターとマーガリンは、定められた方法に従って保存を行い、賞味期限にかかわらず、早めに食べ切るようにしてください。
価格
バターとマーガリンは類似食材ですが、購入する際の価格は異なります。バターと比べてマーガリンのほうが、安価で手に入りやすいです。マーガリンは200gあたり300円程度で販売されていますが、バターは200gあたり400円を超えます。
料理やお菓子作りにバターを使用する際は、コストが高くなるでしょう。料理にバターやマーガリンを使用する際は、以下のようにレシピに合わせてうまく使い分けてください。
バターは原材料の高騰によって、価格変動が起きやすい食材でもあります。一方でマーガリンは比較的価格が安定しています。バターを使用するよりも、料理のコストを抑えられる点がマーガリンの魅力です。
【料理別】バターの代わりにマーガリンを使用した際の仕上がり
ここでは、以下の料理別にバターの代用食品としてマーガリンを使用した際の仕上がりの違いについて解説します。
バターの代わりにマーガリンを使用する際の参考にしてください。
スポンジケーキ
スポンジケーキを作る際に、マーガリンを代用すると、ふわりとした食感であっさりした味わいになります。コクや風味が欲しいなら、バターがブランドされた『コンパウンドマーガリン』を使うのがおすすめ。バターの風味やコクが加わるため、仕上がりが大きく変わることはないでしょう。
マーガリンはバターと比べて、柔らかく混ぜやすいため、フルーツやチョコなど、生地に具を入れる際に適しています。
パウンドケーキ
バターの代わりにマーガリンを使用すると、パウンドケーキの生地作りが楽になります。マーガリンは、バターよりも柔らかく混ぜやすいためです。味はバターで作る時と比べると、あっさりしていて、ふわりとした食感になります。
ふわりとした軽い食感が好みだったり、具材を入れて口あたりを軽くしたりしたい人は、マーガリンの使用をおすすめします。
クッキー
マーガリンを使うと、口当たりが軽く、しっとりとした食感のクッキーに仕上がります。味はバターを使用した時に比べて、あっさりとしています。重くなく食べやすいクッキーを作りたい人には、マーガリンの使用をおすすめします。しかしマーガリンは、バターに比べて水分量が多いため、生地が柔らかくなりやすいです。
成形する前に冷蔵庫で冷やし、冷やした生地を冷蔵庫から取り出したら、すぐに作業に取り掛かるのがポイント。作業中や焼いた時に、生地が崩れないようにするためです。クッキーの味が薄かったり、風味が足りないと感じた際は、アーモンドプードルを加えると、コクのある味わいになります。
パン
マーガリンでパンを作ると、バターを使用した時よりも風味は劣ります。しかしふわりと軽く、ソフトな食感に仕上がります。生地が柔らかくなるため、クロワッサンやパイなどの折り込みには、不向きです。マーガリンは、生地を練り込んで作るパンに適しています。
マーガリンにはバターよりも水分が多く含まれているので、生地と馴染みやすく、作業がしやすい点もメリットの1つです。
バターをマーガリンで代用する際の2つのポイント
この章では、バターをマーガリンで代用する際のポイントを2つ解説します。
バターの代用食品としてマーガリンを使用する前に、目を通しておきましょう。
焦がしバターを使うお菓子はマーガリンで代用できない
焦がしバターを使う『フィナンシェ』や『マドレーヌ』といった焼き菓子を作る場合、マーガリンでは代用できません。焦がしバターとは、褐色になるまでバターを加熱したもの。料理に使うと、バターの香ばしさが足されるのが特徴です。この焦がしバターは、マーガリンでは代用できません。
マーガリンはバターに比べて水分が多く含まれているため、高温で加熱すると溶けて飛び跳ねます。
マーガリンの水分のみが溶けてしまい、鍋やフライパンを焦がしてしまう可能性が高いです。また、マーガリンは加熱すると風味が損なわれるため、焦がしバターのような香ばしさが料理に加わらないでしょう。焦がしバターを使うレシピには、マーガリンを使わないのが無難です。
無塩バターと有塩バターのどちらが使用されているか確認する
バターの代用食品としてマーガリンを使う際は、料理のレシピで無塩と有塩バターのどちらが使用されているか確認しましょう。お菓子作りでは無塩バターが使用されるケースが多いですが、料理では有塩バターが使われます。
マーガリンを使う際は、レシピが無塩か有塩かを見て、塩を追加するなど、味の調整を行う必要があるでしょう。バターの代わりとしてマーガリンを使う場合は、レシピに書かれている分量をそのまま使い、塩分で味を調節してください。
バターをマーガリンで代用する時は活用可能な料理か事前に確認しよう
バターはマーガリンで代用可能です。マーガリンで代用すると、バターを使う時よりも、料理があっさりとした味わいになります。バターよりもマーガリンのほうが賞味期限が長いため、料理を長期保存したい時に使用してもよいでしょう。大量に作る際は、マーガリンがおすすめです。
また価格もマーガリンのほうが安いため、料理にかかる費用を抑えられる点もメリットです。しかし、焦がしバターを使ったお菓子にはマーガリンは使えません。バターをマーガリンで代用する時は、活用できるかどうかを事前に確認しましょう。
バターの代用食品としてマーガリンをうまく活用して、料理のレパートリーを増やしてみてください。
[文・構成/grape編集部]