サクをうまく切るには? 老舗鮮魚店が教える『2つの切り方』が意外と簡単そう
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切り身にされた刺身を購入するよりも、柵(以下、サク)を購入して自分で切ったほうが、たくさん食べられますよね。ただ、サクを切るのはあまり得意ではない人もいるでしょう。
初めて刺身を切る時は、どうすればおいしくきれいに切れるのか、分からないもの。
実は切るだけと思われがちですが、正しい切り方を知っているか否かで味に違いが出ます。「刺身は立派な料理」といわれるのは、そのためです。
そこで、サクの切り方について、東京都練馬区にある『魚又』の大将、伊佐宏和さんに聞きました。
『魚又』は1959年創業の老舗鮮魚店で、2024年現在も地元民から愛され続けている店です。
伊佐宏和さん(画像提供:魚又)
覚えよう!2種類のサクの切り方
サクを刺身にするには、主に『平造り』『そぎ切り』という2つの切り方があります。
伊佐さんによると、それぞれの切り方について詳しく聞いてみました。
平造りというのは、簡単にいうと『四角く角がある身』に切る方法、そぎ切りは『薄く平たい身』に切る方法です。
私たちは『コバが立つ』といいますが、コバというのは『角(かど)』のことです。平造りにすると、身にコバが立って食感があります。見栄えもいいですね。
そぎ切りにすると、寿司ネタのように薄く滑らかな見た目と食感になります。どの種類の魚でもこの2種類の切り方を覚えておくと使えます。
マグロやカツオなど身の厚い魚には平造り、サーモンやヒラメなど身の薄い魚にはそぎ切りが向いています。
ただ、サーモンだから平造りをしてはいけないといったことはありません。マグロをそぎ切りした刺身も普通に販売しています。
見せてもらったマグロのサク(画像提供:魚又)
サクを切る時の注意点を聞いたところ、このようなアドバイスをもらいました。
まず、サクには木目のように目が走っているので、この『目』を意識して切ることが大事です。
平造りでは、この目を断つように、直角に当たる感じで包丁の刃を入れ、サクの右から適当な厚みに切っていきます。切った身は右に寄せて、次の身を切りましょう。
厚いのが好きな方は厚く、薄いのが好きな方は薄く、お好みでどうぞ。
平造りの場合は、切り身のエッジが立ってそれが食感になります。角がきれいに出るように切ることを意識するといいですね。
平造りの方法(画像提供:魚又)
そぎ切りの場合は「サクの左側から浅い角度で包丁の刃を入れ、薄く、文字どおり削(そ)ぐようにして切ります。切った身は一片ずつきれいに盛り付けましょう」とのことです。
そぎ切りの方法(画像提供:魚又)
続けて、家庭用の一般的な包丁でも問題ないのかも聞いてみると…。
私たちプロが使っているような柳刃包丁でなくても、家庭用の両刃の『いわゆる菜っ葉包丁』でもきれいに切れます。
特に刺し身用の包丁をそろえなくてもいいですよ。
ただし、普段からよく手入れをして、きちんと切れる状態にしておくことが重要です。
サクを切ったことがなかった人は、伊佐さんのアドバイスを参考に、家庭用包丁で臆せずチャレンジしてみましょう!
取材協力:『中村橋 魚又』
〒176-0023
東京都練馬区中村北4-5-13 アイワビル1F
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]