人間の善意が命を奪った バイソンの赤ちゃんが安楽死に至った理由 By - grape編集部 公開:2016-05-18 更新:2026-04-19 動物愛護 Share Post LINE はてな コメント アメリカ、イエローストーン国立公園。 2016年5月、ここで起きたある悲しい出来事が公表されました。 それは、バイソンの赤ちゃんがレンジャーの手により、安楽死させられたこと。 そこには、優しさを掛け違えてしまった人間の悲しさがありました。 親からはぐれたバイソンの赤ちゃん イエローストーン国立公園を観光に訪れた一組の親子。彼らはそこで一匹のバイソンの赤ちゃんを目にします。 怯える赤ちゃんバイソンの姿に、親子は「お母さんから離れた赤ちゃんバイソンは、寒すぎて死んでしまうのではないか。」と考えました。そこで、車の後部座席に赤ちゃんを乗せ、レンジャーの詰め所へ運んだのです。 イエローストーン国立公園は、野生のバイソンが群れをなして暮らす広大な自然保護区です。観光客にとっては間近でバイソンの親子を見られる場所として知られていますが、野生動物への接触を禁じるルールも厳しく定められています。それでも、目の前で困っているように見える動物を前にすれば、助けたいと思うのは自然な感情かもしれません。 しかし、その優しさはバイソンの赤ちゃんの命を奪う結果になってしまいました。 群れに戻れない… 一度人間の関わってしまったバイソンの赤ちゃんは、群れに戻ることが出来ません。お母さんも赤ちゃんを遠ざけます。 レンジャーは群れに戻れるよう、繰り返し努力したのですが、無情にも群れは赤ちゃんから離れていきます。赤ちゃんバイソンは一匹では生きていくことはできません。道路にさまよい出てきて、人や車に危険が及ぶようにもなってしまいました。 そこで、レンジャーは公園内の安全を守るために、赤ちゃんバイソンを安楽死させるという方法を取ることにしたのです。 バイソンのような野生動物は、群れの中で生きることで身を守っています。生まれて間もない子どもは、母親や群れの仲間なしには体温を保つことも外敵から身を守ることも難しい状況です。人間の匂いがついた子どもを群れが受け入れないのは、群れ全体を守るための本能的な反応だといわれています。 もう二度とこんな悲しい出来事を繰り返すことのないようFacebookに投稿された文章。そこには、無念な思いがつづられていました。 News has been circulating on social media about people putting a bison calf in their car. The story is true, and its sad…Yellowstone National Parkさんの投稿 2016年5月16日 Web上には、赤ちゃんを保護した親子への非難、そして「安楽死以外になにか手はなかったのか」という言葉があふれています。 イエローストーン国立公園の公式Facebookページには、この出来事を受けて「野生動物を車に乗せることは違法であり、動物にとっても危険です」という旨のメッセージが記されています。善意から生まれた行動が取り返しのつかない結果を招いてしまったことへの悔しさが、投稿全体からにじみ出るようです。 しかし、観光客の親子もレンジャーたちも、バイソンの赤ちゃんを救いたかったはず。普段保護している動物たちに対して、こんな方法は選びたくなかったことでしょう。 野生動物たちは私たちの身近で暮らす動物とは違う。彼らに近づく時には敬意を持って、最低限のルールを知っておかなくてはなりません。そのことを強く思い知らされる出来事です。 保護動物の未来が変わる? 話題の『推し活支援』サービスが…【独自取材】保護犬や保護猫を『推し活』で支援できる新サービス『しっぽの輪』が登場。飼えなくても、写真などを見て気になった動物を『推しの子』として応援できる仕組みや、開発者が立ち上げた背景を紹介します。 コヨーテの赤ちゃんを抱く女性の『顔』が…?「爆笑した」「最高」コヨーテの赤ちゃんを抱く女性の『顔』が…?「爆笑した」「最高」 出典 Yellowstone National Park/ABC News Share Post LINE はてな コメント
アメリカ、イエローストーン国立公園。
2016年5月、ここで起きたある悲しい出来事が公表されました。
それは、バイソンの赤ちゃんがレンジャーの手により、安楽死させられたこと。
そこには、優しさを掛け違えてしまった人間の悲しさがありました。
親からはぐれたバイソンの赤ちゃん
イエローストーン国立公園を観光に訪れた一組の親子。彼らはそこで一匹のバイソンの赤ちゃんを目にします。
怯える赤ちゃんバイソンの姿に、親子は「お母さんから離れた赤ちゃんバイソンは、寒すぎて死んでしまうのではないか。」と考えました。そこで、車の後部座席に赤ちゃんを乗せ、レンジャーの詰め所へ運んだのです。
イエローストーン国立公園は、野生のバイソンが群れをなして暮らす広大な自然保護区です。観光客にとっては間近でバイソンの親子を見られる場所として知られていますが、野生動物への接触を禁じるルールも厳しく定められています。それでも、目の前で困っているように見える動物を前にすれば、助けたいと思うのは自然な感情かもしれません。
しかし、その優しさはバイソンの赤ちゃんの命を奪う結果になってしまいました。
群れに戻れない…
一度人間の関わってしまったバイソンの赤ちゃんは、群れに戻ることが出来ません。お母さんも赤ちゃんを遠ざけます。
レンジャーは群れに戻れるよう、繰り返し努力したのですが、無情にも群れは赤ちゃんから離れていきます。赤ちゃんバイソンは一匹では生きていくことはできません。道路にさまよい出てきて、人や車に危険が及ぶようにもなってしまいました。
そこで、レンジャーは公園内の安全を守るために、赤ちゃんバイソンを安楽死させるという方法を取ることにしたのです。
バイソンのような野生動物は、群れの中で生きることで身を守っています。生まれて間もない子どもは、母親や群れの仲間なしには体温を保つことも外敵から身を守ることも難しい状況です。人間の匂いがついた子どもを群れが受け入れないのは、群れ全体を守るための本能的な反応だといわれています。
もう二度とこんな悲しい出来事を繰り返すことのないようFacebookに投稿された文章。そこには、無念な思いがつづられていました。
Web上には、赤ちゃんを保護した親子への非難、そして「安楽死以外になにか手はなかったのか」という言葉があふれています。
イエローストーン国立公園の公式Facebookページには、この出来事を受けて「野生動物を車に乗せることは違法であり、動物にとっても危険です」という旨のメッセージが記されています。善意から生まれた行動が取り返しのつかない結果を招いてしまったことへの悔しさが、投稿全体からにじみ出るようです。
しかし、観光客の親子もレンジャーたちも、バイソンの赤ちゃんを救いたかったはず。普段保護している動物たちに対して、こんな方法は選びたくなかったことでしょう。
野生動物たちは私たちの身近で暮らす動物とは違う。彼らに近づく時には敬意を持って、最低限のルールを知っておかなくてはなりません。そのことを強く思い知らされる出来事です。